紙の本
原作の雰囲気をそのままに、でもオリジナル
2008/05/17 22:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミックのノベライズ成否の基準が原作の雰囲気を壊さないことにあるならば、これはほとんど100点と言っても良いのではないだろうか。キャラクターに妙な色付けをすることもなく、それでいてただ文章にするだけではない深みが付け加えられているように思う。
超度7クラスと思われるエスパーによる予告テロ事件と、低超度エスパーの集団誘拐事件。冒頭で発生する2つの事件から1つの物語が紡がれていく。作品半ばくらいまでは、原作を忠実にカバーしようとする意識が強すぎて、文章に若干ぎこちなさが見えるような気もするが、後半に進むにつれ、原作のテイストを生かした著者自身の作品になっていく。
こうやって原作を外側から見ると、兵部少佐や蕾見管理官の老獪さが際立って見えてきますね。皆本二尉に彼らを超えることは出来るのか、なんて思ってしまいます。
投稿元:
レビューを見る
椎名先生の漫画のノベライズ、っていうのがいまいち想像できなかったんですが…。予想以上に面白かった。世界観が深いし丁寧過ぎるくらい丁寧に描写もしてあるので、原作読んでなくても読めるかと。あえて難点をあげるならギャグがちょっと物足りないかな、と思います。小説で椎名先生のギャグを再現するのはちょっと無理があるだろうし仕方無いのかも。でもそれを除いても買って損はない面白さです。原作のキャラがみんな満遍なく登場してるのに作者さんの愛を感じました(笑)ちさとちゃんや東野くん、ザ・ハウンドやコメリカのエスパーチームに澪ちゃんやマッスルさんまでよく詰め込めたなあというか…。その全てが意味のある登場で無理やり感がないのもまた凄い。
投稿元:
レビューを見る
原作マンガの雰囲気を、著者らしさを保ちながら小説として再現した、高度なレベルにあるノヴェライズ作品です。
投稿元:
レビューを見る
普段はこういうノベライズには手は出さないんだけど、どっかでいい評判聞いたのと、書き手の三雲岳人を知ってるのとで購入。
さすが経験のある作家さんだけあって、中々ハイレベルな感じになってます。原作キャラは相当多数出てるし、そのくせ破綻は目に付かないし(キャラのぶれも)、ミステリっぽさもあるストーリーは、長編でしかできないスケールでかいことをやってのけてるし。
これそのまんま映画とかに出来ますよ実際。
まあ、文章がぶつ切りな印象があって、それがちょい不満だったりするのですが。
あと原作を意識しすぎてノベル版から入る人には不親切かも。
でもでも、原作好きな人には普通に薦められるレベルです。
投稿元:
レビューを見る
08/08/08完読
漫画・アニメ・映画のノベライズ本には駄作が多い。
視覚化されているものを、無理矢理文章に落とし込んでいる作品が多いからだ。
キャラクター・世界観・ストーリーが固まっているだけに、創作がしずらいという一面もあるだろう。
だが、この作品は本当に面白かった。
キャラクターの特性を良く掴み、まるで原作者が書いたかのような、ストーリの巧みさ。
ノベライズが小説として独立している。
乙一×ジョジョに続く名作だと俺は思う。
投稿元:
レビューを見る
絶チルのノベライズ。
漫画原作のものを購入するのは初めてでした。
おもしろかったです。
ノベライズされたものってあたりはずれの差が激しいって言うか…。
漫画の世界観を壊すでなく、キャラクターが生き生きしてました。
スケールも大きかったですし、読み応えありでした!!
投稿元:
レビューを見る
ダブルフェイスの実戦活躍がなんだか新鮮。いろんなキャラが登場してびっくり!
三雲先生だからハズレは無いだろうと思ったら、ハズレどころか大当たりで大満足。
投稿元:
レビューを見る
絶対可憐チルドレンのノベライズ。
ずっと積読だったものを読了。
あとがきを読む限り、先生の原作提供でもないし、原作者の校正も銜えられていないようなのにこの完成度。
とても贅沢なノベライズ。
昔はノベライズといえば、漫画は学校に持っていけないからとりあえず朝読書の時間にキャラクターを愛でたくて読むものであって内容とかキャラの微妙に違いとかそのへんには目をつぶって楽しむものみたいな、そんな感じのものばかりだったけれど、いまのノベライズといえば舞城がやってみたり西尾維新がやってみたりで、もうトリビュートというかなんというか、そういうジャンルになっている気がする。
なんにせよ、原作が好きな側からしたら、公式でこういった作品に出会えるのはたいへんに嬉しい。
願わくば賢木先生にもうちょっと活躍の機会があればさらに幸せだった。賢木先生のスピンオフとか書いてほしい。知らないだけでもうすでにあるのかもしれないけど。