投稿元:
レビューを見る
100501w
直木省で王様のブランチとかいろんな書評に〔当たり前だけど〕たくさん出てて、文庫化されたのを知って迷わず手に。
一途な愛。
投稿元:
レビューを見る
なんか初めのほうはよく分からんかった。
暗い。
途中からは分かるかんじにはなってきたけど、
理解できないかんじで。
話としては面白く読めたような、そうでもないような。
よく分からん感じだった。
投稿元:
レビューを見る
序盤ずいぶん印象が違うけど、最後までいくと少女と父だったり、海だったり道具立ては「七竈」とか「砂糖菓子」とかと近いんだろうな。
主人公が傍観者じゃなかったり、時間軸のレンジが大きくなったりで、作品世界が広がったのかな…。そんでなんか、重い。
時間軸を逆行しつつ、未来のミスリードを過去でひっくり返すってのはなかなか面白いけど、そもそもミステリーな感じではないのが勿体ない。
投稿元:
レビューを見る
どろどろーってしてるけど,それがいい。
こんなお父さん嫌だけど,近所にいたら気になるw
でも,最期は少し煮え切らない感じ。
映画栄えしそうな作品。
投稿元:
レビューを見る
近親相姦というインセストな話といえばそれまでなのだが、
ネットリ・ドロドロしているようでいて、
不思議と嫌悪感を感じなかった。
最初の章で、一番新しい時を書いている。
そして、章が変わるごとに、時代が逆行してゆく手法。
読み始めは、血が繋がっていない養父との関係かと思ったが、
読み進めていくうちに、
実は血の繋がりがあることを知っている上での関係であるとわかる。
タイトルに「私の~」と漢字を遣っているのに、
文中の一人称は「わたしは~」とひらがなになっているのは、
作者の意図的な配慮なのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
主人公の男が、どんどん魅力的に見えてくる不思議。目をそらしたくても、そうさせてくれない。著者がライトノベル出身と聞いて驚いた。映像化されそうなキャッチーな内容だけれど、しないでいいなあ。下手なキャスティングだと、ただの悪趣味になりそう。
投稿元:
レビューを見る
映画化作品を観た直後、書店で平積みになっていたので手に取ると、時系列を遡る構成だったことに仰天し、即買いするものの積んだままでしたw 積み本消化期につき読み始めたらンもう止まらない止まらない。章毎に語り手を替え、明確になってゆく二人の秘密。それにつれて重くのしかかるタイトルの意味。「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」以来の桜庭一樹読書体験なれど、ちゃんと両者が繋がってる点にも感服した。
投稿元:
レビューを見る
設定の不道徳や描写の過激さが賛否両論なんだろうけど、そんなことより、その辺の「純愛モノ」よりよっぽど澄んで見える世界。
排他性と独占欲で閉じた2人がうらやましい。
忘れないでね、愛しあっていたこと。
投稿元:
レビューを見る
文庫になったのでやっと読みました。暗くて、重いものが書かれているけれど、とても愛しいお話でした。退廃というか、堕ちていくだけなのに、幸福を見出すことが出来る二人。
投稿元:
レビューを見る
直木賞受賞してからずっと読みたかった作品。
始まりはすごくよかった。
だんだん中弛みなかんじかしてきつつ、
これはオチを盛り上げるための演出なんだと思ってた。
でも最後までオチらしいものもなく、
で、結局のところ何が言いたいの?
っていう中途半端な読後感。
だめな男女のどろどろは好きなテーマなのに、
いまいち重さや切なさが伝わらない。
感情移入しきれない。
直木賞ってこの程度でいいの?とがっかりした。
投稿元:
レビューを見る
血の繋がりへの妄執に囚われた男と娘の禁断の愛、要するに近親相姦ものの話。
甘ったるくてぼやっとした心情、情景描写は悪くはないんだけど流石に分量過多じゃないかな。
砂糖菓子の頃と比べての変化から作家としての過渡期を迎えてるんじゃないかと思った。
まだ中途半端。こっからどう変わるかじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
確かに筆力はすばらしい。掴みがうまい、冒頭から苦もなく引き込まれた。その点において最近の中であたりだったと思う。
私にとって男があまりに魅力的だったのも一気に読み進めた原動力だったかもしれない。
ただ構成と表現はうまいが、読後に訴えかけるものは一切なかった。あえて言えば「だから何?」というやつである。もう少し終幕を発展させればよかった気もする。なんとなくなかなか珍しい設定を時系列を逆にして披露した(だけ)という印象が否めない。
投稿元:
レビューを見る
桜庭さんの作品は読みたいと思いながらも今まで読んでいなかった。読んでみて、男女の生臭さを感じた。でも、純粋な男女のそれとは違う。寂しさ。孤独。闇。血の中にしかお互いを埋めるものを見つけられない二人。
投稿元:
レビューを見る
話は過去へ過去へと、遡る形で進んでゆく。父と娘。の愛。不穏な空気が漂う中、物語は始まる。反道徳的?しかし、読み進めて、二人の関係をひも解いていくうち、もう、そうなるべくしてなったんだと、ピュアな部分が徐々に浮き上がってくる。舞台は北海道の北の北。灰色の空と海が、横たわる。
投稿元:
レビューを見る
「私の男は、ぬすんだかさをゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。日暮れよりすこしはやく夜が降りてきた、午後六時過ぎの銀座、並木通り。彼のふるびた革靴が、アスファルトを輝かせる水たまりを踏み荒らし、ためらいなく濡れながら近づいてくる。店先のウィンドウにくっついて雨宿りしていたわたしに、ぬすんだ傘を差しだした。その流れるような動きは、傘盗人なのに、落ちぶれ貴族のようにどこか優雅だった。これは、いっそうつくしい、と言い切ってもよい姿のようにわたしは思った。」
「二つのべつべつの鉢から生えたほそい貧相な木が、鉢を知覚におきすぎたせいで途中から絡まって、一本の木みたいになって上にのびているのだ。剪定もされず、無駄な枝や花弁や実に疲れきって、二本とも乾いて痩せていた。どちらがどちらを支えているのかもよく分からない。それはなんともグロテスクなフォルムだった。」
からみつく木のように離れられない、2人の血縁者。花は結婚を機に淳悟と離れようとする。しかし、物語は2人が離れられないことを強調するかのように時間を遡り、2人の業をなぞっていく。