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中国のラーメンについて知りたくて読書。
著者の熱意と行動力に脱帽。中国滞在歴も長い。残念なのは、戦後の引揚者が日本でラーメンを広めたという引き上げ元の大連や旧満州へもっと早い段階で来て調査して欲しかった。
2006年に訪れた大連のローカルラーメン屋を紹介しているが、大連や瀋陽は、歴史的に日本との関係が深い場所なので、戦後に日本のラーメンが逆上陸したものではないかと思うことがある。烏冬面のように。
それにしても、日本で本格的にラーメンが誕生して普及するまで70年ぐらいで、とてつもなく進化したが、どうして、発祥国であるはずの中国ではラーメンや麺類が発達しないのだろうか。現状でもお世辞にも美味しいとは言えない。そもそも、大連だとローカルラーメンは貧乏人が食べるもので、自家用車を持っているような富裕層はラーメンを食べないような印象がある。
もしこの仮説が正しいとすれば、日本から進出してきたラーメン店で苦戦している店があることも納得できる。ラーメン=貧乏人の食べ物というイメージが足かせになっているのかもしれない。味の蔵ラーメンや味千ラーメンなど地元の人にも食べられて成功している店もあれば、8番ラーメンや王将など撤退や苦戦している店もある。
確かに最後のエピローグで書かれている通り、日本でもトウモロコシや豆類、米を原料とした麺が登場してもいいと思う。米を有効活用して麺やパンを作ることは食料輸入率が高い日本には重要であり、研究して進化させれば、将来的に、海外へ輸出できる魅力的な商品へ成長するかもしれない。
読書時間:約1時間5分
本書は在大連領事事務所でお借りしています。有り難うございます。