紙の本
救いを求める内なる叫び
2016/11/04 13:48
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投稿者:あずきとぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2000年刊(のちに文庫化)。
本書は、1998~99年にインターネット上で公開されていた女子高校生の日記を書籍化したものである。
著者である南条あやは、(当時高校3年の)ごく普通の高校生だ。
ただ、ちょっとだけ違うのは、彼女がリストカットをしていること。
うつとリストカットのため精神科に通院し、処方された薬を服薬の時間・量を無視して自己判断で自在に飲む(プチOD)。
日記には、これら自傷行為と通院も含め、日々の暮らしぶりが描かれている。
自傷行為を扱うと文章が暗くなりがちだが、著者の筆致はとても軽妙で明るくユーモアに富んでいて、家や学校での過ごしぶりや、友人宅や渋谷の街で楽しんでいる様子などが、生き生きと記されている。
一読すると、何故このような明るい普通の女子高生が、リストカットをしたり精神科に通ったりしているのかと、疑問に思うだろう。
しかし、彼女がこの日記連載直後(13日後)に自殺してしまったという事実を知ると、受ける印象が変わる。
また、本書にも収載されている詩――死の前日に書かれた四編の詩の、日記とは対照的に暗く重い文体や、自殺をほのめかす内容を目にするとき、彼女が死を選んでしまった理由について深く考えさせられる。
果たしてあなたに、彼女の不安や悩みを読み取ることが出来るだろうか。
そしてそれは、十代の男女の内面を推し量ることの難しさを表象しているとも言える。
普通の女子高生、南条あや。
彼女が死を選ぶまでの3か月間の日記。
紙の本
何度も繰り返し読んでいます
2016/12/29 13:14
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投稿者:ポテト - この投稿者のレビュー一覧を見る
南条あやさんに共感できるかどうかは別として(この本に出会った当初、私は精神科に通院しており、心を病んでいました。その時は「わかる…」とだけ思いましたが、病気が治った現在、あやさんよりもお父さん等大人の立場から読むこともできるようになると、やはりあやさんの考え方には賛否が分かれます)、何度も何度も繰り返し読んでいる本です。
辛く苦しい気持ちを抱えているはずなのに、文章はあくまでポップ。読みやすい。
私はあやさんよりやや年下にあたり、当時のネット環境がわかる世代なので、懐かしくも思い…。当時はホームページ状で日記を掲載したり、掲示板が繁栄していましたね。
一つマイナスなのは、この本に掲載されている日記は、一部を抜粋したものだということです。載ってなかった分の日記はネットで読みました。
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南条あや。彼女の文章はとても不思議である。明るくポップに綴られた日常は、とてもかなしいのにそんなことを感じさせない。鋭い観察眼、豊かすぎる感受性。細やかに綴られた日常、しかし死の直前の文章はどこか、自分を自分で突き放したように、どこか諦めを感じてしまう。できれば、彼女に会いたかった。話をしてみたかった。生きていて欲しかった。……もう、叶わないけれど。
あやさん、そちらはどうですか。楽しく日々を、過ごされていますか。
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うちの尊敬する南条あやさんの日記を基にした本。 あやさんは自殺してしまったけど、すっごいうちの心に残っている本。
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掲載されている日記が全体の1部分というところで星4つ。
ネット環境にあるのならHPへ行って読んだほうがお得かも。
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リストカットの告白から始まるある女子高生の日記。
マイノリティな内容ではあるけれど、文体は明るくテンポ良く彼女の毎日を伝えてくれる。
ずっとネットで公開されていた日記なんだそうですが、
私が彼女の存在を知ったのはテレビ番組からです。
その番組が放送された時にはもう彼女は故人でした。
同じようなテーマの本はたくさん出版されてますが、彼
女の書く文章の力強さと脆さには思わず引き込まれてし
まいました。
心身ともに余裕のある時に読んでくださいませ。
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ココロが傷ついた人のサイトをみてたときに出会った。
わたしみたいなボーっとしてる人とはちがう人生。いろんな人生があるんだなーって思い知らされる、でもお薬のこととかよくわからないからむずかしかった
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決して明るいといえる内容ではないが、彼女独特の文章能力や個性で、錯覚かのように明るく見える文章を作り上げていた。
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ODやリストカットを繰り返す女子高生南条あやさんのネット上で書いた日記。
文章はとても明るいのですが推定自殺で99年に亡くなっています。
この本を読み終えたのが偶然彼女の命日、3月30日でした。
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私が戦争もの以外で初めて泣いた本です。内容はめちゃめちゃポップで明るくて、だけど少し悲しい。共感します。
この日記を書いた彼女はもうこの世にいない・・・と思うと思わず落涙。
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リストカット、薬等にに興味のある方、人間関係に悩んでいる方には是非読んで欲しいです。
それ以外の方も、呼んでいただけたら、リストカッターなどへの見方が変わるかも知れませんよ。
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1年前に買ったのボロボロになったんでもう1冊購入しました。
ヲタで同人活動経験済みな自傷ラーさん、南条あやさんがネット上で書かれていた日記です。
高校の卒業式後にお亡くなりになりました。
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ホームページに掲載された日記の一部を書籍化したもの。テーマにしているものが薬やリストカットということもあり初めのうちは嘔吐感すら覚えるがその文章の上手さ、ユーモアさに惹かれて一気に読むことができる。
文庫本。
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リストカットをしはじめたときに知った一冊。
南条さんの存在を知り、生きなくちゃって思った。
何回読んでも同じところで泣いてしまう。
本を超えた何かです。
私にとっては。
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リストカットはよく判りませんが…
この人の文章は、「自殺3ヶ月前の記録」という事を感じさせない
くらいポップで明るいです。
生きてたら凄い作家に
なりそうなのに…