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不思議のメダイと呼ばれるメダイのこと、又は、奇跡のことを『パリのマリア』という表題で取り扱っているのが本書です。
1830年、見習修道女カトリーヌ・ラブレーの前に聖母マリアが三度姿を現したという。
聖母出現の奇跡は、上記のファティマのほかにルルドなど複数ありますが、
カトリーヌの教会では、この奇跡を2年後には、メダイにして売り出し、今もキリスト教の行事に使ったり、一般向けにも販売しているらしい。
不思議のメダイを身につけると聖母の保護が得られるという。
本書では、聖母出現を目撃したカトリーヌ・ラブレーのことや、グッズとして不思議のメダイが成功をおさめた考察を行っている。
共有する共同幻想とは、すなわち、宗教哲学にも通じるものであると私は思う。
その他、絶飮食で聖痕から血を流し続けたマルト・ロバンと修道院を起点にしてレジスタンス闘士を助けたイヴォンヌ=エメをとりあげている。
竹下さんの文章はいささか論文風であるが、神秘的現象に好奇心を鼓舞させるには十分な内容である。