サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

hontoレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー674件

みんなの評価4.0

評価内訳

666 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

正義、平等、自由というものの定義の難しさに耐えていくこと

2010/08/31 19:19

16人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読後感は三点である。
 
 一点目。改めて、「正義」「平等」「自由」というものの定義の難しさを感じた。

 本書で繰り広げられる各種の事例に対して、何が正義で、何が平等で、何が自由なのかを一つに決めることは不可能だ。その「不可能さ」ぶりに、真実があると考えるしかない。つまり「正義」はいくつもあり、そのどれもが、誰かにとっては絶対に正しく、かつ全員にとって正しいわけではない ということだ。ここから学ぶべきは 更に「一つの正義」を追求することではなく、自分にとっての「正義」「平等」「自由」とは、他者にとってはそうではないと理解するという謙虚な姿勢を持つということだと僕は考える。僕らは自分の考える「正義」を誇ったり、強制したりする権利を持っているわけではない。



 二点目。本書がベストセラーになっているということに驚く。

 どう読んでも本書は決して易しい本ではない。いや、かなり難しい本である。その本がかように話題となり売れているという現象をどう考えるのかは興味深い。
 リーマンショックが齎したものは金融危機だけではない。本質的には新自由主義への重大な疑念の発生であり、それの反動としての社会民主主義の再興だ。
これは僕らの日常レベルでの問題である。日本の格差社会問題や貧困問題も、基本的には同じ地平線にある。その状況を踏まえて、多くの人たちがもう一度考え始めているということが、本書のブームの背景だと僕は信じる。



 三点目。本書は、結論を出しているわけではない。まず僕らに反省を促している本だ。その反省に立った上で、僕らが新しい哲学を作っていくしかない。それが、地球という星の、今後百年程度といった比較的短い将来に大きな影響を与えていくはずだ。僕らがそういう知的作業に耐えられるかどうかが試されているのではと最後に考えた。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

あの番組で見られた白熱がそのままこの本の中にある

2010/10/13 21:52

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

 NHKの『ハーバード白熱教室』という番組でご覧になった方も多いだろう。そう、あの先生の、あの授業の本である。もちろん、巻末の「謝辞」で著者も触れているように、本を書くのと講義をするのは同じではない。本にするためにまとめなおした点は多々あるに相違ない。とは言え、あの番組で見られた白熱はそのままこの本の中にあるのである。
 しかし、その前に私が感心したのは、何を措いてもこのサンデル教授の一糸乱れぬ論理性である。徹底的に冷静で、可能な限り網羅的で、一貫性は揺ぎない。書かれている内容の当否を云々する前に、読者が学ぶべきはまずこの論理的思考力なのではないかと思った。
 決して相手の発言を遮るような論の進め方はしない。感情に駆り立てられて結論を急ぐ様子もない。一つひとつ物事の問題点を洗い出し、整合性と論理性を繋ぎ合せ、充分に遠回りした上で暫定の結論を据え、そこから更なる高みに我々を導いてくれるのである。
 そして、TVをご覧になった方なら本を読まなくても解ってくれるだろう、こうやって冷静に議論することが何と愉しいことか!
 我々がまず学ぶべきことは、この論理性と、議論することの楽しさである。日本人はそこから何と遠いところにいるのだろう!
 「正義とは何か」そして「正義とは何であるべきなのか」──サンデル教授はそのことを歴史を追って、論理の道筋に従いながらゆっくりゆっくり明らかにして行く。
 まずは正義とは最大多数の最大幸福を実現するためのものであるという功利主義的な考え方である。しかし、そこには何が「幸福」なのかという非常に難しい問題が放置される。
 それに対抗して、何が幸福なのかはそれぞれの人が決めることであって、正義とはその自由を保証することであるという自由主義的な考え方が出てくる。しかし、それは皆がてんでばらばらに好きなことを追求する無政府状態でもある。
 この2つの考え方の欠陥を正すために、サンデル教授は、正義とは美徳を涵養して共通善というものを成立させることを含むのであると解く。その結論に到るまでの道筋は非常に長いが、読んでいてとてもスリリングであり説得力に富んでいる。
 しかし、多分私が求められていることは、教授の論に容易に納得することではないのだと思う。これを読んで、ここから考え始めることであり、生活の中で不断に考え続けることなのだと思う。350ページの大著はそのためのほんの入口でしかないのである。
 最初のページに出てくる、ハリケーン災害直後の水の便乗値上げの例から、いきなり我々は引き込まれてしまう。読み始めたら止まらない。さあ、これから一緒に考えて行こうではないか。

by yama-a 賢い言葉のWeb

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2012/02/09 20:22

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/05/27 14:43

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/07/19 13:49

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/06 22:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/25 21:28

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/09/17 22:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/05/27 00:41

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/10/30 11:03

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/08/18 11:07

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/08/09 22:36

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/12 09:29

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/01/04 02:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/07 20:18

投稿元:ブクログ

レビューを見る

666 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。