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面白かった。
ちょっと笑える普通の青春物語。前歴から感じさせる浅さ(軽さ?)が、良い意味で特徴的。まぁ、こういう作品があっても良いかと思わせる。
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自伝的小説。コピーライターとしての新人時代、上京してきた時の話し、大学時代、仕事一筋人間が少し仕事ができるようになってきたときの話し、お見合い、30歳を間近に控えてと場面が変わって展開されていく。時代は変われど同じような経験をしてきた身(後2ヶ月で30歳・・・、お見合い除く)としては凄く共感が持てた。そういえばこんな時代あったなあと思いながらあっという間に読んでしまった。
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80年代に20代を送った男の話です。すごい印象的ってわけでもなかったのですが、つまらなくはないです。
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80年代、名古屋の田舎から上京し、東京で暮らす青年
田村久雄の青春グラフティ。
本書は18歳〜30歳目前までを断片的に綴った
6編の連作短編集だ。
連作短編なのに一話一話の繋がりが、繋げ方が、
もう上手すぎる。 奥田氏天才ですね。
先ず21歳の田村久雄からはじまる。
世間ではジョン・レノンが殺されたと騒いでいる時
「忙しくてそれどころじゃない」と言い放つ(笑)
彼は一応、駆け出しコピーライターなのだが、
社内でこきつかわれまくりの雑用社員だった。
若さには、強靭なパワーがあったなぁ〜!
と、思いながら読み進むと…
次いで18歳の上京、浪人生活。
そのまま19歳の大学生活に展開する。
因みに背景は…
18歳では、キャンディーズの解散コンサート。
19歳では、江川卓がプロ初登板を。
この遡り方は、実に上手い!!!
読者は大学生である久雄が、この後中退を余儀なくされ…
寝る間もないほど多忙な日々を送ることを知っているのだ。
ちょっと切なくなる19歳に思いを寄せていると…
次には、いきなり22歳になっている。
これがまた最高!
一年前の21歳、あんなにこき使われていた久雄が
部下を持ち、お山の大将気取り(笑)
自信過剰で、常に己の若さをマイナスと考えている。
早く25歳になりたいと気を病む、天狗くんだ。
読んでいて「おい、おい」って声出してしまった。
でも、よく分かる。
若くして仕事を任され、即戦力として過大評価を受ければ…
実力主義社会は、初心を忘れる世界だもん。ね。
ここでの背景、
オリンピック候補地争いが、またいい味をだしている。
その後、久雄は25歳に。
プロダクションは辞めており、独立。
フリーのライターを生業に、仕事も順調だ。
それなりに満足した人生を歩んでいる。
が、ここでは名古屋に住む久雄の母、母の友人、その娘…
と、女性の話に終始していた。
面白い。
名古屋人とは? 答えの全てが書いてあるわ(笑)
背景は、新日鉄釜石(ラグビー)が七連覇を達成し
角界では、北の湖が引退をした。
ラストは、29歳。二週間後に30歳の設定だ。
私はこの「バチェラー・パーティー」が一番好き。
背景で描かれるバブル期、ベルリンの壁崩壊…
久雄の仕事とも相まって、しんみりさせれられた。
友人の結婚前夜と、歴史的な大事件との絡め方が
絶妙でした。
ギリギリ同世代といえる私は、共鳴しっ放しだった。
本書の魅力は、何といっても時代背景。
主人公を取り巻く仲間や、仕事環境もそこそこ楽しめるが…
歴史には勝てなかった(笑)
こういった時代を色濃く扱った作品に出会うと
自分の人生も振り返ってしまいますね。
残念ながら、若い世代の方には…もしかしたら
好き嫌いが出てしまう作品かも。
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1959年生まれ、中部地方で育った青年が、東京に出てきてコピーライターになる話。最後に小説家になることを匂わせるあたり自叙伝的フィクションなのでしょう。
時代を前後させつつ、その時々の時世を色濃く反映させた連作短編集です。
「あの日、聴いた歌 1980/12/9」は、ジョンレノンが殺された日。既にお茶の水の大学を中退してコピーライターの駆け出しとして零細広告代理店でぼろ雑巾のように働いてた頃の話です。
「春本番 1978/4/4」は、キャンディーズが解散した日。大学受験に失敗し、東京で浪人生活を送るべく上京するも、寂しさのあまり最寄の駅名しかわからない郷里出身の友達に会いに行く話です。
「レモン 1979/6/2」は空白の一日を経て巨人に入団した江川の初登板の日。晴れて御茶ノ水にある大学生になり、同じ演劇部の女の子と恋をする話です。ホッピーってこの頃からあったのですね。
「名古屋オリンピック 1981/9/30」は、オリンピック開催確実といわれた名古屋がソウルに負けた日。零細広告代理店で一人前のコピーライターに成長し、部下を持つようになる話です。ダメな部下に足を引っ張られますが、自分が思い上がっていたことに気づきます。
「彼女のハイヒール 1985/1/15」は、新日鉄釜石が7連覇を達成し、松尾が引退した日、そして北の海が引退した日。母親の陰謀でお見合いをさせられたお互い結婚する気のない2人が、思わず惹かれ合う話です。
「バチュラ・パーティー 1989/11/10」は、ベルリンの壁が崩壊した日。バブル経済絶頂の最中、30歳を目前に、コピーライターとして一人立ちし、クライアントの地上げ屋に連れまわされる話です。
恋愛物の話が二つ(レモン、彼女のハイヒール)入っていますが、結構自分と等身大な感じでとてもよかった。(いずれも2人の気持ちが結ばれつつある時に終わるので、その後の話も気になりますが...)
ジェネレーションギャップはあるものの、懐かしい話も多く、ほんと面白かった。
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大学生活、就職〜社会人として忙しく駆け抜ける日々。毎日が新しくて失敗の連続。辛くても、楽しく充実していたあの頃。。。。すごく胸がきゅーとなるー。
(070914)
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2008年1月24日 読み終えました(・ω・)
読みやすくて一日で読み終わりました。
ふむふむ・・・
終わり方があんまり好きじゃなかったなぁ。
ジョン・レノンが殺されたときなんて、
まだ生まれてもなかったし、
時代の違いを感じましたが・・
楽しめました(´ω`)
読みやすかったです。
彼女のハイヒールの時の作者がうざい。笑
感情の移り変わりがよく書かれていると思いましたが、
洋子さん、あまりにもあからさますぎません?w
あそこまで正直な人って会ったことないかも(´ー`)
私的に一番好きだったのは"レモン"です。
甘酸っぱい感じで・・
いいですな〜(*´∇`*)
章によって時間が変わりますが、
日にちが書いてあってわかりやすかったです+゜
自伝だったなんて知らなくて読んでたんですが、
読み進めていくうちに[やっぱり]でしたね(^ω^)
誰にでもありそうな感じ・・
しかし私は作者みたいに親離れできないかもw
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いままで伊良部シリーズしか読んでなかったが、こんな小説も書いてるんだと驚いた。
80年代当時の自分の年齢では、共感が薄い描写が多かったけれど、年齢からくる普遍的なテーマにはどっぷり浸れた。
30手前のこの時期にこの作品に出会えてほんとによかった。
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こちらはテイストの違う著者の自叙伝的なものに色を加えてるんだと思う。これがでも良かった。万人ウケはしないと思うけど、同じ境遇(80年代を生き、名古屋から東京に出てきてる)の僕にとってぐっと来るものがあったのさ。
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昭和34年生まれの主人公が、18歳で名古屋から上京し、
大学中退後,広告代理店で忙しい日々を送りつつ30歳を迎えるまでの12年間を
ランダムに短編にしている。
孤独で不安な学生から、頼られるCMプランナーへと成長する過程を
その時代その時代の歌や出来事を織り交ぜながら書いている。
キャンディーズ後楽園球場で解散コンサート
ジョンレノン「イマジン」 そして射殺事件
江川卓のプロ初登板
ベルリンの壁崩壊
「ブラックレイン」と松田優作の急逝 などなど
松田優作には新宿のパブ(これって今でも使える名称?)で見かけたことが
あります。カウンターで、すぐ近くの席。亡くなる直前でした。
サインお願いすればよかったと悔やまれます。
この主人公こそが奥田氏本人に違いなく、
そして何を隠そう、このわたしも同い年。
だからわかるわ〜キーワードがいちいち懐かしくひっかっかてくるのです。
ついでにわたしにとってのその時代のキーワード
いっぱいあるけど一部紹介
オフコース チューリップ サザンオールスターズ
中島みゆき ユーミン 甲斐バンド 桑名正博
アースウィンド&ファイヤー グローバーワシントンJr
クインシージョーンズ ドゥービーブラザーズ
村上春樹「羊をめぐる冒険」 村上龍「コインロッカーベービーズ」
ジョン・アーヴィング アーウィンショー
サーファールック ハマトラ DCブランド ハウスマヌカン などなど
わかる人にはわかってもらえるよね。2005.9.5
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[2008/3/25]購入
80年代に青春真っ只中だった人には、さぞ楽しいのだろうと思った。自分とバブルの香りは残念ながら無縁に付き、★3つ。
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ジョン・レノンが凶弾に倒れた。キャンディーズの解散。江川卓の初登板。オリンピックがソウルに決まる。新日鉄がアメフトで7連覇を達成。ベルリンの壁崩壊。
これら1978年〜1989年までの歴史に残る時代背景と進む一人の男の話。主人公は久雄というコピーライター。彼が大学生であったところから30歳手前になるまでの話で、そこであった青春が描かれる。
奥田英朗は元々コピーライターなので恐らく自伝的小説なのだろうと思う。コピーライターなので文章も上手い。鋭い洞察力もある。レモンで人の優しさを描いてしまう。ハイヒールの高さで心情の変化を描写してしまう。「青春が終わり人生が始まる」という言葉をさらりと書いてしまうのは流石。
憧れます。
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わたしの生きている時代とは少し違って、わたしの知らないことがたくさんでてきたけどちゃんと理解できたしおもしろかった!名古屋のすごい言われようにむかっときました。笑 だけど考えてみたら、わたしは名古屋に近い所に住んでるけど名古屋じゃないなあ。ってことで、名古屋のことそんなに詳しくないです。ほんとにこの本に書かれているようなところなんだろうか…。コピーライターのお仕事についても知れたし、読んで良かった。
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80年代を駆け抜けた若者が大人になる様を描いた小説。恋愛や仕事など若者らしい悩みを丁寧に描き出す点はさすが奥田英朗。
良くも悪くもこの国にエネルギーが溢れていたバブル時代、この時代を最も多感な時期である若者として過ごすということは今後の人生観にどのような影響を与えるのだろうか。21世紀、まさに閉塞感の時代と言われている時代を若者として過ごす私からしてみればやや羨ましく感じられたり。
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周りに薦める人の多かった奥田作品初挑戦。
東京に出てきた田舎者という設定だけは統一されているが
時間軸を色々動かして短編小説的なストーリーが展開するためちょっとだけ個々のストーリーに物足りなさを覚える感もある。
個人的にストーリーの主人公が
名古屋から東京に出てきた浪人生〜社会に出て30歳を迎える時まで
という設定が自分とかぶって感じられるところが好きだった。
名古屋の閉鎖的、世間体を気にする、
独特な雰囲気を女性の結婚を通して描いていた章が個人的には笑えて好きだったかな。