ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
明日はどんな服を着よう? ファッションの歴史、手作りの楽しみや怖さまで、「装うこと」を考えてみたい。
好きでも嫌いでもいい加減でも、服を着ないと出かけられない。ではファッションはどのように生まれ、展開してきたのだろうか。ファッションの歴史を知り、「明日、自分が着たい服」を考えよう。
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新聞記者として働く行司さんは、自分や母の服を手作りすることにした。知り合いにも頼まれるようになり、約20年間で「3歳から91歳までの80人に290着」もの服を作ってきた。本にはさまざまな人が登場し、服について、手仕事について語る。「服を作ることは料理することに似ている」という、行司さんの言葉も印象的だ。
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『魔女の宅急便』で知られる、角野栄子さんは80代、ライフスタイルブックが出されるほどファッションも人気だ。角野さんの服をコーディネートしている娘のくぼしまりほさんが、洋服のサイズや工夫について、写真やイラストともに、実践的に教えてくれる。何歳になっても、着心地良くファッションを楽しむことができるんだ——と、元気を与えてくれる。
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1901年から100年間の欧米ファッションの変化を、写真やスケッチ、著名人のポートレートなど、豊富な図版とともに紹介、大きな流れがわかる内容だ。巻末近くには川久保玲や三宅一生も登場し、日本のファッション文化と世界との関係も見えてくる。
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2021年に開催され、話題となった展覧会の図録だ。洋装を取り入れた明治期以降、日本社会の変化とともに、装いの文化もまた独自の文化を花開かせた。戦後から現在に至るまでの日本のファッションを、デザイナーと消費者の双方向から考え、メディア(写真・雑誌・映像)についても考察する。戦後の日本ファッションを再考することは、未来のファッションについて考えることにもなるだろう。
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19世紀20世紀前半にかけて、科学技術の進歩によって欧米諸国にもたらされたファッションの新素材が、いかに多くの死を招いたかを教えてくれる。燃え上がる服、毒を持つ技術や色素、その被害には驚かされる。最終章「ファッションの犠牲者を出さない未来へ」ではファッションによる犠牲者が現代にもいることが明かされる。服と私たちの関係を見直す時期に来ているのだ。
ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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