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わたしは石持浅海信者です、たぶん。
この人の書く推理小説が好きで好きでたまらない。
人が、自分の果たすべき役割をしっかりと知っていて、根を下ろして生きている感じが好きです。
あとは、ひたすらに綺麗な理論と、余計なところのまったくない謎も。
設定がそのまま謎解きに生かされていて、推理小説として無駄がまったくないんですよ。
アイルランドの薔薇からずっと大好きです。
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面白かったです。楽しめました。地雷を題材にした連作っぽい短編6作品と処女短編1作品の計7作品です。
石持作品は推理を楽しむという大前提があるので話の流れで「これはちょっと?」とか考えないようにしています(笑)
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持作品の魅力は「論理」と「登場人物の性格の悪さ」にあると思うのだけど、今回のこれはどっちも中途半端。そもそも倫理観の薄い石持キャラに社会派っぽい話はそりが合わなすぎる。イイハナシダナーって落とそうとするには無理がある。
「暗い箱の中で」は(まだ)楽しめた方。
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話題になっていたから図書館。
非常に文章が読みやすく、あっという間に読めた。キャラもわかりやすいし。
推理モノとしてはとても軽い感じで、これで本格名乗っていいのか疑問はあるっちゃあるけど読んでいて楽しいのがいちばんだと思うので、これからこの作者は見つけたら読もうと思いました。セリフもわざとらしくなくていいのよね。
最後をのぞいてすべての短編がリンクしているんだけど、好き嫌いで言えば私は最初のサイモンが死ぬ話がいちばん好きだった、と思ったら作者も同じことを解説で言ってたので、やっぱ伝わるもんなんだなとおもしろかったです。
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短編でも読み応えがあって満足。やっぱり読ませる力を凄く感じさせてくれる作家さんでますますハマりました。
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語りつくされた表現だけれど、確かに作家のデビュー作にはその全てがつまっている。
と、感じさせてくれた一作。
対人地雷という変わったテーマにいどんだ連作集はどれも、身近にはない地雷というもの、それにまつわる政治や活動、人の思い、残酷さ、貧富、格差、技術、さまざまなものを内包しながら、石持流のさらりとドライな語り口でスマートに読ませる。
最後の後書きに丁寧に語られた、作者自身の地雷に対する真摯な態度にも感銘を受けた。
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「地雷」と「ミステリー」なんて相容れない。
そう読む前に思っていたのに、そんなことは全くなかった。
時代の移り変わりと共に、さまざまな登場人物の思いが描かれていて、何だかやりきれない気持ちにもなったが、非常に良かった。
あらすじで難しそうだと避けずに、読んでみて欲しいと思う。
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対人地雷を扱った短篇集+デビュー作。
除去する人、作る人、被害者と別の観点から話が作られていて、登場人物もリンクしているのが面白かった。
地雷について考えさせられた。
デビュー作は、なぜそこで殺さなければならなかったのか、と犯人を特定するための理由がうまいこと考えてある。
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「地雷」小説。
といっても「つまらない」という意味ではなく、文字通り「地雷」をテーマにした短編集。
戦争が終わり、埋没されたままの地雷。
危険を承知でなおそこに住まわざるを得ない人々。
一方日本では「防衛」を主とした地雷兵器の開発。
一つのテーマでも切り口でいろいろ楽しめるのは作者の力、というところでしょうか?なかなかの良作でした。
あともちろん「地雷」についての深刻な状況とかも勉強になりました・・・
最後に、作者のごく初期の短編がボーナスなんちゃら的に収録されていますが・・・徹底した「クローズドサークル」にこだわるのははじめっからなんですね・・・ww
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「地雷」という統一したテーマで、あらゆる視点から様々な事件が起き、バラエティに富んだ短編集でした。
「地雷」という武器はこうも陰湿なものかと考えさせられます。
仕掛けられた方だけでなく、仕掛ける方にとっても相手の顔が見えない武器だからこそ、こうも長く一般市民を苦しめているのでしょうか。
深いテーマですが、本格ミステリの枠から外れることなく、謎解きはロジカルで軽快な話ばかりでした。
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地雷撤去に携わる人たちの中で起こる殺人。
心情的に理解しかねる部分はあるものの、重いテーマを分かりやすく紹介してあり、薄いわりに内容が濃い。
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うーん。連作ミステリーで、主要登場人物が限られているものに共通した話なんですがね・・・どうして、そんなにその人たちの周りで殺人事件がいっぱい起きるのさ・・・って思ってしまうんですよね。なおかつ、対人地雷をテーマにしているので、それに関係した人たちが亡くなる訳で・・・そこのあたりの不自然さみたいなものがどうにも気になって。あと、恐らく作者は、対人地雷の非人道的であることやNGO団体の実態やその難しさみたいなものも同時に訴えようとしているのですが、ミステリーとそのテーマとの比重がうまくいってない気がします。というか、殺人をテーマにからめて無理矢理作り出している感がある・・・ので、動機とかが弱いというか、心理の裏づけが弱い・・・私はどっちかというと謎解きよか心理劇の方が好きな方なので、好みじゃなかったなあ。まあ、対人地雷がいかに非人道的かということや、NGO団体のよい面悪い面などを知ることができたのはよかったかなあ。
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2007年版本格ミステリベスト2位。連作短編集。処女作を除く6編が対人地雷に関するもの。さらに微妙に登場人物がかぶるという連作。この地雷に関しての短編をアンサンブルで何度か読んだ。そのときはちょっと読みにくい、と思ったけど、こうやって一気に読むと全然だった。しかしこれが最初の短編集だったとは。地雷に関して何も知らなかった私も、この短編でいろいろ考えさせられる。処女作を除き、全部面白かった。ボランティアをしている自分達がえらい、と思ってしまうってとこに共感。処女作はさすがにちょっと無理ある展開というか、もっとみんなパニックになれよな、と思う。同僚がいきなり殺されてんだからさ。
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対人地雷ミステリー全六編の短編集。処女作も最後に収録されている。
地雷を除去するNGO団体や、開発者側などの苦悩をミステリーの中に組み込んだ作品群である。
地雷除去活動をするうえで、殺人者を裁くことが果たして人類の貢献になるのか。人命救助の最前線での倫理観を、ぬくぬく過ごしている私たちにまざまざと見せつける一冊。
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石持氏の原点ともいえる地雷がテーマの短編集に加え、デビュー作まで読めるファンには嬉しい一冊です。
あとがきや解説にも書いてありましたが、会話が中心に話が展開する本格タッチの作風ながら、善悪の基準が曖昧であり、また犯人が常に逮捕されるわけでもないところなど、氏の個性が存分に出ていると思います。
本筋とは関係ありませんが、地雷をテーマにした背景が思っていたより平凡だったのか少し残念かも。