紙の本
こんな阿呆に生まれついた人間はどうすれば良いのだろうか
2005/10/08 19:47
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る
“思い切り泣けます”と言うキャッチコピーにつられて読みました。
ある識者が“誰もが涙と感動に飢えている時代”“誰もがいらつき不安を抱えた時代だからこそ、そこに欠けているものをあられもないほどに求める”と書いておられましたが、成る程その通り、本屋の姉さんにその魂胆を見られるのが恥ずかしくオンライン書店・bk1で買いました。
松子、学業成績優秀、中学教師。生徒の窃盗事件の処理を誤り学校を追われ転落が始まる。
どだい学校出たばかりの人生経験少ない“先生”が“非行少年”を教育出来る筈がない。
職を追われ、密かに心寄せる同僚に去られた恨みを家族に向ける。病床の妹の首を絞め、母を突き飛ばし家を出る。
求めた新しい職場はソープランド。
不真面目な女ではない、不器用でもない。ソープランドでは努力努力でまたたく間にNo1、後で就く事になる美容師の職でも腕は確かである。
しかし 細木数子“先生”に話したら“大馬鹿者”と一括されるに違いない極め付きの馬鹿である。
状況への身の処し方が全く解らない“うつけ”である。
普通 小説のヒロインともなれば同情をかうものであるが、これはちょっと違う。
あまりの阿呆さ加減に不愉快になる。こんな人が自分の事を“先生”と言う世の中が恐ろしくなる。
しかし読み進むうち“自分も含め一体こんな阿呆に生まれついた人間はどうすれば良いのだろうか”と暗然となる。
彼女、別に悪人ではない。社会や運命が特別彼女に過酷であった訳でもない。
殴られても蹴られても異性に尽くす事を糧に生きる直向きさは“人類の鑑”である。
一生懸命愛して生きて働いて、でも“生き下手”故に傷ついて傷つけて。
最後は理由もなくゴミのように殺されていかざるを得なかった松子。
こんな阿呆の人生どこでも有るじゃないか。この弱肉強食の社会が守ってくれる訳がない。
先日死刑判決の下った小倉監禁殺人事件の緒方被告の事が頭をよぎる。
私にはどうして良いか解らない。知らないふりするのが“上手な生き方”と言うものだろうかね。
読者は皆思った事だろう。甥っ子“笙”の赤川次郎ばりの優しくて軽妙な語り口だけが救いだと。
投稿元:
レビューを見る
切ない…。
ひたすら切ないラストに思わず涙ぐんだりした。
人によっては「切ない」が「肩透かしだった、、、」になるかもだが。
あれだけ松子の性格に難色を示していた小悪魔でさえ下巻の松子には感情移入しまくり。
性格の難が薄れていた事もあっただろうが、何より松子が気の毒で。
終盤には彼女に対して愛情が芽生えた程。
徹底的にツいてない人生。
自分のとった行動の拙さ故と言うにはあまりにも辛い結末。
愛に生きたかっただけなんだよな。
愛されてた時には気付けなくて、彼女が愛を確信した相手に限って愛してくれていなかったり。
そりゃあプロローグで死んでしまっているのは分かっていても松子を応援してしまうでしょう、人として。
序盤へっぽこ気味だった笙君も切なさを盛り上げる良いモノローグをしてくれている。
欲を言えば笙の彼女・明日香の存在意義をもっと色濃く出して欲しかった。
上下巻通して、一気に読める作品。
推理も何も無い話なので好き嫌いはハッキリ分かれそうだ。
少なくとも小悪魔は非常に気に入っている。
夜中に下巻を買いに走ってくれた兄よ、有難う。
でも今朝は寝不足で辛かったよ…。
投稿元:
レビューを見る
上巻に比べるとだんだん痛い内容になってきた。
ただちょっとしたことで
人生は変わるのだ。と
良くも悪くも。
投稿元:
レビューを見る
前作に続きおもしろい!!結末が悲しすぎるがここまで充実にみちた作品はないだろう。前作の終わり方が気になりすぎてすぐ読まずにはいられなかった。
投稿元:
レビューを見る
愛せた松子には幸せが残された。人生がどんなに波乱に富んで理不尽でも、生きてもがいた彼女に「がんばったね」って言いたい。
投稿元:
レビューを見る
込められたメッセージは、「こんな生き方はするなよ」ということでしょうか。引き込まれて上下一気に読めました。
投稿元:
レビューを見る
そんなに長かったんだ、お話!情景が思い浮かんでスラスラ読み進められます。
松子は嫌われていたのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
松子という一人の女性の波瀾万丈な人生。
舞台は福岡県大川市
あっという間に松子の世界にはまって行きます。
投稿元:
レビューを見る
何かに夢中になれるけど、絶対悪い方向に向かっちゃう人、こういう人がいそう。
それより中谷美紀で映画化。
トルコ嬢とか、どうするんだ・・。
投稿元:
レビューを見る
わずか1日で読んでしまいました。
あまりにも不幸な一生だった松子。
なぜか共感できてしまうのは、自分だって一歩踏み外したら同じような一生を送るかもしれないと思うからでしょうか。
それとも根気のある松子に共感するのでしょうか。
サラッと読めてしまう面白い本でした。
投稿元:
レビューを見る
ラストは、憤りを感じつつ、松子の生き様を讃えてあげたい気持ちになります。
驚きなのは、参考資料の数!
松子の体験が、なぜ現実味を帯びているのかわかったような気がしました。
投稿元:
レビューを見る
上巻の三分の一ぐらいまではホンマこの本選んだの後悔した。上の半分くらいからは一気に読んだ。ってか止まらない
投稿元:
レビューを見る
0604/20
こわい
っていろんなこわいがあるんだね。
さいきんニュースみてもなんもおもわんけど
ひとひとり死ぬって大変なことやんね。
がんばるし。
投稿元:
レビューを見る
松子が雄琴に行ってからその生涯を終えるまで。
なんだか本当にフィクションなの?と疑ってしまいたくなるぐらい緻密。
映画化されてるし読んでみよっか…と思って買ってはみたものの、吉と出るか凶と出るか。
それぐらい夢中になって読んでしまう作品でした。
投稿元:
レビューを見る
書評→http://akky20060204.seesaa.net/article/17216221.html