ブックキュレーターHONZ代表・元日本マイクロソフト社長 成毛眞
資本主義の「構造」を知っておく
私たちが生きている資本主義には大きな構造から小さな構造までさまざまある。それを知れば資本主義を理解するのにも、その中で働くにも、見通しがよくなるだろう。何より、その構造とは誰かが「世界を変えた」という歴史でもある。構造とは、知ると心が躍る面白い発明だ。
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私たちが現在格安で世界中のモノを買えるようになったのは、あるひとりのヤマっ気のある男が考えたただの「ハコ」のおかげだった。最新のテクノロジーでもなく、複雑なしくみでもなく、シンプルな発想が、世界の物流だけでなく、それまでの産業や職業まで変えてしまった。私のオールタイムベストの愛読書でもある。
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資本主義とは「アメリカ・英国」VS「ドイツ・日本」に分かれる。この視点でそれぞれの国を分析した本だ。なぜ日本は移民に消極的なのか、どうして貯蓄する人が多いのか、裁判が少ないのかなども、この構造を知っていると分かってくる。改定前の初版は1992年。いまなお古びない古典的名著だ。
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ヒトはテクノロジーと経済、政治を発展させ、人類始まって以来解決は不能だと思われていた問題「飢えや伝染病、戦争」を乗り越えてきた。その後に起こる問題やヒトが望むことは何なのか? 近代の進歩は、サイエンスとテクノロジー抜きには語れないこともよくわかる。
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20年後、あなたは何歳だろうか?この本は、現在のデータから見た確実に起こる未来を、経済、暮らし、環境などあらゆるジャンルで網羅した。たとえば、あなたにもし子どもがいるなら、その子たちは確実に100歳を超えて生きる。そうなると、温暖化の真っただ中で食料や戦争の危機に見舞われている可能性が高い。読んで、未来への行動をしよう。
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amazonはすごい。何がすごいかというと、商品を自社の倉庫にそろえ、物流まで全部自前でやっていることと、儲けた利益を自社の発展につっこむサイクルを確立していることである。そう、やっていることはシンプルだが、それを実行し続けている構造を作ったことがすごいのだ。
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人間には必ずバイアスがある。それに足を引っ張られないように必要なのが統計だ。この本のすごいところは、なかなかむずかしいそのふたつを、世界中の誰もが知っている例で誰もがわかりやすいように説明しているところだ。
ブックキュレーター
HONZ代表・元日本マイクロソフト社長 成毛眞1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。『2040年の未来予測』(日経BP)など著書多数。
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