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短編集10編、というよりはショート・ショート+中編という体裁。ショート・ショートの方はありきたりで感心できないんですが、中編はなかなかのクオリティです。久々の赤井三尋でしたから長編が読みたかったんですが、「死してなお君を」の回収騒ぎが未だに糸を引いているのかもしれませんね。
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乱歩賞取った「翳りゆく夏」が面白かったので読んでみた。短編集。うまい。ほんのちょっとしたタイミングが合っちゃったりずれちゃったり、確かに『人生の哀感と味わい』(帯によると)です。
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短編集。『翳りゆく夏』がとても面白かったので期待して読んだが、う〜ん、なんというか・・題材がちょっと古臭いというか、
例えば『青の告白』は中でも長い話だったが、設定も小道具も時代遅れ感が。そのせいか、あまりのめり込んで読めないというか、読み進めるのに骨が折れた。
読後が爽やかな『クリーンスタッフの憧憬』とプロ棋士という自分には未知の世界を描いた『花曇り』に対して★2というところである。
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「翳りゆく夏」でかなり惚れ込んだ赤井三尋の短編集。
「翳りゆく夏」は、「読ませる!」感じで、かなりのめりこんで読んだので、今回も短編集ながら楽しみにしていたのですが・・・
日常の街のどこかで起きている出来事を、短編化したもので、登場人物がどこか抜けていて、憎めない感じ。
だけど、この人の作品はやっぱり長編で読みたいっ!
1月には新作が出るとのことなので、それを楽しみに待とう!
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何気ない日常を舞台に、だけどどこかしら毒のある短編集。特にショートショートの「一齣」シリーズが、すぱっとしたオチに魅せられてお気に入りです。
一番のお気に入りは「善意の一齣」。こういう事件、実際にありそうなところがたち悪いです。でもオチは見事で、爽快。
「クリーン・スタッフの憧憬」は、爽やかで良いですね。毒のあるのが好みですが。こういうのもいいなあ。「青の告白」が一番ミステリだったかな。これも展開に予想のつきそうな話だったのだけれど、やられました。
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私たちの日常のどこかで起こっている出来事をあげた短編集。犯罪を扱った作品の他、因縁の対決に向かう棋士の話、花曇りがおもしろかったです。
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少しハラハラのプチミステリー・サスペンス!結局は"同じ穴の狢""振り出しに戻る"様な話が多い十の短編集。シンデレラストーリーの「クリーン・スタッフ~」、名人位棋士の父親「花曇り」は好きだなぁ♪
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老猿とクリーンスタッフはおもしろかった。
なーんか話が続きそうな感じもあったので、
短編だけど、あとでいろいろ繋がってくるのかと思いきや、
最後までバラバラなただの短編集だった。
特に老猿の方は、もうひと事件ありそう感ありありだったので残念。
三十年後と青の告白は、
うーん、ちょっとだらだらした印象。
三十年後は、ラストがあんまり好きじゃなかった。
ラストの花曇りは結構好き。
これは実際の人をモデルにしている、と考えていいのか?
広島での碁の対戦ってのはきいたことがある。
これは、ちょっとしたショートムービーな気配。
短編集です、と言われれば納得するしかないんだが、
なんだかまとまりのない一冊だったなあ。
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捻りのきいた短篇10編による推理作品集。
街の片隅で、ひっそりと暮らす人々に、ある日、忍び寄る、ほんの小さなボタンの掛け違いが、人を狂わせ、事件を引き起こす。
(アマゾンより引用)
短編集
短編の中にショートショートくらいのユーモラスな話が混ざってて
それが面白い
最後にクスッとさせてくれるところが憎い
短編のお話もどれも結構好きだったな
意外なラストが全部好みだった
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前に読んだ赤井さんの「月と詐欺師」が面白かったので、借りた。
お正月には時間が出来たので、いろいろ読んだが、新年早々あまり衝撃的な内容は避けたいので、そこそこ無難なものを選んだ。
ほのぼのと笑えるような内容のものなど、一年の幕開けにふさわしいものを読んだりした。
図書館でも、書架の前に立つと、題名が気になるようになった。
今日、ぶらっと寄った本屋さんで、パトリシア・コーンウェルの「血霧」というのを見た。スカーペッタさんとはご無沙汰だなぁと思ってぱらぱらと読んでみたが、題名もいつものごとく、まがまがしくてなんとなく遠慮してしまった。はじめの10作くらいは一気に読んだが、当時は気力もあったし、検屍官という職業がものめずらしかったかも知れない。
横山 秀夫さんの「64」も評判がよくて面白そうだったが、文庫になるまで待ったほうがよさそうだった。
よく自分にご褒美などというが、自分にお年玉というので買いだめも悪くないかも、と何冊も手が出そうになったが、まぁ年の始めくらいは堅実に、借りたのを読んでしまってからにする、と。
ミステリ仕立ての短編集。作家という人はいつもこういうちょっとしたアイデアやヒントを膨らましているのだろうか。短編でも落ちがあって、形になっているのが面白い。テーマに味があって、短かくても出来上がっているのがいい。
* * *
老猿の改心
金庫破りをした老猿が、足音に驚いて隠れた金庫が閉まってしまった。その金庫がゆさぶられ、その行き着いた先には。
読後は、うふふ、なかなかいい。
遊園地の一齣
銀行強盗の上前をはねようと思った青年の話。これはまぁまぁかな。
クリーン・スタッフの憧憬
テレビ局の清掃員のバイトをしている結花は、出て行った父も戻り家庭は少し安定した。美術学校に行くために働いていたが、テレビ局の小物置き場で、高価な古伊万里のつぼを割ってしまう。そこで、、、
ちょっといい話。
紙ヒコーキの一齣
紙ヒコーキを取ろうとして子どもが4階のベランダから転落、幸いかすり傷ですんだが、5階に監禁されていた私はその紙ヒコーキを作って助けを求めたのだ、、落ちた子どもを助けようと駆けつけた警官に私も助けられた。
これは短いながら面白かった。
三十年後
若いころは、遊び仲間と贋金を作ったり、ビンゴゲームにはまった時期もあった、その頃キョーダイさんという名前の兄貴がいた、京大に在学中という遊び人だったが、上京して警視庁の警部になったという。
三十年後、そのキョーダイさんとカジノでめぐり合ったときなどは、まともには生きられず業務上横領で手配されていたのだった。警部になったキョーダイさんにみつかり、腕にかちりと手錠をかけられた。
これはすばらしく面白かった。
アリバイの一齣
お人よしのかっての同級生鈴木に、アリバイ工作をさせるつもりが、、、
アイデアが面白い。
青の告白
私は結婚寸前で心変わりした佐奈江を殺した、佐奈��の新しい交際相手が犯人になるようにたくみに細工をした。
その細工は稚拙だったが、面白い。
善意の一齣
赤いスポーツカーを盗んだ二人は、赤ん坊が乗っているのでびっくり仰天。お人よしの泥棒が捕まるまで。
花曇り
梅雨のある日、本因坊戦で勝ちを譲ってくれたN八段が亡くなった。その時のN八段のお陰で事故にあった妻の最後に間に合って言葉を交わすことが出来た。同乗していた娘は足が少し不自由になったが、結婚することになった。
N八段は、勝ちを譲ったあとは、勝負に見放されたのか寂しい生涯だった。
娘が嫁ぐ日になった。
しみじみとした余韻の漂ういい作品で、ひそかな隠し手まである。
誘拐の一齣
娘が誘拐された。部屋には刑事が張り込み、パソコンまで用意してきた。それで一億円の札のナンバーを控えている。
あとは犯人からの電話を待つばかり。
それで・・・・
アララ と笑って読めるオチが用意されている。
* * *
短編は読みやすい、出来のいい作品がそろっていて、新年にふさわしい充実した読後感が残った。
あまりひねりすぎではないし、ふさわしいと思えるテーマの多様さも一興で、力のある人だと思える。
文庫版は「花曇り」と改題。