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妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた―。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
不思議な話。
現実と非現実がうまく入り混じってる。
怖い雰囲気も出てる。
だけどイマイチ入り込めなかった。
なんでかわからないけど、サーカスを思い出す。
テントっていう閉塞的な空間での非現実的な世界と似てるからかも。
表紙はすごく素敵。
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何でも売っている不思議な市場『夜市』。
幼い頃、この夜市に迷い込んでしまった裕司は
弟と引き換えに『野球の才能』を買う。
その後、野球部のエースとして活躍していた裕司だが・・・
表題作『夜市』と『風の古道』の二編を収録。
どちらかというと『風の古道』の方が好きでした。
夏休みに友達のカズキと不思議な古道に迷い込む『私』。
神々や死者達が暮らす街から出るコトの叶わないレン。
いろんな不思議と驚きがあって
最後はホロリと悲しいお話しでした。
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美しく怖い夏の夜。
何かを買うまで出られない、異形の者の夜祭。
「かごめかごめ」を聞いてなぜか怖いと感じるような、日本昔ばなし的な怖さがありました。
「きつねのお面」「辻」「くちなしの花」とかそういう言葉が似合います。
「友人(いずみちゃん)を売って弟を買い戻すつもりか?」と、まんまと作者の思惑どおりに躍らされました。
さすがに「彼女を売って別の才能を買う」とまでは思いませんでしたが…。
直接的に恐ろしい言葉は使われていないのに、読んでいて怖さを感じる、という小説の醍醐味を味わえました。
しかもあまり人を選ばずにお勧めできる本だと思います。すごい!
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日本ホラー大賞受賞作です。どこからこんなこと思いつくの、と言いたくなるような不思議ワールドが一杯です。
恒川さんの作品は、この感覚がいつもあふれていて、読んでいるとふと今自分のいる所が分からなくなる錯覚に陥ります。
「風の古道」は、辛すぎて読むのが苦しくなるくらいでした。
少し間違うとあっちの世界へ行ってしまいそう・・・・。
恐ろしい作家さんです。でも、そこが魅力的なのかも。
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幻だよ。この年になると、過去の幻がまとわりつくようになってな。この剣で斬ってやろうと思っている。
この一節がとても好きです素敵です。
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異世界にまぎれこんでしまうお話2編。ホラーというよりは闇のファンタジーという感じで独得の空気感を味わいながら読み進める事ができた。なめらかにゾクッとする感覚。不思議な感触だったなあ。うん、面白かった☆
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収録作「風の古道」がお気に入り。
一度読んだなら、作品の舞台である異世界に病みつきにさせてしまう魅力が有る。
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うまいなあと思う。
ただ、著者が同年代だからか、おれだってこのくらいは…という気がしてしまうのは、負け犬の遠吠えに過ぎない。
平易な表現しか用いられていないにも関わらず、独特の美しく奥行きのある世界に引き込んでいく手法と綿密に練られたストーリー展開は、一読して抱く感想以上に、著者の並々ならぬ力量をあらわしている。
誰もが一度は夢想したに違いない、こことは違う世界へ入りこんでしまう者の話。
文庫として刊行されるにあたり書き下ろされた「風の古道」にも設定その他でリンクしている部分がある。
全くかなわない、というほどではないように感じてしまう自分の傲慢さが恐ろしい。
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ホラー大賞受賞と聞いて買ったんですが、予想外に良かったです。展開が面白い。
個人的には書きおろしの風の古道の方がお気に入りです。
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私たちが通常「ふつう」と見なしているここにある、何処かに通ずる、裂け目、一本の路地。そこに迷い込み(迷い込むにも、迷い込む者たる資格を要求される)、異界にて過ごす日々。予定調和的なものが全く感じられなかったわけではないのですが、それでもいかにもなんとなく異界に連れて行かれる感覚は、じゅうぶんに楽しみました。金魚のカヴァーが秀逸、わたしは金魚の意匠には、目がないのだ。
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「風の古道」読破。
文章が美しすぎて、その世界観と相まって透明な印象。
ものすごく憧れる、からこそ、帰って来られなくなりそうな恐ろしさがある。帰ってきたいわけでもないけれど。
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ホラー大賞受賞作ですが、果たしてコレは本当にホラーなのか。解説の方も言ってたよ。
でも、確かに怖さはある。しかし、その怖さは不気味な怖さではない。切なさの漂う怖さだ。それは、異界への郷愁と恐れ、その背中合わせが生み出す切なさ。異界幻想譚のファンタジーノベルだ。
まず、冒頭の一文でもっていかれた。完全に予感がした。「私はこの本が大好きになる」。
表題作「夜市」も良かったが、私は「風の古道」が好き。大樹の緑の匂いを纏った風を鼻先に感じるようだった。
両作品とも、けして温かな物語とは言い難い。しかし、この切なさが漂う読後感は、とても心地よい。淡々と静かに横たわるような作品だった。
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ホラーファンタジーというジャンルがある事をこの本に出会って初めて知った。
専らホラーが苦手の私は縁がないと思っていたが、発売直後に読んでいた友人のあまりの熱中ぶりに手にとる事となった。
これはリアルで不気味な、ファンタジーだ。
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胸に圧迫感のある作品です、まず何か買わなきゃ出られない、なんか怖いですよね。ですが続きが読みたくなります。また読みたいです。
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短編「秋の牢獄」のラストに魅了され、急ぎ、本屋で見つけてきたのがこの作品集。読む人に「かすかな恐怖」を覚えさせるストーリー。ラストにじんわり感じたのは「ほのかに明るい未来と希望」でした。