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自己破産もできずに放浪する毎日。
苦境にあって、はじめて奥さんと一緒に過ごす。
人生、そんなもんなのだろうか。
なにより、娘さんが強い。
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不況の影響で工場の経営も苦しくなり、しかも知り合いの連帯保証人になったため、その借金までも
背負い込んだ筆者。
自分の今の状況をなかなか受け入れられないダメさかげんはきっと誰もが持っているもののように思います。
本当は自己破産しなくてはいけないのに
小さな頃のお母さんとの約束を気にして、なかなかそれに踏み出せない・・・・・
読んでいて、歯がゆさも感じながらも愛さずにはいられない朴訥とした筆者の姿がそこにはあります。
そして、がんを患って、手術を終えた後の奥さんとの車での旅。
生活が軌道にのっていた頃には、通いあわなかった夫婦としての気持ちが
この9カ月の旅の中で徐々に通いあっていきます。
妻はがんが再発し、どんどんと弱っていても車での生活を続けます。
病院へ行くのを拒んだのは妻の方でした。
それでも強制的に病院へ連れていけないのは貧困が理由でもありました。
妻はとうとう動けなくなり、しもの世話も筆者は続けながら
車での生活を続けていきます。
そこには、昔では信じられないような、通じあえた夫婦の姿があります。
お互いに着飾って、豪華なパーティーをして
ほほ笑み合いながら始まった夫婦のスタート
でもそこには『夫婦』と呼べるもののかけらもないんだと僕はあらためて思いました。
そして、夫婦と娘の関係、この本の中には
「お父さんはもう疲れてしまったかもしれないけど、今から始まるのです。
私のお父さんはどこまでがんばれる人なのか。
どこまで耐えられる人なのか。
お父さん、強い親子になりましょう。今からが世間と勝負。
という娘が父に送った手紙の文面に
ああ、この本はこの娘の力で生まれたかと思った。
なるほど、この本は夫婦の道行き、男女の道行きを語っているが
そればかりでなく、家族というものが
最悪の状況におかれた時、だれがどのような役割を果たせばいいかを教えてくれる。
・・・と書評にあります。
これは家族の旅でもあったのです。
死にゆく妻との旅路の中で、夫婦は真の夫婦となり
妻がなくなり、父は娘のもとへ帰った。
そしてここでも真の家族となったのだと思います。
家族に行き詰った時、絶対にオススメの1冊です。
映画化もされます。
ぜひ、映画を観る前に読んでください。
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本当に当事者の夫が書いたのか、と思う程文章や構成が上手い。読みながら帯にあった三浦友和をイメージしていた。映画を観たいけど、たぶん辛くて観られないだろうな。
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映画化されるということで読みました。すぐに読むことができます。
最初のページの現代道行考に本の内容がほぼ全て書いてあり、少し残念。。
著者がしたこと、正しいかはわかりませんが私はすごく共感しました。
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病気の妻と破産した夫が、妻が亡くなるまで車で宛のない旅に出て、静かに、でも大切な時間を埋めるように過ごす時間の物語。
普通に面白いが、うーん、あまり大きな抑揚がないというか、もう少し心が揺さぶられるような話を期待していたかな。何よりも、本の冒頭に、内容が分かるような解説みたいのがあるのが不満の理由だと思う。
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考えこんじゃったぁ。
こぉいう夫婦のあり方。
あるんだなぁ。
実話なので、生々しく降りかかる。
ご主人からの語り口なので。
奥さま・ひとみの気持ちも確認したかったんだけどぉ。
ひとみは一緒でよかったんだよねぇ~。
きっと。
しかし。
社会的には・・・。
親戚や周りの方々に、どれほどの・・・。
なんていうんだろう。
逃げてばっかりじゃん!!!
アタシ的には。
甘えていた、二人にみえた。
娘さん・沙織の手紙はよかった。
一番身近な家族にしっかり応援されていた。ん、だよね。
~今からが世間と勝負。~
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ええ~~~っ!?(笑)
これじゃあかんやろ…?
もっと適切に生きるべきです。
としか思えないんだけど。
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奥さんの「最期まで一緒にいたい」と思う気持ちがとてもせつない。
でも…結局この旦那さんは色々な事から逃げていただけの様な気がして腹立たしい。
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この奥さんはしあわせだ。わがままを貫きとおした。そこには法も権力もありゃしない。旦那はひきずられた。図らずもアナーキーになってしまったダメ夫婦がいとおしい。そもそもみんな病院で死ぬのがおかしいだろう。
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病院で死を迎えることは許される
家で死を迎えることも許される
もちろん、医師が死亡診断を書くにあたり、継続的な診療を受けている必要性はある
今の時代、本人の尊厳を重要視している
そんな中で夫婦と言うつながりをもった二人が二人の思うように(もちろんいけない事だと自覚しつつも)生活を続け、ふたりらしい生活・楽しみが最期にあるのであれば、それを認めたい
などと考えた作品
さらっと読めたが、それなりに人生について考えさせられたような気がする
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実際は想像を絶するほど大変だったろうけど、大枠のストーリーとしてはありがちかな・・・
実話に対して感動を求めると、期待したほどではなかったときに余計しゅうんとなるからしばらく感動エッセイ的な本は控えようと思った。
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実際にあったことを、手記とした書かれたものです。月刊誌「新潮」に連載されたのを、多くの方の希望で1冊の本として出版されました。
亡き妻への哀惜の手記。
会社が傾き、自己破産への道をたどった夫。妻は一回りも年下。一緒に縫製の仕事をしていたが、妻の体はガンに侵されていた
手術をしたが、早ければ3カ月で再発の可能性があると言われます
夫は金策と妻の病気から逃れるように、一時期行方をくらましてしまうのです。
夫の帰りを待つ妻は、心細い思いをし、家を出た夫は全てを捨てて死のうとまで思います。
しかし、結局は妻のところに戻ります。そして、今度は妻を連れて、逃亡の日々を送ることになって行きます。
車に少しの荷物を積み、所持金は60万。日本海側を、仕事探しながらの旅が始まりました。
そこで、感じたもの、観たものは今までのどんな時に感じたものより、美しく、暖かく夫婦の心にしみていきます。
妻は夫をオッサンと呼びます。夫は妻を・・・・初めて名前で呼ぶようになります。
長い旅の後半、妻はドンドン体力が落ち、話すこともままならず、そしておむつの交換も夫が・・・。
医者に行こう・・・・いやや、オッサンと離れたくない。
この繰り返し。
夫は、途中で妻を観るのが辛くで逃げ出したくなった事もあったのです。
そして9カ月・・・・妻は、夫がちょっと離れた間に息を引きとります。
辛くても、愚痴一つこぼさず、オッサンのそばに居られたそれでいいと・・・。
夫も、長い結婚生活で、初めて妻の存在を身近に感じ、愛おしいと接した9カ月でした。
お金が無いから病院に行かなかった・・・それだけではないのでしょうね。
実際、ここまで追い詰められたことが無いのですから、気持ちを分かるはずもないのですが
これを読みながら、夫婦の愛を考えさせられました。
友和さんをイメージし、妻は石田さんのイメージで、一気に読みましたが本当に素晴らしいキャスティングだと感じています。
夏の公開が待たれる作品です。
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心の奥から絞り出す様な切なさと悲しさ。自らの人生の回想と妻への懺悔。借金と病からの逃避をするけれど、旅路で、あらゆるところで過去の記憶と現実と病の陰につきまとわれる、夫の苦悩。夫に置き去りにされる妻の心細さ。
奥さんの最期は幸せだったのかな。愛する人に側にいてもらいたかった望みが叶ったけれど。
漠然とだけれど、ヘッセの「幸福」という詩と重ねてしまった。
失ったものを惜しんで嘆き、
色々の目あてを持ち、あくせくとしている間は、
お前はまだ平和が何であるかを知らない。
すべての願いを諦め、
目あても欲望ももはや知らず、
幸福、幸福と言い立てなくなった時、
その時はじめて、出来事の流れがもはや
お前の心に迫らなくなり、お前の魂は落ち着く。
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小さな縫製工場を経営していた平凡な夫(著者)と末期がんに侵された年若の妻とが、借金苦と病苦という現実から逃れるために、なけなしの現金(50万円)を持って、古いワゴン車で日本各地を逃げ回った軌跡が描かれています。この出来事は1990年代後半に起こった特殊な死体遺棄事件として当時結構話題になったらしいです。
日々衰弱していく妻に対する夫の想い、借金返済のために東奔西走する様子は、読んでいて切なくなったりしますが、それ以上に感じたのが、彼ら(特に著者)に対する焦燥感でした。
現実と正面から向き合う事を避け、ひたすらダラダラとその日を暮らしてしまう、その凡庸さ。
困難に対して立ち向かわなければならないと分かっていても、いつもつい逃げてしまうのです。結果、妻は車中で亡くなってしまいます。(ただ、この逃避行自体は、この夫と妻の二人にとってはかけがえのないものとなったようです。)
ただ、「普通の人って、きっとこうなんだろうな」とか、「もし自分が同じ立場にあったとして同じようにグダグダしてしまうかもな」とも思いました。そういう意味でもかなり切ない作品でした。
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これは小説というよりは、手記と言った感じ。
人生、先に何が起こるかわからない。
自分の先はどんな人生になるんだろう?と、ちょっと考えてしまった。(^^;)