紙の本
影響を受けたり与えたりするのが『人間』の世界
2010/06/17 23:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
引きこもりから脱却し、高校にも通い始める鎖々美さんだが、これまでの悠々自適な生活に変化が訪れ、社会と接することで初めて経験する諸々のこと、特に人付き合いの難しさを痛感することとなる。普通に暮らしている人には何でもないことでも鎖々美さんには驚異となる「影響」について描かれている。しかし、影響を受けたり迷惑がられたりするような、思い通りにいかない局面に負けて押し潰されるばかりではなく、逆に影響を与え、時に人を幸せにもすることを同時に示すのが作者の巧いところ。【第二部 ヤタノカガミ】で描かれた『友達』の件は、作中でつるぎが発したように『青臭い』のかもしれないが、人と人との実に素晴らしい関わり合いだった。迷惑を掛けたり掛けられたり、そして報いたり報われたりするのが友達関係の真髄なのであろう。しかし、ここで胸を熱くさせておきながら、【第一部 ホデリトホヲリ】を経て【第三部 ヨモツヘグリ】で鎖々美さんと月読神社、すなわち、この親子の「その後」を描いて暗澹たる思いを抱かせるのもまた作者の意地悪なところ。普段は正義として扱われることの多い「神々(のような力)を制御する人間」を敵に回す展開に秀逸なものを感じさせながら、しかし、どうしても相対しなければならない存在として出てきてしまうジレンマに何とも言えない憐憫を感じてしまう。言ってしまえば「跡を継がせたい親に拒否する子」なのだが、全く以て恣意的かつ独善的だった“一応のラスボス”に対して、僅かばかりでも親の情愛を見せつつ、鎖々美さんにも思うところのあった“真のラスボス”とのやり取りには胸の詰まるところがあった。特に双方の言い分が、双方の立場において正当なだけに辛い。皮肉にも『神々』に関する事柄がある程度見えてきたので、今後は鎖々美さんの言動とたまの存在が大きく関わってくるような気がする。
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今回も視点(地の文)の使い方が上手く、「おっ」って思う場面がありました。
そして、ささみさんとお兄ちゃんのお寿司屋さんの場面ににやにやがとまりませんでした。
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おにいちゃんに呆れているようでどっぷりナチュラルに甘えてるささみさんがかわうい。そしてかがみも人の子。良い友達(ただし口は悪い)になれそう。お兄ちゃんに関する伏線を張りつつ、まだ物語は続く。
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こういうの、すごく好き。気の置けない日常パートと、シリアスなパートが絶妙に噛み合い、流れていく。ラスト1行の「だけどお母さんは、わたしを死んでもゆるさない」が比喩でもなんでもなくそのままの意味だと分かり、感心のため息をついた。身震いしちゃう。
日本神話を知ってるとより楽しめる。邪神三姉妹は、長女つるぎ=アマテラス、次女かがみ=アマテラスの一部から作られた霊的兵器、三女たま=アマテラスが造った次世代神ってことだよなぁ。お兄ちゃんの役どころも気になる。ささみさんの母・呪々が「兄上」と呼んだってことは、ささみさんの伯父ってこと?ささみさんが目指す神話以前の混沌とした世界がどんなものになるか楽しみ。こんなに色々気になっちゃあ、次巻も読むしかないじゃないか。
左さんのイラストはいいなぁ。ささみさんは愛らしいしかがみの制服も可愛い。
「がんばらない」ささみさんは今日もがんばっているのです。
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お……、重いよこの話……。なんてコメントしたらいいか分からないくらいに。あぁ、でも、かがみの心意気には胸打たれましたね。
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シリアスモード。
でも、相変わらず神臣くんはヘンタイさんでした。
今回は、かがみちゃんが大活躍!
キャラクター、世界観にぐいぐいと着実に、引き込まれていっています……。
左さんのカラーページも充実していて、満足満足!
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“「かがみ」
わたしは、あらためて告げた。
「わたしの、友達になって」
暴れていたかがみが、停止する。
壊れたお人形のように。
あるいは、生まれたての、赤ん坊のように。
そんな彼女が愛しいと思う。
他人からの好意に慣れていなくって、回り道してそっぽを向いて、いつでも誤解されて、他人を拒絶してるみたいに見える彼女。
だけど、ほんとは寂しがりで、他人のために一生懸命で、不器用な——。
あなたが好き。
ううん、好きになれると思うの、もっともっと。 ”[P.174]
後半はおもたいシリアスな展開。
最後の一文がぐさりとくる。
かがみちゃんが可愛くて可愛くて。
お兄ちゃんも何か隠し事あるみたいで、楽しみ。
神社まではどうやって来たのやら。
“どこへ行けっていうの?
わかってる。たまには、わかってる。つるぎ姉は根の国に落とされた。かがみ姉はぼろぼろで動けない。だけど、たまだけは元気。元気なのが、たま。だから、たまは行かなくちゃ。怖いけど、涙はとまらないけど。
せめて、前へ歩いていくの。
もしも願いが叶うなら、神様、たまに——みんなの願いを叶えさせて。”[P.237]
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すっげーシリアスだったww
ってか神臣さん‼
『兄上』ってどゆことですか⁉
あなたの正体ってなんですか⁉
あまり期待せずに読んでたけど、思わぬあたりを引いてしまったかも^ ^
次も絶対読みます(^ー^)ノ
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次女かがみが超頑張った回である。おそらく、ペットのウサギが手に入って一念発起したのだろう。
ウサギの話などはなかなか凝っていて良かったが、ヤタノカガミにおけるかがみの暴言などは、もうちょっとフォローがあってもよかったとも思う。
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予想と反してシリアスな巻でした。第二部のささみさんとかがみがかわいいのなんの。あとがきで作者さんの言う「実験」にニヤリとしつつ、ライトノベルとして安定してるなーとういのが個人的な感想。読み進めていくうちにキャラに愛着もわいて、続き読むのが楽しみになってきました。勧めてくれた友達に感謝。
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最初のウォッチプロジェクトの意外な結末には引き込まれました! 上手い所だろうなと、思う。 一巻を読んでいないので、いつか読みたい。
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学校に通うようになったわけですが
まだ色々問題がでてきたり、あったり。
最初からすごい事になってます。
お使いをさせられているわけですが
買い物内容に罠が大量。
それでも購入してこよう、と頑張る彼女が素晴らしいw
とか思っていたら、次には恐るべき状態へ。
一部だけなのに、大きくなるにはでかくない!? と
突っ込みたい気持ちでいっぱいです。
そしてお友達が欲しい! と思ってみたり。
言われてみれば、確かに思い通りに出来る力があるので
作るだけなら、いくらだって作る事が。
それをやらない、という時点で
悟るものがあるのか、と。
そしてお母さん。
そういやお母さんって…という疑問は
わりとすぐに解消されます。
母親でいるべきか、巫女でいるべきか。
双方だ、と思っている時点で
何を言っても無駄かと。
しかし、気になるのは、兄、という一言。
一体どういう事なのでしょう?
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引きこもりだったささみさん。
ある日お兄ちゃんの部屋で見覚えないDVDを発見。
エロ系だと思ったものの、実は自分が納められていた。
が。
ささみ自体は全く覚えのない内容。
それもそのはず、自分の本体が行動していて。
本物だと思ってDVDを見てた自分が『肉腫』としてささみの分身だったのだから。
肉腫はつるぎにてうさぎの形を取り、かがみにより
『肉』と名付けられ飼われている。
高校一年もあと少しだが、かがみと友達として仲良くなり。
学校にも行き始める。
色々邪魔も入るがかがみはかがみなりに頑張った。
そして、ささみと本当の友達となる。
厳しくも優しく、カッコイイ母、『呪々』。
お兄ちゃんを『兄上』という母。
ささみが小さな時に死した母と一時の買い物を楽しみ。
満喫した時を過ごしたささみに『巫女になれ』と言う。
あの世からの蘇りで、ささみを巫女にしたくて。
ささみを探して、つるぎと、お兄ちゃんと、たま、が駆けつけて救出。
日常に戻ったささみ達。
個人的に たまの激白 が響いた。
母親は、母親なりに心配なんだろうな・・・
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今回はアニメでもそうだったけど、すごくおもしろかった。日本神話を取り入れつつ、日常描写を混ぜながら痛々しいほどの中二展開
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話運びがさすがの上手さ
日本神話材料の料理も手馴れている
内容そのものはライトノベルとして「わりと平均的」でありながら上質
というような感じなのと
キャラクタ描写にこびなくくせあるのが好みわかれるところだろうけれど巧み