紙の本
私もパラサイト中…
2001/03/16 16:54
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだまさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
パラサイト・シングルとは、小説「パラサイト・イヴ」をもじってつけられた名称で、適齢期になっても親元にとどまり、経済的な自立を果たさない若者達のことを指す。筆者は特に経済的な観点からその危険性に警鐘を鳴らしている。何が問題なのか?それは基礎的消費の現象と、少子化による労働力の低下による生活水準の緩やかな低下である。著者は若者を自立させる為に政策と企業慣行の変革による対策を主張している。
今の若者の生活水準が驚くほど高いということはちょっと街をふらつけばわかる。ヴィトンなどの高級ブランド店にもおばさま方よりむしろおねえさま方のほうが多くみられる。大学生である私も、親からの仕送りが無ければ明日から生活してゆくこともできない。親元から学校に通う子たちも、バイトなどをすれば月々に10万円近くを「贅沢消費」に費やせるだろう。贅沢消費はOLなどが最も高い割合を占めているそうだ。結婚し、世帯を持てば自由にできるお金は確実に減る。子供をもてば、向こう10何年は家に縛り付けられ、一人の子供を満足に育てるには数千万かかる。だから、親元でぬるま湯に浸りつつ世の春を愉しむ。だが、このこと自体は確実に社会をダメにする…。
著者は以上のような状況を様々な統計を引用して説明する。本書は私に、人間にとって何が「幸せ」か?という価値観の問題を思い起こさせた。自立が「幸せ」か、ぬるま湯的消費が「幸せ」か…。幸せとは、豊かさとは、「物質的」なものを保証されていなければならない。だが、逆に「物質」のみで豊かさが手に入れられるというわけでもない。何を求めているのか?私は。
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日本特有の現象として増え続ける、『親元に留まり続ける独身者』たち。彼らは満ち足りているがゆえに、状況を打破する欲求が少ないといいます。最近はニートも増え、更に絶望的な状況になっていると私は思います。考えさせられる一冊でした。
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ゼミの個人研究や卒論書く時に大変お世話になりました。でも研究とか関係無しに、非常に面白いと思います。
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卒論に関連するテーマなので読んでみました。今ゼミでやっている勉強とは全く違う切り口だけれど、自分としてはこういうアプローチの方が気になっている。
この本を読んで嬉しかったのは、男女両方の「パラサイト」について述べているところ。結構、晩婚化というと「女性の」を冠するものが多いから、こういうデータや考察は面白かったです。
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何を隠そう、パラサイトシングルという言葉を作ったのがこの本の著者なのです。この本は当時はかなり衝撃的だったんじゃないかな?ほんとおもしろいです。独身貴族とパラサイトシングルとの違いなんか、目から鱗もん。いちいち納得させられます。
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2008年上野ゼミ指定文献? 非婚化・家族・社会調査
山田さんは、こんな研究してて面白いのかな?パラサイト・シングルって本当に問題なの?世間を騒がせて自分の名と自分の研究を売り込んでる、つまり自分の生活のための研究なんかな?研究者ってよく分からん。パラサイト・シングルを読んでて、自分の身近にいる人がどうしても浮かんでしまって落ち込んでしまう私がいた。パラサイトできる親がいる人たちは羨ましいと純粋に思う。つっこみどころが満載なので、どのようにゼミで批判的検討が為されるのかすごく楽しみな本。
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社会学の授業で出てきたパラサイト・シングルという言葉が気になり読み始めました。
しかし、書かれたのが約10年前ということで、
今のパラサイト・シングルとは噛み合ない点がいくつかある。
問題は進行していっているのだなと改めて思い知らされました。
「将来、パラサイト・シングルはなくなる」
という見解があることが紹介されていた。
パラサイト・シングルが生まれた原因をたどっていけば確かに
裕福でなくなればパラサイトすることも出来ないので
いなくなるはずだ。
この不況でパラサイト・シングルが消える日も近いのだろうか…
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【目的】
【引用】
【感じたこと】
生活水準を下げたくない。
同居が晩婚を生む。
【学んだこと】
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データが古いからなんとも言えないのが残念だ。
パラサイトしてるから未婚が増えているのは違うと思う。
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パラサイトシングルの現況と、社会に与える影響をまとめた本。
もうだいぶ古い本なので、今はまた違う話があるのかもしれない。
少子化・不景気・晩婚化、全てをパラサイトシングルの増加に原因を求めているのはちょっと大げさだと思うけど、ある程度は賛成。
著者なりの対応策をちゃんと提示している姿勢は好きだけど、ちょっとコスト・ペネフィットを考えたら微妙なんじゃないかな。
なんでもかんでも、現金バラマキでは、長期スパンの解決にはならないと思う。
文章は読みやすいけどちょっと簡易すぎる感。
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パラサイト・シングルとは成人・就職しても親元に住み続ける人のこと。
この増加によって、生活の質が下がるため、晩婚化・結婚に踏み切れない人が増えるという。
僕は「なるほど」と思うのだが、友達は「そんなこと無いよ」と。
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同居する母親が家事一切を引き受けてくれるから仕事に専念できる。
一人暮らしのOLは疲れた感じが出てくるが、親と同居しているとお嬢様?
今の日本の青年期はあらゆる世代の中でもっとも豊かな世代。
今後、日本はどうなるのだろうか?
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[ 内容 ]
三〇歳を過ぎても親元に同居して、レジャー旅行にブランドものに、リッチな生活を謳歌する気ままな独身男女―パラサイト・シングル。
今の日本には、こんな連中が一〇〇〇万人もいる!
いったいなぜ、こうした人種があらわれ増殖したのか?
そして、自立と苦労を厭い現状維持を望む彼らがになう日本社会の未来像とは?
パラサイト・シングルの生態を分析することで、未婚化・少子化現象、さらには経済不況まで、今の日本が抱える数々の問題を、すっきり理解することができる。
精緻な社会調査をもとに、いつのまにか一大勢力となっているパラサイト・シングルの実態を探り、変わりゆく現代日本人の生活とその未来を鋭く洞察する。
[ 目次 ]
序章 パラサイト・シングルの時代
第1章 リッチなパラサイト・シングル
第2章 パラサイト・シングルと結婚問題
第3章 未婚化不況―パラサイト・シングルの経済的影響
第4章 依存主義の台頭―パラサイト・シングルの社会的影響
第5章 低成長化とポスト青年期の出現―諸外国と比較した日本の若者
第6章 パラサイト・シングルの形成―日本のポスト青年期
第7章 パラサイト・シングル社会の未来―依存主義からの決別を
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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パラサイトシングルとは、いわゆる親と同居している大人。いま日本では、フリーターでもパラサイトシングルであるがゆえ、親の稼ぎで生活し、自分で遊ぶお金を稼ぎ、お金のかかる趣味や持ち物を持ったりできる人が増えてるんだそうな。
にゃんこ。
へーと思ったのは、ラブホテルは日本独自の文化だというくだり。パラサイトシングルどうしが付き合うと、おたがい家に誰かしらいるわけで、気楽にセックスできない。だからわざわざお金を払ってまでラブホテルにいく文化ができたんにゃて。んで、アメリカのモーテルとかは日本ほどの偏ったイメージというか、セックスしにいく場所みたいなイメージはなくて、単に泊まる場所だからラブホじゃないんにゃて。
にゃんこ。
セックスするためにお金を払うかー笑
こゆ人たちが増えるとやっぱ、絶対に生きるために必要だからお金を使う、っていう場面を支える産業、いちばん基礎的な産業が衰退してしまうのが問題。不動産なり家電なり。それから、このぬるま湯状態の心地良さを
捨ててまで一人暮らししたり結婚して子育てしたりといった意欲が育てられないことも、長期的にみて国全体が衰退してってしまう要因になりうる。
なにが大事かって、親は子どもを甘やかすな!国は社会保障に依存して働かない人間を甘やかすな!
てことだにゃ!(T ^ T)
社会はみんなでつくるもん!ズルはだめだにゃ!
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パラサイトシングルが既得権であり、社会の閉塞感を生む原因とも捉えた結論には驚いた。喰うことに困らなくなったら、今度は皆に承認されたくなるという「承認欲求の肥大」についてが、なんだか胸に突き刺さった。
満足度6+