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浅田は読みやすくて世界観に入りやすくて、それでいてどこかどうしようもない郷愁を抱く文章を書く人だとおもう。この作品が浅田の中でいちばんすきです。もう戻ってこないんだなあっていう虚無感とノスタルジックさ。
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浅田次郎が、京大の学生で、映画が好きだったのではと思わせてしまうほどに描写が素晴らしかった。
三谷幸喜ではなく三谷カオル君が主人公。
彼と付き合う大学の先輩の早苗。
そして大検合格から京大医学部に入学した清谷。そして死んでるのに映画から離れられない女優夕霞。
4人の織りなす物語は、昭和40年代の時代を物語るように、セピア色で甘く、もの悲しい話しになっている。
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物悲しさに満ちたいわゆる怪談話なんだけど、それだけに終わらないのが浅田次郎かな。
せつない恋物語。
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この人がホラーを書くのかこうなるのかって思った。素敵な言い回しはあいかわらずだけどホラーとしては怖くはないと思うw
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【2006.02.22.Wed】
昭和44年の京都を舞台に、かつての人々の娯楽を支えた映画がモノクロのまま、私たちの心に迫る。三谷薫が見たもの、感じたものは夢だったというのは簡単なことである。しかし、たとえ夢であってもそこに生きていた人々の心は確実に存在する。清家・早苗・そして夕霞。それぞれが何かに取り付かれたように走り抜けていった。これはただの恋愛小説なんかではない。人間の存在意義と本質とを探る、いわば哲学書だ。これは浅田次郎から読者に対する本の問題提起に過ぎない。数え切れない色の群れが氾濫するこの世の中で、私たちは見つめるべき対象を少しずつ見失っているのかもしれない。この本によって、浅田次郎は忘れられたモノクロの世界をプレゼントしてくれたのではないだろうか?
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浅田さんにしては珍しいホラー色で一杯のお話。一年前に徹夜して読んだので、内容はほとんど憶えてません笑。余談ですが、僕の父は装丁の舞妓を見るなり「怖い、怖い!」と縮みあがってました。
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読んでる最中、表紙のかえしに『写真・「祇園の姉妹」より』って書いてあるのに気付いてゾッとした。話中に、ほぼ女神化されて取り上げられている人物が、実在した人。フィクションだかノンフィクションだか分からなくなる。『僕』がまるで浅田次郎自身のようで、これは小説の体をしたエッセイなんじゃないのかと疑う。そのリアリティが、漠然としたホラーより、ひたりと寄り添ってくる寒々しさ。青春小説とは、呼べない。
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ビバ浅田次郎。
ビバ青春。
私が浅田氏に心酔したきっかけの一作。
このラストも切なすぎて泣ける。
繰り返して読みたくなる。
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賛否両論あるけれど、私はやっぱり好きだな〜この人の作る世界。
うまいよ、雰囲気作りが。
昭和10年代、カツドウ映画盛んなりし時代を生き生きと描き、
舞台となる昭和44年、京都の学園闘争を中心とする時代背景もしっかりと楽しませてくれる。
まるでこの小説自体がカツドウ映画のような作りに仕立てているのがおもしろい。
「シェラザード」しかり、「壬生義士伝」しかり、私の大好きな「蒼穹の昴」しかり、
時代の空気を運んでくれるのがうれしい。
決して深すぎず、人と人とのつながりに重きを置いているところもいい。
なんだか褒めすぎたけど、このラスト、「んなアホな。」的結末。
それが、映画という非現実性とマッチして良かったかも。
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『僕らの恋を、絵のように美しい一枚のスチールの中に、永遠に封じ込めてしまおうと思っていた。』
舞台が京都で、ゆっくりとした時間の流れがあった。幼稚園のころ、京都に住んでいた私としては、全然覚えてないながらにも、なんだか懐かしい会話のリズムと風景描写の流れに、少し安らぎを感じた。
物語としては、恋愛を軸にしたものになっているけれど、映画のことをかなり取り上げているので、大学で少し映画のことをかじってたしで、かなり、文化的に興味がわいたかんじだった。
でも、もしかしたら、浅田次郎の文章は私の趣味に合わないかも、と再認識。
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映画がテレビに変わろうとする昭和44年の京都が舞台。
学生運動で東大入試が中止になり、京大文学部に入った主人公。
言葉、雰囲気などで京都になじめず、映画館通いをしていたところ、京大医学部の学生と知り合う。
彼から撮影所でのバイトを紹介してもらい、エキストラのバイトをしたことがキッカケで、とある女優に出会う。
が、しかし、彼女は映画が活動と言われていた頃の人で、もう亡くなっていた。
医学部生の生い立ち。女優の生い立ち。映画の衰退。
なんだか寂しくなるような、そんな話。
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浅田次郎のノスタルジック幽霊小説。
日本の映画史に関するウンチクが非常に詳しく書かれていて、映画好きなら面白いと思う。
詳しくない人には、どこまで史実でどこから虚構かよくわからない。
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2009年7月16日読了@スタバの隣のサンドイッチ屋さん。
よくできた話だが、青春小説の若さとファンタジー性が今の私の状態では受け入れづらかった。
また、京都に行くのがちょっと怖くなった。
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浅田次郎さんの作品の中でも、
強く印象に残っている作品です。
現代版「牡丹灯籠」と言える悲恋のストーリー。
切なくなります。
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少し不思議で少し怖いけど、すごく惹きこまれる本。京都に住んでるから何か風景とか浮かんだりして。
清家くんは淳太くんのイメージあるけど、大智でも良いな。清家くんのあの入れ込み具合が大智に似ている(…)