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どうせ出すなら全部出せちくま!と言いたくなるけれど、とりあえず文庫はありがたい。チャペックの独特の語り口がいい。
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挿絵も雰囲気あり、ちょっと人を喰ったようなカレル・チャペックのとぼけ文章がいい具合で、楽しい本でした。
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故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1929年スペイン周遊の際に書かれた旅行記。ラテン、イスラム、ユダヤ、ジプシー、バスク、そして闘牛やフラメンコ…様々な民族や風物の混交する面白さ美しさに魅せられた心躍るエッセイ。
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スペインに興味が湧いていたので読んでみたが面白かった。カレル・チャペック。『ロボット』という言葉の考案者であることは何となく知っていたが、著書を読んだ事なかったので自分としては思いがけない発見だった。80年程前の旅行記だけど特に気にならず(現在のスペインもリーガ・エスパニョーラぐらいしか知りませんが…)街並み・人々の生活が詩的に表現されていてとてもいい。旅行でこれ程感動的になり美しく表現できるのはとても羨ましい。『アルハンブラ物語』もそうでしたがオリエント風の建築物に魅かれますね~。
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マチスのダンスにも似た、躍動感のある自由な線画が楽しい。靴みがきの恍惚のダンス、ろばにまたがった農民、格子窓のちっちゃな楽園、魔術的な装飾、闘牛、愛しあう男女、束縛されない率直な歌、フラメンコ、等等。
「世界が千もの違う顔を持ちどこへ行っても異なるという理由で、全世界を愛するということのほうが喜ばしい」
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「チャペックによる、君よ知るや南の国。 」
国際列車に揺られてやってきたスペインは、ヨーロッパらしからぬ風物にあふれた国。街角から庭、人、自然にいたるまで、見るもの聞くもの驚きに満ちたカレル・チャペック魅惑のスペイン紀行。
おもしろかったな。これ。
何がってカレルチャペックの視点からみたスペインが。
なんかもうね、南国なんだよね。
いや南国どころか、チャペックにいわせれば
「ピレネー山脈を越えたらもうアフリカ!」なんだって。
日本から見たらスペインはそりゃ西の果てにあって、
もちろんヨーロッパで、フラメンコと闘牛が有名な情熱の国で…って
お決まりのイメージなわけですが、
ここにはチャペツクの目を通して見た「あなたの知らないスペイン」がある。
飛行機に乗って西へ向かってひとっ飛びではなく、
チェコを後にドイツ、ベルギー、フランスと3つの国を南下しながら横断し、
目の前にそびえるピレネーを越えた先にある南の国、
その先の海の向こうにはアフリカの大地がひらけている、
というのがチャペックのスペインなわけです。
そこでは街にも人にも自然にも
ヨーロッパにアフリカ、ついでにイスラムが混沌としていて
ほかの何処とも違う空間が出来上がっている。
チャペックの目を通して、スペインという国の認識を「ヨーロッパの一国」から
「ヨーロッパとアフリカをまたぐ国」というように変えただけで
そこで語られるフラメンコや闘牛、
ベラスケスやエル・グレコといった名だたる画家たちさえも、
全く違うものに感じられてくる。
本書を読まれたなら、その後にぜひ世界地図を眺めてみて。
その証拠にイベリア半島そのものが、
もはやヨーロッパとアフリカの間に横たわる島のように見えてくるから。
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チャペックが1929年の秋にスペイン(行ってみたい!)を訪れた時の紀行です。島国の者としては、「国際急行列車」で行くというのが羨ましい! 気候風土も文化風俗も、違いを大いに楽しんでいますね。私の憧れの古都トレド、大好きなゴヤが熱く語られていて感動です。最後の章で、「相違のそれぞれは、愛する価値がある」「人生を何倍もゆたかにする」という主張に大賛成です。