honto+インタビュー vol.24 鳥居みゆき

注目作家や著名人に最新作やおすすめ本などを聞く『honto+インタビュー』。
今回は、『やねの上の乳歯ちゃん』で絵本作家デビューを果たした鳥居みゆきさんが登場。

「私は絵はかけないけど、努力すればかけると思って、全然やったことのない絵本というジャンルだけどなんとかなるかな、と思って今回挑戦してみました。」

テレビや舞台で唯一無二の存在感を放ち、また小説家として文学作品を複数発表するなど、様々なカテゴリーで活躍中の鳥居みゆきさん。
そんな鳥居さんが新刊を出すという情報を伺い、新刊の絵本『やねの上の乳歯ちゃん』に関するお話しをお伺いしてきました。

Q.これまで文学作品はいくつか発表されておりますが、今回の新刊はなんと絵本ということで驚きました。絵本というジャンルで本を出そうと思われた経緯をお聞かせ下さい。

A.鳥居:私も驚いているんですよ(笑)。
むかし歯医者で働いていた事があるんです。その流れで、歯の専門誌から「何でも構わないので歯に関する事を書いて下さい」という依頼が来て、それで今回絵本に書いた内容を文章として書いたんです。
それで、原稿を送ったんですけど「こういうのではなく、歯科助士として働いていた経験などを入れてほしかった」と戻されてしまって…。何でも良いって言われたのに…。
でも、書いた文章はこのままの形で世に出したいなと思いまして。文字数もそこまで長くもないし、どうするのがベストかな?と考えた時に「絵本だったらいけるかも?」と。
すると、ちょうど同じタイミングでマネージャーから「絵本出します?」って言われたんですよ!
なんと、今回出すことになった出版社さんから同じタイミングで絵本のお話しがあったんですよ!
「わー!すごい!合致したー!」と大喜びしました。

Q.すごく偶然が重なりましたね!

A.鳥居:そうなんです。それで絵も描くことになり、絵はこれまで描いた経験もないから色々と勉強しながら描きました。
それと今回表紙を凝りたいなと思って色々考えました。
表紙の帯の部分が歯になっていて、帯をめくるとやねの上をお掃除しているようになっています。そしてやねを掃除しているときはこれが(表紙の虹のうえの泡)雲に見えるようになるといいな!とか、絵が下手なぶん色々とこざかしい事やってます(笑)。
文章としては大人も楽しめ、絵は子どもが楽しめるようにして親子で楽しんでもらえるよう配慮しながら描きました。
子供の頃って文章以上に絵を見て想像する部分が大きいと思いますし、「あぁこの絵かわいいなぁ」とか思いながら読んでもらえると嬉しいですね。
あと、昔から迷路を書くのが好きなので、今回の絵本のなかでも迷路が出てきます。迷路は乳歯ちゃんの大冒険になっていて、乳歯ちゃんが抜けたあとに口の中に戻ろうとしているんです。実際に迷路で遊べる仕掛けになっていますので、そのあたりも楽しんで欲しいです。

Q.実際に遊べるページもあって楽しいですね。歯の生え変わりって子どもにとっては物凄くビッグイベントですから、楽しんで読んでもらえそうですね。

A.鳥居:そうですね。私がこの本で伝えたかったのは「歯はとっても大事だよ」とかそんな事ではなく、私も「中身が子どもだね」とかよく言われるんですけど、見た目の成長だけが成長かな?と思ったんですよ。乳歯は絶対に乳歯のままじゃないですか。だけど、心の成長のほうが大事なんじゃないかなと。大人に見えても中身が成長していない人って結構いるなかで、見た目どうこうではなく心を成長させるってことが大人になることなんだよ、っていうことを描きたかったんです。
乳歯は永久歯にはなれないけれど、子供として、心が成長していく過程を描いているんです。

Q.最初鳥居さんが絵本を出すってお聞きしたとき「果たしてどの層がターゲットになるんだろう?」と思っていたのですが、まさに親子で楽しめる絵本ですね。

A.鳥居:「人と比べる必要はないんだよ」と伝えたい本です。永久歯を見て「羨ましい」と思うこともあるけど、自分も努力したらなんとかなるということは一杯あると思うし。
私自身、他の人より常識も知らないし、これまで何も出来てきていないと思っているんですけど、だけど人の倍努力をすればいいと思ったんです。
不器用な分、倍努力すれば人並みにはなれると思っていて、それを最近ふと思い出したんですよ。経験も必要だけど、努力でなんとかなるなと。
私は絵はかけないけど、努力すればかけると思って、全然やったことのない絵本というジャンルだけどなんとかなるかな、と思って今回挑戦してみました。
出来ないからやらないってダサいじゃないですか(笑)。
今回も絵は誰か他の人が描いてくれるんだろうな、とか最初思っていたんですけど、「絵も描いてみませんか?」と言われて、昔の私だったら「描けない」と断っていたと思うんですけど、今回はそれがチャンスだなと思って描いてみたんです。

Q.クリスマスも近いですし、お子さんへのプレゼントに最適だと思います。

A.鳥居:そうですね。是非親子で楽しんでもらいたいですね。
因みに、私のファンの女の子が、ファンの男の人と結婚して「みゆき」という名前を付けたんですよ。だからその方は絶対買ってくれるだろうな、と(笑)。一冊売れるのは確定してます(笑)。

※インタビュー後に鳥居みゆきさんに「ブックツリー」を作って頂きました。
今回絵本を描かれたということもあって“挿絵”をテーマにしたブックツリーです。
本好きとして有名な鳥居さんですが、今回作成いただいたブックツリーもそんな鳥居さんの本好きな一面が垣間見える内容です。
【鳥居さんのブックツリーはこちら】

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著作ピックアップ

やねの上の乳歯ちゃん

やねの上の乳歯ちゃん

出版社:文響社

鳥居みゆき初の「子ども向け」絵本。つるの剛士さん推薦!歯が抜けるという「大人になる機会」を乳歯の視点から見た、新しい成長物語。

著者プロフィール

鳥居みゆき(とりい・みゆき)

1981年秋田県生まれ。バラエティ番組やライブで活躍するほか、ドラマ・映画にも多数出演。
著書に『夜にはずっと深い夜を』『余った傘はありません』(幻冬舎)、『やねの上の乳歯ちゃん』(文響社)がある。

お知らせ

鳥居みゆきさんのブックツリーを含む、12月の絵本児童書ブックツリーポイントキャンペーンを実施中です。
あわせて、著者直筆サイン本と著者自らがテーマを設定し自由に選んだ本(ブックツリー)が当たるプレゼントキャンペーンも実施中ですので、是非ご利用ください。

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