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読むべき。
の一言に尽きる。って言っちゃうと感想ぽくないけれども。
チェルノブイリの事故を。
日本で起こった原発事故を。
忘れないために。同じ過ちを繰り返さぬために。
なぜ原発が恐ろしいのかをわかりやすく説明されている本。
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チェルノブイリの事故を受けて生命科学者が書いた本。地震による原発事故の可能性にも言及している。
記憶している以上に原発事故が多いこと、危機一髪な状況を何度も繰り返してきたこと…そして、いま。わたしたちは、なぜ学ばないのか、変わろうとしないのか。代替案を提示しない感情的な文体に疑問を感じるところもあったけど、放射性物質が生命に与えるメカニズムの解説は平易で分かりやすい。
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放射能が何故こわいか、わずかな放射線が生命にもたらす影響など、生命科学者によるわかりやすい言葉で綴られている。
すぐには症状が出なくても遺伝子が傷つき将来子孫に影響する可能性もあるという放射能。
架空の安全性の上に国の原子力計画は進められているという。
そして、放射性廃棄物処理の術を持たぬ人類。
さらに、私たちの心の問題まで言及し、地球と生命を守るのは我々庶民だと一人一人の自覚をうながしている。
今こそ必読書。
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本書は1988年、1986年4月のチェルノブイリ原発事故の後書かれ、2007年に文庫本として出版された。
原子力問題で一番の悪者は誰でしょうか?
原子力を発見した科学者でしょうか、
原子力発電を考案した人でしょうか、
それを使おうとした電力会社でしょうか、
それを許可した国でしょうか、
その恐ろしさに気づかなかった国民でしょうか、
私が一番悪かったのではないかと気づき、慄然とした。
福島原発の惨状を毎日のニュースで見ながら、自分に問いかけながら読み進んだ…
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企画コーナー「今、原発を考える時」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/5/23-7/31】
湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1523563
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非常にホットなタイトルなので、震災後に出版されたのかと思ったのですが、そうではなく、チェルノブイリ事故の直後に書かれ、「放射能はなぜこわいー生命科学の視点から」というタイトルで出版されたものを、文庫化したものです。
柳澤桂子さんは、生命科学がご専門。
この本の中でもお書きになっていますが、先天性異常の研究に従事されていた時には、放射性物質を使った実験を行っていたそうです。
たった一滴の放射性物質を扱う実験の過程でも、放射性廃棄物は出ます。
針一本、ティッシュ一枚に至るまで、放射能が付着していると考えられるものについては厳重な管理のもので処理しなければならないのに、原子力発電のように工業レベルで大量に生み出される放射性廃棄物を、一体どのように処理しているのだろうかという疑問がいつも頭を離れなかったそうです。
チェルノブイリ事故の後、柳澤桂子さんは、国家や、会社の幹部、学者がいかに頼りにならないかということを痛感。
大きな組織に組み込まれると、個人の意志とは関係なく、不本意な動きをさせられてしまう。
肩書きは人間を弱くし、不自由にする。
原子力問題でいちばんの悪者は誰なのだろう・・・
ということを考えていって、ふと、いちばん悪かったのは自分ではないかということに気づき、りつ然とされたそうです。
自分は放射線が人体にどのような影響をおよぼすかをよく知っている。
放射能廃棄物の捨て場が問題になっていることも知っている。
それなのに、このような事故を起こしてしまった。
もう遅いのかもしれないけれども、なぜ、放射能はおそろしいかということを伝えなければならない。
そう思ってこの本をお書きになったと「はじめに」で述べておられます。
本書では、放射能がなぜおそろしいかということを、理科の教科書のように、かみくだいて説明がされています。
難しいことを、限られた言葉でシンプルに説明しようという気迫に満ちており、とてもよい教科書であると思いました。
連日、新聞やテレビで耳にする「シーベルト」の意味なども、この本を読むととてもよくわかります。
理系の先生のお書きになった本は、読みにくいことが多いですが、柳澤桂子さんはサイエンスライターで歌人でもあるので、ひとつひとつの言葉に魂が宿っていて、心にしみわたるようです。
随所で詩が引用されており、それがこの本を味わい深いものにしているのですが、中でも、
「それはこころの問題です」という章で引用されている、医師であった細川宏氏が亡くなる28日前に書き残したという文章は感動的。
「人の世」
1 一日一日をていねいに、心をこめて生きること
2 お互いの人間存在の尊厳をみとめ合って、できればいたわりと愛情をもって生きること
3 それと自然との接触を怠らぬこと
チェルノブイリ事故から19年後の2007年に書かれた「文庫版への長いあとがき」で紹介されていた資料によると、
・��ェルノブイリ事故当時の事故処理に携わった86万人の作業員のうち、5万5千人が亡くなった。
・チェルノブイリ事故で健康を害した人は、ロシアで145万人。
・2006年現在、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの健康被害者は700万人。
・事故後に生まれた18歳以下の子どもたちのなかで、体内被曝によって健康を害している人は22万人。
柳澤桂子さんによると、
放射能のほんとうの恐ろしさは、突然変異の蓄積にある。
「三陸の海を放射能から守る岩手の会」世話人の永田文夫さんの解説では、数十億円の交付金とセットで最終処分場を受け入れる自治体を必死でさがす国の事情や、六ヶ所再処理工場から、海に空に放射能が放出されている現状などが書かれています。
「もしかしたら、もう手遅れなのではないか」と、ページをめくりながら絶望的な気持ちになりますが、 錯綜する情報の海におぼれてしまって針路を見失わないようにするために、ぜひたくさんの人に読んでいただきたいと思いました。
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こどもをお持ちのおかあさん、お腹にこどもがいる方にとって、放射能ってほんと恐ろしいと思ってたけど、まだこれからこどもをはらむ可能性があるわたしたちこそ考えなきゃいけない気がしてきた。
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分子生物学の研究者の立場から、放射能の怖さをわかりやすく解説。イメージではなく科学的に放射線が人体にどのような影響を及ぼすかをわかりやすく解説している。
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柳澤桂子さん・・・私がまだ学部生そして修士だった頃、著書を読みとても共感をしてました。でも、数年前に読んだ「生きて死ぬ智慧」の著者と同一人物だと知ったのはつい最近のことでした。
卒論と修士論文は遺伝子工学に関するものでしたので、放射能・放射線についての遺伝子・DNAの影響は知っているつもりでいました。
著作のはじめにの項で、いま私がすべきであると思うことにすべてをかけてみるしかありません。「いまからでもおそくない」と信じて。
今読んでも放射能の怖さを知るためにとても分かりやすい書籍だと思います。是非ご一読を!
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中学生に放射能の話をしなければならないことになったので、読んでみた。本書は、1988年、チェルノブイリの事故の2年後に出版された。あれほど悲惨な事故があったにもかかわらず、当時の日本に、反原発を唱える人がほどんどいなかったのは驚くべきことだ。人間というものは、よほどひどい目に遭わないと反省しない生き物らしい。
この本はしかし、一体誰に向けて書かれているのだろうか。子供向けのようでありながら、被曝量と発癌率についてのくだりは非常に分かりにくい。宗教じみていて、自分が子供の頃に読んだらきっと反発を覚えただろう。この時代に反原発を唱えたことの勇気と先見性は賞賛すべきものだが、残念ながら、説得力のある議論には思えなかった。
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放射能に対して、漠然とした恐れがある中で、
どうせ恐れるなら正しく恐れたいと言う思いから、読んでみました。
放射能は、DNAを傷つけ、傷ついたまま子孫に受け継がれ、この傷が何代も蓄積していくと言います。
どんなに科学が進歩しても、人間のすることに完全と言うことはないのに、こんな恐ろしい原子力政策が安全だとうたわれてきたことに、疑問を感じました。
生命科学者であり、母でもある著者の
「私たちは浮かれ過ぎてはいないでしょうか。おごりすぎてはいないでしょうか。欲望は際限なくふくらむことに気付いているでしょうか。」
と言う言葉に、自分の生き方も、考えさせられました。
電気を使うと言うことは、原子力発電もたくさん使うと言うこと。。
まずは、自分の生活から見直して、少しでも節電を心がけて行きたいと思いました。
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遺伝子は体内でどのような働きをしているのか、胎児の発生はどのように進むのか、放射線の電離作用とは何か。このような根本的なところから、放射能がなぜ生命にとって危険なものなのかを平易なことばで簡潔に解説してくれています。
放射能汚染の時代に暮らす私たちに対してのみならず、将来の世代にまで生命の危険をもたらしてしまう原子力や放射能の利用に警鐘を鳴らしている本書は、生命科学者の書いた一般読者向けの著作としては大変貴重なものだと思います。
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(2013.07.06読了)(2013.06.29購入)
【東日本大震災関連・その123】
一頁当たりの文字数が少ないし200頁もないので、読んでしまうことにしました。
放射能は、人体によくないことは、放射能を研究したキュリー夫人が身をもって教えてくれたことです。その威力を兵器にしたり、平和利用と称する発電に利用したり。発電利用は口実で、原爆の原料作りだったりもします。ガンの治療にも利用しているかと思います。
広島、長崎、チェルノブイリ、アメリカ・ロシアの原爆実験、等、による被爆者の放射能による影響は、どのようにまとめられ発表されているのでしょう。(75頁に広島、長崎の被爆者統計資料から得られたガン発生確率が掲載されていました)
本を探せば、いろいろ出ているのかもしれません。ただ、環境ホルモンなどと同様、病気や奇形などが、放射能によるものかどうかというあたりが、明確な因果関係を証明しにくい面があるので、難しい面があります。
この本では、放射能は、人体の細胞に影響を及ぼし、ガンを発症させたり、遺伝子情報を破壊し、生まれてくる子供に影響を及ぼす、ということが述べられています。
【目次】
はじめに
私たちは星のかけらでできています
DNAはいのちの総司令部
DNAは親から子へ受けつがれます
放射能を浴びるとどうなるのでしょう
弱い放射能がガンを引き起こします
放射能はおとなより子どもにとっておそろしい
お腹の中の赤ちゃんと放射線
少量の放射能でも危険です
チェルノブイリ事故がもたらしたもの
人間は原子力に手を出してはいけません
これ以上エネルギーが必要ですか
それはこころの問題です
ひとりひとりの自覚から
あとがき
文庫版への長いあとがき
解説 永田文夫
●おそろしいもの(14頁)
放射能は生き物にとって非常におそろしいものである
●電離原子(41頁)
電子を失った原子を電離原子と呼びますが、放射線の影響のほとんどが、体の中に生じた電離原子による複雑な化学反応の結果引き起こされるものです。
●致死量(43頁)
人間が短時間に全身に放射能を浴びたときの致死量は六シーベルトとされています。短時間に一シーベルト以上の放射能を浴びると、吐き気、だるさ、血液の異常、消化器障害などがあらわれ、死ぬ人もいるでしょう。このような放射線障害を急性障害と呼びます。
●微量の放射線の作用(70頁)
放射線はDNAに傷をつけたり、切断したりして、突然変異を引き起こします。その結果、細胞がガン化したり、奇形児が生まれます。また、表面にあらわれないDNAの傷が子孫に伝えられますので、長い間に、生物の中にDNAの損傷が蓄積していく可能性があります。
●放射線の許容量(71頁)
「それだけの放射線を浴びても安全ですよ」という値ではなく、
「それくらいまではしかたがないでしょう」という値です。
●甲状腺(81頁)
放射性のヨウ素を浴びると、そのヨウ素は甲状腺に集まります。
甲状腺はいろいろなホルモンを出して、成長や発生、分化を促進する働きをしています。
●チェルノブイリ原発事故(122頁)
���○○○年四月の事故十四年目の追悼式で、ロシア副首相は、事故当時の現場処理に携わった八十六万人の作業員のうち、五万五千人以上が亡くなった事実を明らかにした。
二○○五年には、ロシアの社会保険発展相が、この事故で健康を害した人は、ロシアで百四十五万人であると述べている。
二○○六年の四月現在、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの健康被害者は七百万人とされる。なかでも、これらの国の子供たちの白血病と甲状腺障害は悲惨なものである。
☆柳澤桂子さんの本(既読)
「二重らせんの私」柳澤桂子著、ハヤカワ文庫、1998.05.31
「冬樹々のいのち」柳澤桂子著・赤勘兵衛絵、草思社、1998.12.08
「愛をこめいのち見つめて」柳澤桂子著、集英社文庫、1999.06.25
「ふたたびの生」柳澤桂子著、草思社、2000.03.30
「生命の未来図」柳澤桂子著、NHK人間講座、2002.02.01
「遺伝子医療への警鐘」柳澤桂子著、岩波現代文庫、2002.05.16
「生きて死ぬ智慧」柳澤桂子著・堀文子絵、小学館、2004.10.10
「露の身ながら」多田富雄・柳澤桂子著、集英社文庫、2008.08.25
(2013年7月7日・記)
(「BOOK」データベースより)
私たちは原子力に頼っていて本当によいのか。なぜ放射性物質による汚染は、科学物質とは比較にならないほど恐ろしいのか。放射能によって癌や突然変異が引き起こされる仕組み、大人より子どもに影響が大きい理由を、生命科学者がわかりやすく解説。それでも核燃料サイクルへの道を突き進むエネルギー行政のありかたと、命を受け継ぐ私たちの自覚を問う。
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福島の原発事故があった時に、前の会社でお世話になった方から貰った本。
その方は自分は年だけれど、あなたはまだ若いから知っておかなければいけない事だよ、と言ってこの本をわざわざ探して来てくれました。
放射能を理解するにはとても良い本だと思います。分かりやすくて読みやすい。放射能はなんだか分からないけれど怖い、と思っている人におすすめ。
この本自体はチェルノブイリ事故後に書かれたものみたいです。
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小学生でもわかるような内容で原子力発電の危険性を警鐘! 1988年女川原発、1991年浜岡原発、1991福島第二原発、1999年東海村臨界事故2000年柏崎刈羽原発、2006年六ヶ所村再処理工場と挙げればきりがない事故が起こっていたにもかかわらず、あとがきの2007年時点で2011年福島が想定外といえるわけがないと納得した。