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L
藤沢周平作品。
読んだことがないのか、はたまた記憶にないのか。ゆるい作品を多く読んでいたからか、あとがきを読んでから 推理小説だったのか!と気づく有様。そっかー最初から誰が継承者なのか推理しながら読む話だったか!
みんな一癖?ある愛すべき人々。
さて、誰が継承者だったのか。と読了後改めて聞かれて、うそ!?と調べてみると連載と本で継承者が違っていたんだねー。
そういうの、面白い。
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北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま六年、闇にうもれた秘太刀探索を下命された半十郎と銀治郎は藩内の剣客ひとりひとりと立合うことになる。やがて秘剣の裏に熾烈な執政をめぐる暗闘がみえてくる。藤沢時代小説の隠れた傑作と称されるゆえんを十分にお愉しみ下さい。(親本は1992年刊、1995年文庫化)
・秘太刀馬の骨
・献金隠し
・下僕の死
・拳割り
・甦る対決
・御番頭の女
・走る馬の骨
隠れた傑作に相応しい作品。秘剣を伝授されたのは誰かを探すミステリーの要素もあるが、その過程で、剣客5人5様の人間ドラマが描かれている。藩政をめぐる暗闘もあり、盛りだくさんの要素で不足無く、楽しめる。
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秘太刀馬の骨は幻の剣の継承者探しを推理する
楽しみと主人公半十郎の不穏な結婚生活との
現実が犯人探しと相まって話しが進んでいく。
幻の剣の継承者はあまり納得出来ないが
エピソードの様に書かれた最後はスカットする。
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藤沢周平全集(第21巻)の2話目。
対決シーンの描写は迫力があったけど、秘剣の使い手を探す理由が、ちょっと納得いかなかった。
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犯人は「彼」か?
秘太刀を探すために剣豪達と打ち合っていく勝負ものではあるが、ミステリ的な要素も含まれており面白い。藤沢周平の手腕の広さを知ることのできる一作。
犯人は果たして本当に「彼」であったのか?改めて読み直す面白さがある。
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正直、本作の秘太刀や『隠し剣シリーズ』(秀作!)など必殺剣(技)は、消える魔球の類のものだろうが、そうした奇想を盛りみつつも物語はしっかりした人間ドラマ(人情譚)に仕上っている。宮仕えする登場人物たちの社会環境・暮らしぶりや人間関係(しがらみ)などそのまま現代に通ずる近しさで、易く感情移入できる。良質の時代劇(時代劇にかぎらない良質なエンタメ作品)は浪花節を巧く物語に織り込んでいるものだけれど(その加減というか抑制と過剰が作品の質に大きく左右する)、本作読後感の心地よさは格別であった。
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秘太刀馬の骨を用いてバッサバッサとと剣客を倒して行く。なんて事は藤沢作品において有り得ないのは解っちゃいたが、ここまで極上のミステリーになってあるとは。改めて著者の懐の広さを感じる。
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いつでも自分の命をささげる覚悟が求められる時代に自分が生まれていたらどんな行動を起こしていただろう・・・
世界で紛争が起きているが、やはり生まれてからの思想教育が非常に大切なのかな、と思った。
本書籍の感想とはずれます。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2005/08/post_2216.html
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本作品、藩内の内紛を解き明かすべく奔走する藩士達の剣士としての顔と彼らの身の上にある家庭人としての煩いが混じり合って話は進む。
家族の問題を描きながら企業の派閥争いを描くドラマの時代劇版の様にも感じられた。
文庫版巻末、出久根達郎氏の語る秘太刀「馬の骨」真の伝授者については同意できない。
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難しい言葉使ってないのに情景の表現が上手で毎度感心する。
全体像が見えやすくて読みやすかった。
誰が馬の骨の使い手なのかっていう謎も楽しめる。
面白かった。
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1992年刊。
蝉しぐれのムック本にて、宮部みゆきが藤沢ミステリのおすすめ3作を紹介するなかにあったので、たまたま古本屋で見かけて読んでみた。(ちなみに他は、闇の歯車、ささやく河。)
犯人探し、というか、秘太刀である馬の骨という珍名の必殺技を授けられたのは誰か、を探る話。
江戸から来た、家老の甥である石橋銀次郎がそれを探れ、と家老に命じられ、同じく家老の密命を受け、銀次郎の案内人となった地元の武士、半十郎が書き手となる。
容疑者五名の各々と接触し、弱みを握り、なかば無理矢理、銀次郎と立ち合わせ、秘太刀を使うかを確認して行く。
五人の人物にある弱みはだいたい女性絡み。
もうちょっと違うネタも見たかったなと思うけど、封建制度の時代の姦通(というほどでもないが)はそれほど致命的なことなのかも。
そして、書き手である半十郎もまた重い家庭問題を抱えて、妻との間がうまくいっていない。
それらがうまくリンクしつつ、最後には藩政をゆるがす大きな事態が見えて来る…。という感じかな。
ミステリとして先が気になる話なんですが、前半はいろんな人物が一気に出てきて覚えられず、読み進めるのが大変だった。
下僕の死、から面白くなってきて一気に読んだ。
結末は、なあーんだ、って感じでしたが、出久根氏の解説や他のいろんな人の意見を見て、多角的な読み方ができると分かった。しかも連載時と書籍で犯人が明確に違うらしい…。ええー。
文庫でも、真犯人と目される人物の名を半十郎しか口にしないため、断定はできない、という。
なるほどねー。
エピローグは、私も、ワンチャンあるかも、と思っていた人物のことだったので、面白く読んだ。
まあそんなことは本当はないと思うけど、こうだったかもしれないよ、という匂わせた、含みのある終幕エピソードとして書かれているのでは。
銀次郎にはもっと裏があるのかと思っていたので、後半に潔く物語から消えてしまって残念だった。
彼こそ謎の人物だったのになあ。
五間川が登場するし、これも海坂藩が舞台なんですね。
蝉しぐれにはなかった、方言セリフが飛び交っていて面白かった。
全体に隠れた佳作といったところ。
追記
ここに登場する、金打を打つ(きんちょうをうつ)という言葉ははじめて聞いたので、あとで調べてみた。江戸時代に武士が刀を使って行う、キツめの約束げんまんかな、と思ったら、ほぼそのとおりでした。ひとつ賢くなった。
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歴史ミステリー小説ともいえるのだろうか、秘太刀、「馬の骨」を伝授した者を探し出すストーリー。
藩内の政争がテーマであり、ストーリーの中で登場する人物を追いながら当時の藩の運営、武士の振る舞い等、知ることも興味深い。
武士にとっては生死は身近なものであるが故に、ストーリーの展開に緊張感があるし、また武士が義の世界に生きるところに、爽快感を得ることができる。
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藩の要人の暗殺に用いられたという秘大刀「馬の骨」。その遣い手を探るよう命じられた筆者。次第に明かされる藩の実態。
五十を過ぎて藤沢周平に本格挑戦。第二弾で選んだのがコレ。ちょっとミステリー調。
何より藤沢周平は季節の情景と女性を描くのが実にうまい。また文章だけでは難しいだろうチャンバラの場面も臨場感豊かで見事。
この作品も海坂藩が舞台。
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☆4.0
筆頭家老の小出帯刀に近習頭取に取り立ててもらった浅沼半十郎は、以前の筆頭家老の暗殺に使われた「馬の骨」と呼ばれる秘太刀の使い手を探る命を受ける。
主に調べは小出の甥の石橋銀次郎が行うので、求められているのはお目付役といったところだ。
剣を持つ者の噂話として「馬の骨」は矢野家に伝わると言われていた。
早速話を聞きに矢野家へと向かうが、現在の当主の藤蔵は自分は受け継いではいないし、誰に受け継がせたかも知らぬという。
銀次郎は後継者の候補として、先代の高弟五名の名前を聞き出し、藤蔵も含め立合を申し入れ実際に相手と戦っていく。
やがてこの秘太刀探しには藩の派閥争いが関係していることがわかってきて……
他流試合を禁じるが為に、なかなか立合に応じてもらえない銀次郎は"どんな手使っても戦ってやる"とかなり嫌な手段をとるので、どんどん嫌な奴になっていく。
まぁ、好きになれんわな。
振り回される半十郎が可哀想に思いつつ、でも半十郎もあまり好きになれないのだよね。
杉江に対する態度のせいかな。
半十郎の妻の杉江は、長男を病気で失ってから気鬱になってしまい、夫婦仲も良くない。
でも時代を考えるとそんなものなのかという気もする。
この作品は藩の政治の派閥争いと、秘太刀の使い手探しのミステリ的な部分の面白さもあるけれど、この夫婦、とりわけ杉江のことが書かれているのが良いなと思う。
特に、娘の直江が野犬に襲われた後、半十郎に杉江が怒られるところ。
それまで杉江は長男の病気について、医者を呼ぶのが遅れたから死んだのだと半十郎を責めていた。
しかし娘が犬に襲われたときには、側にいたのに見ているしか出来なかった。
幸い娘は無事だったが、半十郎をただ責めていれば良かった今までには戻れなくなったのだ。
だからこそ、ラストに宿屋の息子を自らの手で救えたことが気鬱から抜け出るきっかけになったのだと思う。
この流れがとても良かった。
秘太刀の使い手については、出久根達郎さんの解説に随分混乱したし、まだ混乱してるんだけど、これは同じく読んだ人に意見を求めたくなっている。