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紙の本
人生に夢があるのではない、夢が人生を作るのだ
2001/03/14 20:37
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投稿者:山下淳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハリウッド女優、中村佐恵美。彼女が出演したとある「ヒマラヤスギに雪が降る」、ヒローインを演じた工藤由貴のことは覚えているが、残念ながら彼女の印象はない。でも、表紙の写真でみる彼女は主役の女優よりよほど魅惑的である。
153センチという小さな体が隠れてしまいそうな長い黒髪、賢そうな額、古来、蛾眉と形容される美しい眉と大きな黒い瞳、口が大きいのは少し気になるが、なるほどハリウッドがイメージする東洋的美しさとはこういうものか。
本書の前半は“女優になる”という夢へまっしぐらに進んでいく彼女の姿が溌剌と描かれている。4年間のOL生活をやめ、恋人を残し旅立つ勇気。演劇学校へ通いながらチャンスを待つところは映画「フラッシュダンス」そのまま。そしてクライマックスはオリバーストーン監督のオーデションに見事に受かるところ。彼女が最も輝いた一瞬だろう。
だが、後半は一転して過食症となった情緒不安定な彼女の姿に変わる。日本で失ったものとアメリカで得たもの。何がそこまで彼女を落ち込ませたのか……。
本書は単なる「ハリウッド体験記」というだけでなく、そのことを通して書かれた彼女自身の生き方や人生に対するメッセージも本書の魅力のひとつになっている。
「人生に夢があるのではない、夢が人生を作るのだ」……夢を語り、夢に向かって進む彼女はいつも生き生きとしている。彼女の場合は夢とは逃避ではなく、過酷な現実に立ち向かうエネルギーなのだろう。いかにもアメリカ的であるが、彼女は今の日本に一番欠落している言葉を改めて思い出させてくれる。
(山下淳/フリーライター/2001.03.14.)
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