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風邪をひいたものの、もう眠れなくてつい手を伸ばした1冊。
ある一家四人が惨殺された。
なぜ彼らは殺されたのか。
全てが会話で成り立っており、インタビューを受ける側、そして虐待されていたらしい少女の、「お兄ちゃん」に向けての言葉と交互になっていた。
全てが会話っていうのはあまり私は好きではないのだけれど、この少女は一体誰なのか。それを考えながら読み進めて行ったので、あっという間に読み終えることができた気がする。
うーん、貫井さんワールド全開やね。
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田向夫婦を鏡として、人々の醜い姿を描き出したのは上手いと思う。
ただ、伝聞調で物語を進めるための都合のいいしゃべり方や学歴「格差」にこだわりすぎている点などが気になって、あまり面白いとはいえなかった。
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一日で、一気に読んだ。
タイトルどおり。
愚行を犯したある人物にインタビューする形でストーリーがすすみ、犯人に辿り着くミステリー。
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もうちょっと驚きがほしかったけど、逆に誰にでもわかりやすいミスリード・・こっちが勝手に勘違いしただけで、ミスリードなんてなかったのかもしれないけど・・まぁとにかく、そのせいで余計に貫井さんの丁寧な物語の運び方がよく伝わったと思う。冒頭の事件の記事が、合間に挟まれる「妹」の語り、一家惨殺事件、各々の証言、そして通り魔殺人。それぞれの関連性も、最後のまとめ方も、ちゃんとプロット通りに書かれているんだろうと思えるくらい、とても美しく片付いていた。そして相変わらずの人間というものの書き方。男も女も向上心や見栄や嫉妬でぐっちょぐちょ。しかもそれをあからさまに描くんではなく、本人は自分の本音に気付いてなかったり、でも他人は見透かしていたり・・人間を改めて文章にすると、こんなかんじだなって思える描き方だった。人間観察すごいしている人なんだと感じた。
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これは...ミステリと言うのかなぁ...(^ ^;
体裁としては、とある殺人事件の関係者に
ルポライターがインタビューしていて、
その「答え」が並んでいる形。
地の文が全くなく、全てが話し言葉。
しかも、インタビュー時の録音を
馬鹿丁寧に書き起こしたかのように、
「お茶をもう一杯いかがですか」的な
話の本筋と関係ない言葉が多く混じる。
何人もの「インタビュー結果」が並び、
合間合間にナゾの「妹から兄への独白」
が挿入されていて...かなり読み進んでも、
どういう話なのか、どこに落ち着くのか、
がまったく読めないという不思議な本(^ ^;
ルポライターが追っている事件は、
三十代の夫婦と子供二人が、自宅で
何者かに惨殺されるというもの。
どことなく世田谷の事件を思い出させる(- -
インタビューに答えているのは、
殺された奥さんの「ママ友」やら、
夫の会社の同僚、学生時代の友人など、
様々な立場の人たち。
殺されたのは、早稲田卒で一流企業に勤める夫と
美人で聡明なお嬢様だった妻と、
可愛く、かしこい兄と妹。
誰から見ても「絵に描いたように幸せな」一家。
インタビューに答える人たちも、基本的に
亡くなった方たちをほめている。
が、手放しでほめるだけではない人もいる。
曰く「気配りができるように見えるが、
実はしたたかで計算高いところがある」だの、
「優秀なビジネスマン」と見る人もいれば、
「自己中心的で非常な男」と見る人もいて、
正に毀誉褒貶入り乱れている感じ。
が、実在の人間評などは、こうなるのでは。
いい面ばかりの人もいないだろうし、
相手の受け取り方によっては、
「リーダーシップがある」のと「強引だ」は
表裏かも知れないし。
かなり後半になってきて、もしやこれは
こういう話なのだろうか...と朧気に見えてくる。
基本的には「こうかな」と思った通りだったが、
それでもまだ大きなカラクリが隠されていた。
最後の最後に「そう来たか」的な(^ ^;
前半「何の話をしているのやら」的な部分が長く、
こらえ性のない人は読了できないかも!?(^ ^;
「読書慣れしている人」にオススメです(^ ^
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異常だったのは誰?実際にインタビューを受けたら、あんな受け答えをしているんだろうか?人間、必ず一人には嫌われてるんだろうなぁ。一番最初のページに一番の伏線が書いてあったのには驚いた。) 愚行録 ★★★★☆ (09/06/08読了 異常だったのは誰?実際にインタビューを受けたら、あんな受け答えをしているんだろうか?人間、必ず一人には嫌われてるんだろうなぁ。一番最初のページに一番の伏線が書いてあったのには驚いた。
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タイトルの通り、人間の愚行をいくつも収録した小説。
ある一家殺人事件が発生。
ルポライターのインタビューに被害者の関係者が答える
多人称視点で物語は進む。
この形式は決して珍しいものではなく、
時系列も様々であるため、やはり読みにくさは否めないが、
読みにくくしている理由はやはり内容にある。
人間の愚かさをここまで記述している小説は珍しいからである。
自身の内実を詳らかにされている気がするから読みにくい。
他人を非難することの愚かさを痛感する内容。
但し、ミステリーとしての内容はまずまず。
人間の愚行との連鎖で、最後はたたみかけてくる。
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ある一家の殺人事件について、その家族に関係していた人たちに話を聞いていく話。結局のところ、犯人も、話の聞き手も、一番最後に分かるというはちょっと変わったアプローチかも。
でも、話の内容そのものがどうかというと、特にドキドキ・ワクワクやびっくりがあるような内容ではないかな。まぁ犯人は、あーその人だったんだ、という感じはしたけど。
とりあえず★3つかな。
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「慟哭」と同じような文体なので、違和感なく読めた。幸せを絵に描いたような家族が一家惨殺される。事件を取材する記者のインタビュー相手から、殺された夫婦の人間性が浮き彫りにされていく。その合間に挿入される、正体不明な少女時代から虐待されていた女性とその兄の会話。彼女が事件にどう関係するのか明らかにされないまま、話が進んでいく。最後に正体が明かされる構成で、なんとなく想像がつくような結末だった。
それよりも、帯についていた「格差社会の醜さ」というのに違和感を抱いたし、殺害された夫婦が慶応と早稲田出身の設定で、それぞれの描写がきつすぎるように感じたので、そこにも違和感を抱いて、これまでほど面白いとは思わなかった。
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犯人以上に、犯人の兄が意外だった。盲点を突かれたという印象を受けた。
犯人の動機は納得いかないが、読み終わった後、妙に切ない気持ちになった。
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エピローグに「育児放棄された3歳女児が衰弱死」の新聞記事。本編は一家惨殺の被害者家族の知人からのインタビュー。合間に挿入される幼児虐待被害者女性のモノローグ。
次第に明かになっていく被害者の愚行とどう繋がっていくというのか・・・
(2011/1/19)
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一番の感想は女って怖いなって思った。2番目の感想は、虐待された子供は自分の子供をやはり虐待するという矛盾。
自分が辛い目にあっているのだから、我が子には同じ思いをさせたくないと思うのが普通の人の感覚だと思うのだけど、まともな環境で育たないと、やはりまともな感情は生まれないのでしょうか。
この悲しい負の連鎖を止める手段がないことが悲しいです。
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ある3人家族がメッタ刺しにされ殺された。夫と妻の学生時代や社会人時代の知人、友人により彼らの素行や性格について供述されていくという展開で物語りは進んで行く。人への評価や感じ方はその人との利害関係、相性、感性が大きく左右する。
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うちの学校も【内部生・外部生】という言い方を、先生までもが当たり前のように使っていたことを思い出した。
筆者は早稲田卒なんですね。
面白かった。
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これはもう、まんま愚行の記録です。最後にヒネリがあるとはいえ、醜い人間どもの愚行を楽しめるかでしょう。個人的には好きだけど、これをテレビで紹介した「王様のブランチ」は勇気ありますぜ。