紙の本
みんなのメディア、みんなの経済(ソーシャルノミクス)、みんなの迷い、みんな、みんな・・・・。大衆社会アメリカの社会(心理)学。
2010/08/01 17:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風紋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2008年の米国大統領選挙の帰趨は、ソーシャルメディアが左右した。TwitterやYouTubeでバラク・オバマのファンが広がり、オバマ陣営への小口献金は総体として莫大な額となった。オバマのスローガン「チェンジ」は、選挙の手法においてすでに実践されていたのである。
なぜソーシャルメディアがかくも盛んに活用されるのか。
サーチエンジンには致命的な欠陥がある、と本書は指摘する。ウェブの情報量が多すぎて、全体を把握するために別のツールが必要なのだ。そのツールがソーシャルメディアというわけだ。ソーシャルメディアによって、手軽に速やかに質の高い情報が入手できる、と本書は実例をあげて説く。
かくて、「グーグルの強敵は他のサーチエンジンであるYahoo! 、MSN 、Ask などではなく、ソーシャルメディアなのだ。グーグルをはじめとするサーチエンジンはこの流れに気づいていて、サービスをよりソーシャルメディアに近づけようとしている」
ソーシャルメディアは社会にどのような行動の変化をもたらすか。
例1。消費者は、気になる商品があればソーシャルメディアで評判を調べ、あるいはみんなの意見に耳をかたむけて、買うかどうかを決めることができる。
例2。企業、マーケッティング担当者は、ソーシャルメディアにおいて以前よりも容易に批判的な意見を見つけだせるから、問題発見はこちらに任せ、問題解決に時間を傾注する。有能な企業はかくのごとく批判的な意見を前向きに受け止めるが、無能な企業は逆にソーシャルメディア上の批判的な意見を隠蔽する操作に忙殺されるのだ。
ソーシャルメディアは、ビジネスモデルの変革を強いる。端的な例は、新聞にみることができる。
ビジネスモデルを変えないと、それまでのサービスをデジタル化するだけで、従前とおなじ購読料を設定することになる。この愚行の結果、世界第2位の巨大メディア企業、トリビューン社は2008年に破産申告した。
逆に、先進的な決断をしたのは「ニューヨークタイムズ」紙だ。自動的に記事がダウンロードできるサービスを設け、月額12ドルというわずかな購読料のみを課金している。バラク・オバマが小口献金を集めて、結果として何百万ドルに達したやり方に似ている。
本書には新たなビジネスモデルのアイデアが盛りこまれているから、「有能な」企業は食指をそそられるはずだ。たとえば電子書籍。これまで本の中に商品を登場させた場合の効果を測定できなかったが、ハイパーリンクを取り入れることで新たな収入源を生む、と本書は予測する。
ところで、本書にキーワードを設定するなら、「みんな」である。みんなのメディア、みんなの経済(ソーシャルノミクス)、みんなの迷い、みんなが何をしているのか知りたい、みんな必死です、みんな、みんな・・・・。
「140字」には「140字」の情報や思想しか盛りこむことはできないのだが、量は質に転化するのである。ソーシャルメディアに示されるメッセージは概して主観的なものだが、主観が多数集まれば客観性を帯びるというわけだ。まことにアメリカ的な、あまりにも大衆社会アメリカ的な。
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5章以降が本書の本質。
著者は、ソーシャルメディアへの向き合い方という説明を通して、自分自身のあり方に覚悟を求めてくる。他人にあわせて自分を変えるような、相対的な自分であっては、ソーシャルメディアの世界では存在しないのと同義。自分自身の軸を確立することが肝要。人格形成の啓蒙書として呼んでも面白い。邦題は、やや残念。
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原題は"Socialnomics"。ソーシャルメディアのスペシャリストといわれる著者が様々なケースを通じてこれからやってくる透明性の高い時代を描いている。いかに世代間の考え方のギャップが大きいかを感じさせる。
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ソーシャルメディアによってもたらされる社会の変化、特に経済の変化を書いた本。「ソーシャルノミクス」(みんなの経済)の中でどのようにしてビジネスを進めればいいのか参考になった。
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ツイッターはじめ、ソーシャルメディアがいかに世の中を変革する可能性を秘めているかを、かなり網羅的に丁寧に書いた一冊。
原題の「Socialnomics」が示すように、
基本的には経済の話なんだけど、
それ以外の文化習慣や日常生活などなど、
実際にソーシャルメディアによって起こった、それ以前には無かった事例をふんだんに紹介しつつ話が進んでいきます。
日本とアメリカのそもそもの文化背景の違いには留意して読むべきですが、
本質的には大きくは違わない内容がほとんどなので、
結構勉強になるかと。
うちみたいな予備知識がほとんど無い人から、
すでに結構活用している人まで、
皆さん面白く読めるかと思います。
結構分厚いけどねw
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英文タイトルがSocialnomicsと言うのに、日本語のタイトルが軽薄なうけ狙いで中身ときちんと連動していない。本の内容は素晴らしいのにもったいない。オススメの一冊である事には間違いないのですが。特に5章以降は秀逸!
これが電子BOOKで買えればいいのになぁ。
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これからの、いや、既に起こっている世の中の変化を、つぶやき、という単語、具体的にはtwitterやfacebookの事例を挙げて解説している。
twitterやfacebookの時代になっているんだよ~!という事ではなく、もうなってるんだからそれを踏まえてあなたは(御社は)どう行動するんですか?という本。非常に考えさせられるし、それを踏まえた行動がこれから先は非常に重要になってくるとの確信をさらに深めた一冊。非常に良い。ビジネスマン全員が読むべき本だろうと個人的には思います。
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ソーシャルメディアの発達によってビジネスモデルがどんどん変化しているのは実感するが、この本を読むとそれがどんな事なのか解る。
より消費者の力が付き、メリットも大きくなると言う未来に期待したい。
早く動かなきゃと焦ってきてしまうが、ソーシャルメディアの発達によって、自分の生活もガラス張りになるデメリットも大きいっすよね。
日本的に考える必要もかるかも。
Googleの検索結果を統計すれば、インフルエンザの流行も解るってバナーは驚き。
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アメリカにおける、ソーシャルメディアがもたらす
社会的、経済的な影響を
具体的な事例をあげ説明している
日本ではまだ利用者の少ないfacebook
やっと浸透してきたtwitterなど・・・
もはや電子メールは古い!!そうだ
確かに、近年ものを買ったりする時
一番参考にしているのは、口コミだったりする
とても分かりやすい内容でした
スマートフォン利用者がこの先どんどん増えていけば
日本もソーシャルメディアがもっと発達していくのだろうか
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2011/6
ジャンル分けが難しい。
メディア変化の波で、経済、政治、友達、すべてが変化しようとしているんだと思う。
ネット上でも自分以外のものになりにくいというのは、怖いことでもあるが、むしろその方が良いと思う。沢山の「人格」を作るのは大変だから。掲示板(完全匿名)、mixi(半匿名)、twitter、Facebook(ほぼ実名)と変化しながら社会に適用されているんだと思う。
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今読むと日本でも多少はソーシャルメディアが浸透してきたので特に驚きはない。マーケティング担当の人とかはさらっと目を通しておくといいのかも。ただ、ソーシャルメディア万歳!な感じが自分とは合わなくて個人的にはこの本好きじゃない(笑)
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2011年末、Twitterは、もう当たり前になっています。
いまさら 本を読むこともないとは思ったのですが、
つい最近読んだ面白い本に この本が引用されていたので、読むことにしました。
⇒ 「ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本」
それによると、
社会の中の自分を オンラインか、リアルかで区別しないで 1人の人間として自分のイメージを作るのが大事。
だそうです。
本書では、アメリカでのソーシャルメディアの現状、対応に失敗した例、成功した例などが語られる。
「みんなの経済 ソーシャルノミクス」の時代に 主に企業、ビジネスでどういうふうに、ソーシャルメディアを活用していくか。
すべてが見えるガラスの家に住むことになれば、個人はこれからどうすべきか?
表紙の扉の言葉が参考になるのかもしれません。
「ソーシャルメディア・ネイティブ」になること、それが個人の資力を磨くための近道だ」
身近な人を想定し読むほどに、IT難民という言葉がちらついてきます。
近所の普通の年配の方には この本とはあまりにもレベルの違う人が多い。
そして、PCやネットがなくても 困らず暮らしている。
携帯・スマホが普及してきている日本。 これからどんなソーシャルになるのかしら。
2012/1/18 予約 1/25 借りる。1/30 読み始める 2/16 読み終わる
内容 :
Twitterは、「実名」の「今この瞬間」を引き寄せる“360度ガラス張り”のメディアだ!
リアルタイム・ソーシャルメディアが「先進国」たるアメリカでどう使われているかを生々しく伝える。
著者 : エリック クォルマン
教育機関「EF Education」のデジタル・マーケティング部門グローバル・バイスプレジデント。
HULT International Business School教授。
訳者 : URLはこちら http://www.orinoco.jp/ 『Orinoco』 :
・ 竹村 詠美
・ 原田 卓