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長く咲いていた桜の花も終わりになったのに、異例の寒さはまだまだ続く。
そぼ降る冷たい雨の景色が、この本の冒頭の銀座の雨と重なり寒々しい。
24才のOL・腐野花(それにしても凄い名前)が婚約者の美郎と待合わせをするレストラン。
しかし彼女が「私の男」と呼ぶのは40才の養父・淳悟のほう。最初から只ならぬこの親子。
花の結婚式前後の日々と、そこから遡って語られる二人のこれまでと秘められた出来事…。
細かい設定には結構破綻があって、淳悟や花の心情にもン?みたいなところがあるのだけれど、ぬらりとした黒い冬の海を背景にしたぞわぞわ〜とした粘着質な描写に飲み込まれて読まされてしまった。
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女のこなら誰もが一度は感じたことある気持ちじゃないかな。。
「立場が逆転する」、それが愛おしいのかなー。
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読む本が無い時は結構読み返してるので★一つアップ。こういう救いの無い話好きです。閉鎖的な幸せだなぁ…。
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賛否両論ある本のようです。
確かに近親相姦の話ですからね、嫌悪感を感じる人も多いでしょう。
ただ、一貫して流れる冥く生暖かい雰囲気は秀逸だし、描かれている弱者の偏執的な優しさもなかなかです。
直木賞作品。受賞したから素晴らしいとは言いませんが、こういった賞にノミネートされると言うことはそれだけの力のある作品だからだと思います。
桜庭さん、これまで何作品か読みましたが、独特の雰囲気があります。ただ、ストーリーがセンセーショナルというか、ちょっと飛び跳ね過ぎています。もっとおとなしい筋書きでしっとりした物語を描いたらどうな作品になるのでしょうか。期待したいですね。
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「いやはや、あんたらそんな……」と思わずもごもご独りごちながら読み進めていましたが、いざ感想を書くとなると、なんとも言えないです。
近親相姦の親子にやりすぎな性描写。そして殺人事件が起こる。どろどろとしていて、関係のない人間が巻き込まれていくさまに目を背けたくなりました。
後半あたりから理解出来ない未知の世界の出来事のように思いました。そんなに強く欲情して、一体この二人は何がしたいのかよく分からない。叱りつけたくなる。痛々しいっちゃ痛々しいけれど、結局納得も出来ないまま、終始不気味な雰囲気が漂っていて、ただただ気味が悪かったです。
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前に読んだ桜庭一樹作品は、「少女には向かない職業」で、
そんなに何冊も読みたい感じのする作家さんではないな、なんて思っていました。
今回は、直木賞だったし念のため。
女性にとっては、あまり読みたくないようなテーマの本のように思いつつ…。
でも、よかったな。
過去にさかのぼる構成も、過去に向かえば向かうほど、
明かされていく秘密の書き方も、すごくうまいな~と思ったし、
花の淳悟への心象が、饒舌すぎる感じがするところまで、
無駄なもののない作品だった。
勧善懲悪好きの私の好みではないというだけで、かなり☆5つに近い、本を読む楽しみを与えてくれる本でした。
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「読んでしまった。」
そんな感覚だ。
まず、近親相姦なりの、いわゆる「タブー」が許せない人は読む可からず、です。
そして、この小説はそのような「タブー」の是非を問うために書かれたものでは決してないでしょう。
むしろ我々の中にも自然に存在する「弱さ」や「欲求」が主題であり、それらが、いくつかの条件を重ねて「純粋培養」された結果、現実社会のタブーに触れまくっている、というだけ(?)のことで。
いずれにせよ、物語でありフィクションなのだから、「虚構」として楽しめばいいと思います。
しかし、よくもまあ、こういう形で表現したなあ。作者(名前に似合わず女性らしい)の内面に何かあるんでしょうね。
母→娘→母、父→子→父。う~ん、思いつきもしないし有り得ないが、この物語の中では違和感ないんだよなあ。まさにこれが筆力、か。
ちなみにBGMは、イエモン(花吹雪~雨上がりのアスファルトが嫌いになりそうなほどエロティックな香り~)、レベッカ(Virginity~ドレスの染みが今赤い蝶になる~)をオススメします。
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感想はブログで。
http://takotakora.at.webry.info/201004/article_15.html
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時系列を遡りながら見せていく
血の繋がった養父と娘の重たい物語
近親相姦の関係なのでかなりどろっとした表現もあって
気持ち悪さもあるが
2人の関係は興味深く追えた
排他的な2人の世界
それを守るために、2人はそれぞれ殺人も犯す
娘9歳からの関係は性的虐待
そんな娘が養父を“私の男”と言い切っているのを見て
かなり考え込んでてしまった。。。
冒頭の章で娘は結婚する
そんな描写くらいで救いがあったとは言えないが
そこから先遡れど遡れど暗くて。
読んだ友人がいたら
飲みながらでも感想を聞いてみたくなった作品
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最初は訳分からない感じがしてたけど、読み進めるうちに色々分かって、引き込まれてしまった。
でも、全体的に暗い。
内容が内容なんでしょうがないけど、読んでで、ズーンって重かったな~
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題名のインパクトのみで手に取った作品です。
…桐野夏生を薄ら思い浮かべつつ読んでみる。「グロテスク」とかその辺りを思うのは、近親相姦に対して悪のイメージが強いからでしょうか。
時系列を遡って行く話というのは色々ありますが、一切現在と過去を交錯させることなく振り返るのは初めて読んだかも。読み進めるほどに、解決することもあれば、真相はますます闇の中になるようなところもあり、もどかしくなりながら惹きこまれます。
二人の出会いやまだ少女の頃の花、『家族』との別れの場面などは色々と解釈するものもあり、繊細な文章だなと思いました。一押しと言い難いのが、24歳現在の話だけが理解しづらかった…。でも、希望のなさの描き方が最近みないほど強い話だなぁと思いました。これが魅力かな、なんて思います。
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おそらく読むのは3回目。文庫になった機会に再読です。
なんというか、どうしたって救われない関係なのに、
(というか、子どもの虐待といっても過言じゃないはず。)
幸せそうにも見えてしまうのは何ででしょう。
どうしようもない鎖でがんじがらめになっていて、ふたりともそれから逃れたいと願いつつも、そのままひとつになってしまうこともものすごく願っているみたいな。
哀しくて怖い話だと思います。
でもすごく重たいから、心に余裕にあるときじゃないと読みたい気持にはならないな(苦笑)
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好みは分かれるだろうけども。
一途な愛情。
近親相姦。
それでも汚くは感じなかった。
互いが互いを必要とし合うが故の切ない話なのかもしれない。
再読候補にしよう。
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話がどんどんとさかのぼっていき、使われた言葉の意味やこめられた気持ちが紐解かれていくのがどきどきであり、怖くもあった。燃えるようなきもち(という単語で表すには登場人物の心の動きは大きすぎたけど)をどきどきしながら追って知っていくのって小説の醍醐味だよね…。
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直木賞受賞作品。深い話でした。読むの途中で飽きちゃったけど,賞を受賞するのはよくわかる気がする。最後のあとがきに同意しました。