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時間商人は不老不死を売る。
代償は当人のその後の人生の寿命を十年、もしくは莫大な金(稀に小額)。あと、別の誰かが二十年の寿命を提供することでも成立する。不老不死の間は怪我や病や老いと無縁でいられる。
今回の主軸は連続殺人事件。
数年前に二巻を読んでから久し振りに三巻を読みました。そしてこの作者が読み手を騙すことが巧い作家さんだということを忘れていたため、オムニバス形式の最初の話のラストで「あ、そうだった」と思わず呟いてしまった。その後は次は引っ掛からないぞ、と思いながら読み進めたものの、滑らかで癖のない文体にいつのまにか警戒心を解かれていました。
物語の最後にも「そっちもか!」と驚かされ、気持ちよく白旗です。質の良い手品を見せてもらったみたいな、わくわくがありました。
(★5にならない理由は、ネタバレした後に読み返す気が起きない点です。前の巻を読んだ時もおもしろい!と思ったものの、読み返すことはありませんでした。)