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立ち上がれ、我が兄弟
お前は一人ではない
そうだ、我らは一人ではない――
内容紹介です。
姫とともに文字を回収する旅も終わりが近づく。しかし世界の滅亡を望むレッドはバニストンに災厄の種をまき散らした。懐かしい街、恩ある人々の危機に必死に戦うアンガスに彼は言い残す。「オレを殺す覚悟が出来たら第七聖域まで来い」追い詰められていくアンガスは「希望」を捨ててしまうのか?そして〈俺〉という語り手によって紡がれたもう一つの物語が交錯する時――!多崎礼の手で緻密に織られた世界がここに完結する。
ついに最終巻です。
怒涛のような展開を見せるのですが・・・うーん。なんか、こう、すとんと腑に落ちないというか、なんというか。
物語自体はよく出来ていると思います(なんて偉そう)
でも、あの衝撃のデビュー作のような鳥肌が立つ感覚は皆無。
ふーん。あ、やっぱり?と云える展開でした。
ですが、最後の方にジョニーがアンガスに「こんな状況になってまで世界を救うつもりか」みたいなことを言うんです。
それに心の底から頷きました。
いい加減いろんなもの背負い過ぎなんですよ、アンガスは。
街の人々から「希望」と呼ばれ、けど心の中は嵐が吹き荒れ・・・って辛すぎる。
人は所詮人にしか過ぎないんですから「希望」なんて呼んじゃ駄目だろ。と突っ込んだりしました。
全体的にすっごく切ないいんですが、けれどとても優しい物語です。
誰かの為に、世界を守ろうとするその強さが、弱い私には眩しくて、そして腹立たしかったです。
この物語を通して、世界のあり様、といっては大袈裟ですが、なんかそういったものを考えました。
どうしても読んだ方がいい。とまでは言えない作品です。
けれど、時間があるのであれば読んでみてもいいと思います。
きっと、損はしないでしょう。
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うーん。やはり、最後まで人物描写に満足できなかった。単純に好きなキャラクターができなかったというだけかも。
煌夜祭と同じく、世界観の構築はすごい。だけど、心理描写の書き込みがいまいち。なんか、キャラクターが平面的に見える。
サブで挟まれるリベルタスとガブリエルの話の方がずっと魅力的だったので、それで一本切り離してじっくり書き込んでもらった方が好きだったかも。
アンガス勢の方は、アンガスが信頼を得る過程に説得力を感じなかった。
セラが話しはじめて、言葉遣いに興醒め。最後のツァドキエルや、レッドの話にも、よりによって理由はそれ?って感じでがっかりだった。
終始早口でスパスパ進んで行くのでだんだんあらすじを読んでる気分になってきてしまった。
頑張って最後まで読んだけど……。
たぶん作者とは好みが違うんだろう。
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面白かったけど、なんかこんがらがった。
いや、ずっとこんがらがってたのだけど。
やっぱりセラが嫌いだなぁ。物語は本当によく出来てると思う。
ラストも、なるほどと思うし、純粋に良かったなと思うけど、アンガスはちょっと背負いすぎかなとも思う。
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何を書いてもネタバレになりそうな、全4巻の最終巻。
読後感の一言だけ。
「あんがす! ああんがす!!」
それを呼びかけた人のことも、呼びかけられた人のこともせつなく思うのでした。
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ライトノベルの装幀だが、やっぱしっかりした世界観のあるファンタジーといっていいだろうな。この4巻でやっと大団円!?いや、ここに至るまでにたくさんの人が死んでいった。正直に言って、悲しみと痛みに満ちた物語かもしれないな。でも、実際の世界だって悲しみに満ちている。この物語のように、許しと歌によって希望が与えられればいいが。