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狸が主人公だし、これまでのように面白可笑しい話なのかなと思い読み始めた。かの文体できらきらした京都が描かれるのは今までと同じ。ただ、これまでの「恋愛」「腐れ大学生」はスポットを浴びず、「家族」に焦点が当たる。それも強烈に。
狸の家族だから、現実の人間家族にあるような世俗的な事柄は削ぎ落とされている。だからこそ純粋な家族の関係や構造を際立たせることができている。
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「くたばれ」
これは母が怒り心頭に発した際に口にする、密度の濃い罵倒語である。
〜略〜
この歯切れ良く相手を全否定する言葉は、我々兄弟の口にしっくり馴染んだ。[第二章p81より]
このフレーズでほっこりと爆笑してしまった。
笑えて、ほっこりして、阿呆だなぁと思いきや、家族の絆にホロリとする。
大好きな一冊になりました!
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2010年8月5日購入
アニメを見る前に読んでおきたくて
久しぶりに再読。
四男の可愛さはもはや犯罪だと思う。
クライマックスが、派手なのにどこか間が抜けていて
外で読んでいたものだから
笑いをこらえるのに難儀した。
ラストは何回読んでもいいわあ。
お正月の八坂さんとか行きたいとは思わないけれど。
(13.06.25)
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寺町通りを疾走する叡山電車、五山送り火を空中から眺める狸たち、夷川発電所裏で偽電気ブランを製造する狸たち・・。寺町アーケードの上をあるく天狗、いかにもありそうだ。
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おもしろい。短編全部がつながっていて、伏線を拾いつつだんだん話が盛り上がって来るのと、狸たちの阿呆の血の存在を感じながらの奮闘ぶりがいいです。
そしてかわいい毛玉の様子がありありと思い浮かべる事が出来る描写がたまらん(笑)
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この著者らしさ満載な本
狸vs人間vs天狗in京都の世界観は相変わらず素晴らしい
赤玉ポートワイン久々に呑みたくなった(笑)
ラストがちと弱いきもするが、良い余韻なので★4
アニメ映画化とか良さそうな一冊
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狸のお話。
なんだかみーんなかわいかった…!
かわいいけれど、おもしろおかしくて、ホロリとして、よかった。
矢四郎ががんばってるときはかなり悶えました。かかかかわゆい…
毛玉の中に埋もれたい。
面白おかしく生きませう。
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いつもの森見登美彦テイストとはちょっと違い、回りくどい表現も少ないのがちょっと残念です。(最初は苦手だったのに。)
狸が主人公のちょっと変わった物語です。
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赤玉ポートワインを焼酎で割る"赤割"、
ロマンチックな登場の仕方を擦る割に随分おっさんくさい(笑)シロモノ。
何度も飲みたくなってしまった、今度やろう。
狸を束ねる"偽右衛門"から律義にも、
責任感・暢気・阿呆・純真を4つに割って受け継いだ息子4人。
哀しい死を遂げた父に変わる"偽右衛門"の座を目指す長兄に、
父をうとんでいた夷川家の叔父が立ちはだかる。
偉大な父と息子たち、対立する狸に、
狸を仕込む落ちこぼれた天狗の先生、そんな先生が恋する小悪魔、
小悪魔が属するのは忘年会で狸鍋を食す金曜倶楽部。
彼女には先生を落した鞍馬天狗たちも背後にいる。
恐れつつもそんなに彼女に初恋していた狸息子が語り手。
これだけ書いても複雑な絡み方をする人間・天狗・狸たち。
狸が人の世にまぎれている説定だけでも面白いのに、
どうなることやらハラハラして読み進めた。
ジブリに似ているよね(笑)
そんなファンタジー感と狸鍋に見られるエグさが共存している。
狸たちの陰謀も生々しく汚い。
こういった場合、「恐ろしいのは結局人間」で終わるオチが多いが
ここでは「狸も存外人間くさい陰湿さがある」と思う。
ちなみに人間臭い情けなさは、高潔に見える天狗が見せていた。
しかし、情けないながらも憎めない4兄弟。
饒舌なへりくつのこねあいで喧嘩しつつも
最後は派手に暴れまわって家族愛の大団円。
そんな楽しくほほえましい、姿にスカッとする。
母狸の情けない息子たちに「生きてればいい、鍋にならなければ」の
一言は序盤は笑い流してたけど、後半に行くほど心に染んできた。
はずせないのは、人間女性の弁天。
もりみーの作品には見かけは可憐な酒の強い小悪魔がよく出る事。
彼女は悪女というには少し違う気もするが、孫う事無き小悪魔。
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浮かれ踊る狸、逃げまどう狸、怯え震える狸、走る狸、怒る狸、笑う狸、狸狸狸…。
超絶カワユイ、そしてオモチロイ!
毛玉たちの勇気と家族愛に涙することになるとは思わなかった。
いつも歩く京都の街を見渡してみる。
アーケードの上空に、飛び回る弁天の影。
あの人もあの彼もあの子もみんな、もしかしたら狸かも。
わたし君たちと気が合うと思うから、ちょっと尻尾出してみてくれないかなぁ。阿呆の血でもって遊ぼうよ。
だって、そう。
面白きことは良きことなり!!
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とある狸四兄弟の物語。ギャグとちょっぴり切ないんだけれど、ところどころでやっぱり笑ってしまう。
阿呆って言葉がとても温かく感じられるお話。赤玉先生と弁天の関係がちょっとだけ気になる。私生活はともかく、弁天に対する恋の姿勢は好きだなぁ。
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森見 登美彦さんの筆で読者の僕は坂道を転がる玉のごとく。途中、空中になげだされたり、もふもふとした毛玉になるが主人公の弟のように健気でかわいくはなれない。
ラストはジェットコースター。手すりにつかまりキャーキャー言うが、終われば「もう一度!、もう一度!!」と叫んでいる。
「ポン!」
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毛玉!なんて可愛らしいんだ!もふもふの毛玉たち!
特に矢四郎のがんばる姿がかわいすぎる。
もりみー節絶好調といった感じです。
読む前は毛玉ファンタジーって、なんじゃそりゃ!
と思っていたけど、まさに毛玉ファンタジーでした。
食べちゃいたいくらい、すきなの。
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森見登美彦さんの本が文庫で新しくでたので読みました。
相変わらずのぶっ飛びぶり。。。
しかも今回は狸ということではっきり言って何でもあり(笑)
今作も非常に面白かった。
一度作者の頭の中を覗いてみたい・・・。
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2010 8/14読了。WonderGooで購入。
読むと赤玉ポートワイン(もう実際にはこの名前ではないらしいけど)が飲みたくなり、狸は生涯食べなくてもいいかな、と思う小説。
ふはふは毛玉の狸たちと、人間と、天狗が、愛しくて、哀しくもある話だった。
それにしても「ふはふは」という擬態語のなんとこう・・・ふはふはして愛らしいことかね。森見登美彦 の擬態語の素晴らしさは解説でも触れられてるけど。
偽叡山電鉄、偽電気ブランなど、他作品の小道具の謎も少し明らかになり・・・なるほど、狸かー。狸であれば仕方ないなー。