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論語、老子の思想の妥協点を、著者の現実的な感性に従って選択し、分かりやすい言葉で提示されているように感じた。
言うまでもなく名著。
しかし、講談社で出版された本では、原文も注釈も付いている為、個人的にはこちらを推す。
時間のない人、さっと読める本を求めている人はこちらの方がいいかと思う。
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本書は詳細な解説等はなく。菜根譚に記載されている一文をカテゴリごとに整理し紹介する形式。その一節が記された背景や解説など深く知りたい人向きではないが、解説を加える事で、ある意味解説者のバイアスがかかるのを避け、自らが一説から教訓を拾う。気づきを得るのに向いている。
繰り返し聞く事でその時自分に合った言葉に出会うような使い方が良いかも。また、他の菜根譚にまつわる書籍とあわせ読むとより良い気づきがあるのでは?
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今回もaudio bookの聴読。
「菜根譚」の著者は洪応明。字の自誠をとって洪自誠と呼ばれる。明代末期、万暦年間(1573-1620)の人であったと考えられている。
「菜根」とは、宋の汪信民の次の言葉にちなむようだ。
「人、常に菜根を咬み得ば、則ち百事を做すべし」
(人は常に菜根をよく咬んでいれば、あらゆる事はなしとげられる)
全体は、前集222条、後集135条、合計357条から構成されており、前集は俗世の人々とのかかわりを中心に語られ、後集は俗世を超えた深淵な境地が説かれている。その内容は、儒教、仏教、道教を背景としているところが最大の特徴である。
役人であった洪自誠が、引退後にその人生を通じて得られた処世術を集大成したものがこの「菜根譚」だろう。
本書は、この357条の中から220条が抽出されているという。「菜根譚」原文では、タイトルなどないそうだが、本書では8つの章立てに再構成されている。本書の編集者の意図で、各条が分類されている。
以下、その220条の中から、自分自身が気に留めたいくつかをさらに抽出し、メモ代わりに記しておきたい。
1.生き方について
・自分で運命を切り拓く
・晩年こそ気力を充実させる
・主体的に生きる(他人任せ、環境依存はダメ)
・苦労もし、ゆとりも持つ
2.心の持ち方について
・包容力を持つ
・物事にとらわれない
3.自分を律することについて
・成功をしても気を抜かない、失敗をしても諦めない
・我をはらない
・自分の心に勝つ(誘惑に負けない)
・自分の心を観察する
・すべてを自分の責任と考える
・他人からの評価に一喜一憂しない
・使命を自覚して正しく行動する
4.人とのかかわりについて
・一歩譲ることで一歩進む
・友人の過ちを見過ごさず適切な忠告をする
・家族の間で恩を着せない
・人を信じる
・リーダーは、①発言は公明正大に、態度は公平公正を貫く、②常に心を穏やかに保ち笑顔で部下と接する、②権力や利益にばかり執着している輩に近づかない、④極端なことをしてつまらぬ恨みをかわない
5.物の見方について
・自分の心を見つめる
・利己的にならず大局的に判断する
・世間の評判を鵜呑みにせず自分の目で確かめる
・立場を変えて物事を見る
・視点を変えて物事を見る
6.日々の行動について
・初心に帰る、行く末を見極める
・正しい行いから逃げない
・高い目標を持つ、目標に集中する
・本来の目的を見失わない
・社会のために尽くす
・常に学び続ける、成果が見えなくても続ける
・本質に迫るまで深く学ぶ
7.人間について
・逆境にあって自分を磨く
・若者をしっかりと教育する
8.幸福について
・苦労の中に喜びを見出す
・心の持ち方を変えて幸福になる
・自然の美しさに目を向ける
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会社の偉い人がおすすめの書籍として誰かしら必ず挙げるので、気になって読んでみた。仕事の中で心がやさぐれた時とかに、心を落ち着かせる良い材料になるのかもしれないなと感じた。菜根譚というタイトルのごとく、何度も読み返し、自分の頭で咀嚼して、心に刻み込めば道標みたいになるのかもしれない。
一方で、「菜根譚」と言っとけばいいかと思っていない?と問うてもみたい。。。