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予備知識全くなしの状態で読んだけど
思った以上に良かった!!
さすが松本清張。
他の作品も読んでみたくなった。
自分の姿をデッサンした画家が突然死んだ。
そしてデッサンは何者かに盗まれ、行方がわからない。久美子の周りで何かが起こっている。
謎の手紙で京都に呼び出された彼女は、更に銃撃事件へと巻き込まれていく。
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下巻に入ってからどんどん物語が加速していくのがわかる。
今まで点と点だった事象が像を結び始める。
物語の行く末を自然と予想する。
当たるともちろん嬉しい、でも外れてもその驚きが嬉しい。
これぞ読書の喜び!
スピーディーなら展開とは打って変わって、ラストは穏やかで切なさが込み上げる…
【球形の荒野】。
このタイトルの意味が分かった時の切なさ…
第二次世界大戦中の外交の苛烈さ
父の娘を思う気持ち
奈良・京都・横浜などの美しい風景描写
これらの対比がもう!
ニクいというかオシャレというか(語彙力)
異なる魅力を美しくまとめきったストーリーに
さすが!!と唸るしかなかった。