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「今年もいいリンゴが採れました」的な、人の良さそうな笑みを浮かべる初老の男性の人生の楽園のような話。そう勝手に推測して読み始めたのですが、完全にしてやられました。この本は涙なくしては読めない、魂の物語です。しかも、これ、今年の直木賞受賞作だよ、と言われて読んでも違和感がないくらいの完璧な物語です。まったくもって脱帽です。
リンゴを通して自分の理想を追い求める男が、得意の理論・理屈を捨てて、大地の熱を感じようとしたその時、彼は求めていたものをようやく見つけます。そこに至るまでの苦悩、苦労はもはや自分の美学を追い求める芸術家のようです。そして、ほぼ村八分になっている彼を支える家族の姿が神々しい。
こうして時折出会うことがあります。これほど完成された真実の物語があるのなら、小説が存在する意義はなんだろうかと、真剣に考えさせられる作品に。読書体験の歓びとはそんな所にあるのかも知れません。これだから、活字中毒になってしまう。これだから、本を読むのをやめられないのです。
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経験、体験に感じ入る いうのはまさにこういう書を読んでのことだろうと思う。
みなさんのコメントの通り、一気に読める本でありひさびさにいいものを読んだと思う。
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ものすごおおく感動&感激。。。とにかくスゴイ話で、この木村さんというヒトの人生が描かれています。
とにかく一度リンゴを食べてみたいものです。ホントにホントに美味しいんだろうなあ…木村さんに会ってみたいです。面白い話をたくさん聞きたい。
こんなにもヒトは頑張れるものなのか、自分に問いたくなる本です。オススメです!!!
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テレビの方は見ていません。プロジェクトXなどの過度な演出ははっきりいって興ざめしてしまうのですが、この話に関してはそんなことを意識すらしなかったです。ぜひ読んでみてください。
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地球への配慮とは、こういうことか。
自分に木村氏が感じていることを同じように感じられてといえば
全然感じられてないと思う。
いろんなものがへばりついていて
そんなに自然体ではないからだと思う。
でも、それが「地球への配慮」という言葉で
定義されているものと同じものだと思った。
青森のリンゴ農園
無農薬でリンゴを育てている
でも本当は
育てているんでなくて、
無農薬ということでもなくて、
その農園の命を大事にしている。
手助けをしているだけ。
作業は冬の剪定、秋の草かり1回だけ
すべてそぎ落とした。
青森に行って見てみたい。
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「絶対不可能」と言われた無農薬農法でのリンゴ栽培に
成功した木村さんの記録。
フィードバックという言葉が何度も出てきます。
とにかく感動!1日で読めるので、お勧めです。
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「奇跡のりんご」
農薬なしではりんごを育てていくことが出来ない。
そんな常識を、根気と努力と知恵で覆した木村秋則さんの記録。
何年にも渡る、想像も出来ないような苦労と、試行錯誤の末に
リンゴの花は咲きます。鳥肌が立つほど感動しました。
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P197 自分たちのやり方で作った作物を 農薬や肥料を与えて作った農作物と競争できるくらいの価格で出荷できるようにする。それが木村の夢。 高く売りたくない 特殊な栽培という段階を超えたい --
P196 いつまでもそんなことを続けられるわけがないのだ 化石燃料が枯渇するのが先か、環境が回復不能なところまで破壊されるのが先か 現代の農業が破綻することは目に見えている --
P194 少年時代に兄とリンゴの木を植えた、始めて4つのうち1つを無農薬にした、銀色に輝く人をみたのも、山ですべてを終わりにしようと決めてロープを編んだのも、7つだけの花が咲いたのも 9年ぶりの満開をみたのも この畑 --
P191 木村が声をかけずにすませたリンゴの木は、一本残らず枯れてしまっていた。 隣の農家に見られたくない --
P189 信じられないくらい美味しい 涙が流れる この世に生きる喜びエッセンスとでも言うべき何かが、そのリンゴに充満していた --
P187 こうすればああなる という 1対1の因果関係ではないということ --
P185 自然は細切れになど出来ない 自然をどれだけ精緻に分析しても、人はリンゴ一つ創造することはできない。 --
P181 多種多様な生物が棲み 何千何百の綱引き 全体のバランスを崩す可能性は低くなる --
一通の手紙 「あんなにおいしいリンゴは食べたことがありません。また送ってください」 --
P176 --
P175 リンゴが売れなければ 畑が維持できない --
P167 人間にできることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。 私に出来ることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。失敗に失敗を重ねて、ようやくそのことがわかった。 --
P166 9年ぶりに花が咲いた --
P156 現代の農業は自然のバランスを破壊することで成立 自然というものの複雑さ 生きとし生ける命が絡み合って自然は成り立っている。その自然の全体とつきあっていこうと思った --
P154 地球があるのもこの小さな虫たちのおかげ 自然のプログラム --
害虫の顔かわいい 益虫の顔怖い獰猛 肉食 --
P152 周囲の目 木村が害虫を見る目 ある変化が起きてきた --
P146 私はリンゴの葉と、自分の歯を引き換えにしたんです、 --
P143 アルバイト キャバレーやくざに声かけ 辞めるきっかけ.リンゴの木が呼び戻した? --
P140 パイオニアは孤独だ --
P116 投げたロープ ドングリの木 ( リンゴにみえて) この柔らかな土は、人が作ったものではない --
P113 バカになる 何かに挑むとき最大の壁となるのはしばしばその経験や知識なのだ --
P112 リンゴに声をかける 感謝 リンゴを生き物として向かいあう --
リンゴは木村の公案だった 臨済宗 答えのない答えを考え抜く 修行(公案) --
P107 --
P100 娘「そんなの嫌だ。なんのために、私たちはこんなに貧乏しているの」 --
P88 子供のPTA会費も払えない --
P79 明治20−30 同じ問題に直面 工夫 辿り着いた解決方法は農薬だった() --
P70 ジョニー・アップルシード 米 開拓者と一緒にリンゴの木を植える --
一年に一回しか結果が出せない --
P65 リンゴの無農薬栽培の鍵 まず第一に葉を守ること -- -
P60 木村20代 1978年頃 リンゴの完全な無農薬栽培に移行し始めた--
P55 文明は何かを付け加えるという足し算の方向性で発展してきた。その反対の引き算を繰り返して、最終的な理想である、人間が何もしない農業を目指した --
P53 福岡正信愛媛県伊予市 1913生まれ 人知人為は一切が無駄である 何もしない農業を目指す --
P50 トラクタの専門書 本屋の本棚 最上段 偶然に隣の本落ちる 角が折れて泥で汚れる一緒に買う 1年後に読む 「何もやらない、農薬も肥料も何も使わない農業」福岡正信 農学者というより思想家 人間の知恵を否定し、人為的な営みのすべては無用。 --
P44 子タヌキ罠 けが 悪いことをした傷物のトウモロコシを畑の横に置く。「人間がよ、全部持っていくから被害を受けるんではないか」と考える --
P42 イギリスからトラクタを買う ローマ字で手紙を書く。 --
P41 現在の岩木山いったいには、リンゴの他にもう一つ名産品がある。 トウモロコシ --
P37 どんな高性能のコンピュータだって 過去のデータを利用する機械に過ぎないと思った。過去のデータをどれだけ集めて計算したって、新しいものは何も生まれてこない.未来は開けない.コンピュータというのはさ、私に言わせればただの玩具なんだよ。 --
P28 リンゴという果実は、農薬に深く依存した、現代農業の象徴的存在なのだ --
P25 現代のリンゴは、昔のリンゴとまったく別物なのだ --
P23 バカになればいい 死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい。ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り会うことができるんだ --
P16 虫への警告!これ以上、畑に害すると、強力な農薬を使用する -- 2009-01-31 (土) 10:18:57
危険から守り給えと祈るのではなく、危険と勇敢に立ち向かえますように。
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NHK「プロフェッショナルー仕事の流儀」で取り上げられた無農薬でリンゴ栽培に成功した木村秋則さんの本です。
テレビは見ていなかったのですが、目の前に映像が広がるような感じで読みました。
表紙の歯のない笑顔の木村さん。
絶望して死にたいと電話してきた若者に
「死ぬくらいなら、一度はバカになってみるといい。(中略)ひとつものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ。」と話した。
人もリンゴも一人で生きてるのではない、支えあって世界の中で生きているんだよ、という彼のメッセージが胸を熱くさせました。
木村さんのリンゴ、食べてみたいなあ。
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「感動した!」この一言につきます。
この本は、ちょっと周囲の人に勧めたいなと思っています。
最後の方(特に「畑一面に白いリンゴの花が咲いていた」場面など)はちょっと感動でウルウルきてしまいました。
自分の信念や夢があるなら、人から何と言われようと、何かを犠牲にしても、もっと人生をかけてやらなきゃ、、と、肩を押して貰える本です。
「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う」
全然程度が違うのかもしれませんが、私が司法試験に合格できずに苦労しているときのことを思い出してしまいました。
いつか木村さんのリンゴを食べてみたいです。
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読んでて改めて自分の農に対する姿勢を考えさせられる。
今後、自分の人生の書としての1冊になりそうである。
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久々に心が震える読書。
主人公やその人生の稀有で刺激的なことはもちろん、
筆致も抑制が効いており、かつこだわる部分はこだわっていて、
読んでいて気持ちがいい。
世の中を変える人は、大統領でも政治家でも、
思想家でも作家でも、もちろん宗教家でもなく、
このような生活者なのだな。
と感じた。
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『奇跡のリンゴ』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とは?
いったいどんなリンゴなのでしょうか?
それは腐らないリンゴなのです。
そのリンゴを育てたのが、青森県弘前市でリンゴ農家を営む木村秋則さんなのです。
『奇跡のリンゴ』を木村秋則さんは、どのようにして育てられたのでしょうか?
それは、リンゴ農家にとって「絶対不可能」と言われた農薬も肥料も使わず、リンゴを実らせるというものでした。
無農薬に変えて実らせるまで、リンゴ農家にとって実のならないリンゴの木は、収入がないこと意味する。
農薬も肥料も使わず、リンゴを実らせるまでは、自殺をも考えたときがあったそうです。
この本には、「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則さんの長く壮絶な8年にも及ぶ戦いの記録が、語られています。
この『奇跡のリンゴ』を実らせる木村秋則さんが、2006年12月7日に、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に取上げられました。
この放送が大反響で、NHKには700通ものメールや手紙が寄せられたそうです。
その寄せられたメールや手紙の中で最も多かったのは、「木村さんのリンゴを一度でいいから食べてみたい」という声でした。
1年先まで予約でいっぱいだとか。
なかなか手に入れることのできないリンゴのようです。
でも、私もこの奇跡のリンゴ食べてみたいです。
【アンテナに引っかかるコトバ】
テレビを見た自殺を考えていた若い人から電話があったときに言った言葉
「・・・・うん、とにかく思い直してよかったねえと言ったかな。それから、バカになればいいんだよと言いました。バカになるって、やってみればわかると思うけど、そんなに簡単なことではないんだよ。だけどさ、死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい。同じことを考えた先輩として、ひとつだけわかったことがある。ひとつのことに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ、とな」p23
ただ、ひとつだけ不思議なことがある。
枯れかけていたリンゴの木の一本一本に、木村が「枯れないでくれ」頼んで回ったときの話だ。
実を言えば、木村はすべてのリンゴの木に声をかけたわけではない。隣の畑や道路との境に面しているリンゴの木には声をかけずに済ませてしまった。さすがの木村も、リンゴの木に話しかける姿を、周りの農家に見られたくなかったのだ。
木村の頼みにもかかわらず、枯れてしまったリンゴの木は少なくない。・・・・・・・・・・・・・途中略・・・・・・・・・・・・・・
強いリンゴが生き残り、弱いリンゴが枯れたのだろう。
ところが、例外がひとつだけあった。・・・・・・・途中略・・・・・・・
木村はこのことを今も深く後悔している。
木村が声をかけずにすませたリンゴの木は、一本残らず枯れ���しまっていたのだ。p191
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電車の中で読んでて、ぼろぼろ泣いてしまった。
もう一度、生きることとか人生とか、大地の尊さを教えてくれる本。必読。
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無農薬栽培のリンゴを可能にした農家、木村秋則氏の記録。人間そのものが自然の産物であり、自分は自然の手伝いをしただけ、と言い切る木村氏の言葉は重い。団栗の木と出会うことで、自分は今まで林檎の木の見える部分だけ、地上の部分だけを考えていて、目に見えない林檎の木の地下の事を考えていなかったことに気付き、コペルニクス的転回を果たす。一つのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う。データは過去。過去のデータをどれだけ集めて計算しても新しいものは生れて来ない。「バカになればいい」―人が生きていく為に知識や経験は欠かせない。何かを成す為には経験や知識を積み重ねる必要がある。だから経験や知識の無い人を世の中ではバカと言う。けれど人が真に新しい何かに挑む時、最大の壁となるのはしばしばその経験や知識なのだ。生かされていることに感謝しつつ、無農薬栽培の作物を農薬や肥料を与えて作った農作物と競争出来る位の価格で出荷し、世の中の食をより良くしたいという夢を描き、黙々と続ける木村氏の言動は凄いの一言であり、勇気付けられる。