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本書は1つの事がまとめられたわけではなくPR誌「ちくま」への2年間の投稿作を集めた作品なのでひどい言い方をすればまとまりはない。また思想家とその考えの例、著者名とその代表作など人物+例が非常に多く時々わかるものがあったが、人物や実績を知らないがため内容が全く頭に入ってこないことが多かった。
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知のデフレからの脱却にむけて学問への情熱の補助線。
専門性と総合性のバランス。
全部をよんでぼんやりしたらつながるかなという印象、だけど、結局どういうことなんだろう?
C0200
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「何を好き好んで著者の愚痴に付き合わなければならないのか」、この一言に尽きます。
本書の半分以上は著者の愚痴で構成されていて、しかも要領を得ない。何が言いたいのかよくわかりません。
「世界のすべてを引き受ける」と言っていますが、イマイチ分からない。知のことを言っているのだと思いますが、それでも、「世界のすべてを引き受ける知がほしいんだ!」それだけしか言っていません。あとは日頃の不満をぶちまけているだけで、読んでいて辟易しました。
僕の評価はCにします。
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あらゆる分野での研究が日々進んでいて科学で説明できないことなんてないんじゃないかと思わせられる現代。
でも、いくら科学その他の学術研究が進歩したとはいえ、人間の思考や感情が完全に解明されたとは言えない。時間や空間や個人のバックボーンといった条件をどれだけ揃えても、一人ひとりの人間の感じることや思考の内容は同一にはならない。
これだけ科学で説明できることが多い世界で、説明のつかない人間の思考の曖昧さは、自明のものではなくむしろ驚くべきものだと茂木氏は言う。
そこから様々な思考的アプローチで人間の本質を説こうとし、しかし結局はどのアプローチをしても曖昧なところに着地する印象を受けた。
自分の理解力が著しく及んでいないこともあるが、氏はおそらく「あーでもないこーでもないと思考すること論ずることが人にとっての至上の贅沢」ということを本書を使って読者に示しているのではないだろうか。
気に入った箇所引用。
"哲学、思想、社会学、経済学、数学。あらゆる知のディシプリンにおいて、不用意に淫すると堕してしまう罠は至る所にある。ここで言う「罠」とは、つまり、世界の多様性を正しく見ることができなくなるということである。とりわけ、「普遍性」の概念を不用意に立ててしまつことの中に、人間を怠惰にするトラップが仕掛けられている。"
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個人的な話。
社会の法則を知るために、具体的な人間の行動を抽象度を上げることで一般化しようとしてきた自分にとって、抽象化・一般化された数式から人間を理解しようとする本書のアプローチは新鮮で面白く、それでも解明できない人の思考というものはやはりたまらなく魅力的だと感じた。
社会学的アプローチと数学的アプローチの違い、のようなイメージ。
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すこし重めのエッセイという感じ。脳科学者の茂木氏がこの世界を見つめる視点への補助線を示してくれる。
まえがきの中の文章が一つ印象に残った。
「大事なのは、「何が正しいか」ということではなく、「何がしたいか」という情熱のほうなのではないかと思うようになった。」
まさに今の日本では「何が正しいか」を表面的に追い求めるばかりで、じゃああなたは一体何がしたいのか、ということに対して明確に答えを出せない人が増えてきている気がする。
単に知識を増やせばこの世界を知った気になれるかも知れない、しかしその先が無い。そんな人生は気を抜けば一瞬でまっさかさまに落ち込んでしまう気がする。
とまあ、そういった感想がでてくるかどうかは知らないが、茂木さんの文章が好きならば読んでみてもよいだろう。
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分かりにくい婉曲表現や例えが多く、知識量がないと詰まってしまう。もっと短く説明できそうだがあえてしないのだろう。
著者のいうように文系理系の区別が有害かも知れない。全てを把握するのは無理だが、そういった括りとらわれず、広く知を求めないと結局は専門性もつかない。