バックステージ・トラップ みんなのレビュー

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投稿者：smile　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　母の言いなりで何の疑問も抱かなかった世間知らずのお坊っちゃま・奏の心を、たった一目で奪ってしまった舞台俳優・高井戸蓮。生まれて初めて周囲に反旗をひるがえし、「高井戸さんみたいな舞台俳優になる！」とその場で宣言してしまった奏だったが、そんな彼をからかうかのように、高井戸は日本から姿を消し、俳優をやめ、アメリカで舞台演出家として活躍しはじめてしまう。
　数年後、家を出て役者として鳴かず飛ばずを繰り返していた奏の耳に、「高井戸蓮が、自作舞台をひっさげて日本にやってくる」というビッグニュースが入ってきて…？　俳優達の気楽な「騙し騙され」ラブアフェアだったはずが、いつの間にか本気で惹かれあい、抜き差しならないところまで来てしまった二人の決断は…。見た目どおりに「ミステリアスな美形」を装おう奏が、本当は子供みたいに純粋でまっすぐな気持ちを持て余す心理描写が切ない一冊。