ブックキュレーター花まる学習会代表 高濱正伸
これからの「学校」「勉強」を考える
もはや、決められたルールに従って物事を考える平均点以上の人材を大量に作る教育は立ち行かなくなっている。堀江貴文氏しかり、ドワンゴの川上量生氏しかり、これまでの学校の枠組みに囚われない新しい学校が生まれつつある。転換期である今、これらの本は「学校」「勉強」の意味を見つめなおすために役立つだろう。
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学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」
小幡 和輝(著)
学校に戻れない子の治療的側面で書かれた、これまでの不登校本とは一線を画している。不登校になった著者だからこそいえる「宝の言葉」が溢れているのだ。例えば、親が不登校の原因を追究することは良くないと書かれている。なぜなら、理由などなく、なんとなく行かなくなるものだからだ。そのことを理解し、居場所を確保してあげるのが親の役割だと改めて気付かされる。
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平均的な底上げを多く輩出することを目的とした従来の学校の枠組みは限界にきている。今後、間違いなく新しい学校の仕組みが出来るはずだ。そのときの理論書の位置づけである本書は、大学教授らしいエビデンスベース、かつ、豊かな感性の文章で魅力的に綴られている。
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東大教授が教える独学勉強法
柳川範之(著)
高校に行かずに全て独学で学んだ著者の勉強法が纏められている。例えば、「要点を纏めて的確に記載する」という従来の勉強法と異なり、「本を通じて著者と対話し、その中で納得できる言葉、どうしても納得できない言葉を見つけていく」という方法。勉強について、易しい言葉で実に本質的なことが書かれている。
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必ず食える1%の人になる方法
藤原和博(著)
成功者が書いた本は「あなただからできたんでしょ、とても真似できない」と思ってしまうものが多い。本書は、庶民が読んで本当に役に立つ勉強・教育論であり、強くお勧めしたい。著者は、「一万時間掛ければ誰でも100人に1人」の人材にはなれるし、それを3つ持てば100万人に1人の人間になれると述べている。実は、私の能力も、数学力と、落語を聞きまくって学んだ講演の上手さの掛け算で成り立ってるのだと気付かされた。
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ちゃんと失敗する子の育て方
高濱 正伸(著) , 西郡 文啓(著)
母親は、わが子を守ろうとする思いが強すぎて、子供の環境を整えすぎてしまう。そうやって、失敗の免疫がないまま大人になってしまうと、真の意味で悲劇が起きてしまう。この本で、適度に失敗をしても、その失敗を満喫したり乗り越える力を養ってほしいと強く願う。
ブックキュレーター
花まる学習会代表 高濱正伸花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会理事。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。『小3までに育てたい算数脳』、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』ほか、『算数脳パズルなぞぺー』シリーズなど、著書多数。全国各地で年間約100開催する講演会も好評。ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー。アプリラジオ「ちょっと聞いてよ高濱先生!」を「勢太郎の海賊ラジオ」にて放送中。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
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