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文体の割には読みやすい!おもしろい!!
さくっと読める夢野久作。
姫草ユリ子にはあり得ない!!と思いつつも、
小さなユリ子、女の世界には割と普通にいたりする。
知人と重なってぞくりとした。
人間ってこわい。
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文章が軽やかで、目の前に状況が浮かぶ・・ってぐらい素晴らしい
文章の方。
内容は短編なので色々とありますが、
なかなかおもしろいですよ。
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瓶詰の地獄を読んだ後、ふらりと手にとって読んでみました。やっぱり幻想文学好きだなあ。そして文章が綺麗。どの短編も楽しかったんですが、表題作の少女地獄に惹きこまれました。危うい幼さを内包した狂気。
次はかのドグラ・マグラに挑戦してみたいです。
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「私の肉体は永遠に貴方のもの」
奇書・ドグラマグラの著者による短編集。
少女たちはユリのようでありながら、
毒々しさをもって迫ってきます。
乱歩以上にアンモラルな雰囲気を感じるゆめきゅう。
触れてはいけない世界に触れてみたいときに。
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中村うさぎの「女という病」「私という病」と同様の、女性の自意識を描いた作品。男性の身から見ると、女性の自意識とはこのように見えるのか・・・と、ある意味では勉強になりました。ここに書かれている女性たちの行動は病的で常軌を逸しているようにも見えますし、時代の影響というものも感じざるは得ませんが、現代の少女の誰にでも起こりうることだとも思います。夢野久作を読むのは初めてなのでなんともいえませんが、書簡を引用した文体が独特で、場面場面を区切る小説という世界では有効だなぁと思いました。
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「少女地獄」最後の「火星の女」はともかくとして、看護婦やバスの女車掌のどこが少女だよ! 立派な社会人じゃねーか! と思っていたが年齢の問題ではない模様。いわば少女性とでもいうべきか。夢見る少女が行くとこまで行っちゃったらこうなります。自他を破滅に導くほどの病理。
ほぼ全て書簡形式によって構成されているのが特徴。あまりにも長い手紙、それを書くほどの動機に駆られている登場人物の一人称なワケだから、そこに書いてあることも主観なわけで、どこまでが本当なのかという疑いは常につきまとう。こういうところは、「ドグラ・マグラ」に通じているような気がする。
だから「ドグラ・マグラ」を読もうかどうか迷っているなら、まずこの「少女地獄」の「何んでもない」だけでも読んでみるといいと思います。これがつまらなかったら「ドグラ・マグラ」はオススメできないです。
ただあと3編はそれほど良さを感じず。肺病で行き倒れてるピアニストだった男が、殺人容疑で逃亡中の外妾に出会って恋をする「童貞」は、もうちょっとで面白いとこにいきそうだったんだけど、そんなに盛り上がりませんでした。
「けむりを吐かぬ煙突」は猟奇的なミステリ。「女坑主」は炭坑を引き継いだ未亡人が男を誑かす話。これらは、フツウに話が進んでいって終わりっていう感じがどうしてもしました。
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何と言われようと、この人の作品が好きです。
「ドグラ・マグラ」、読まなきゃダメです。一生に一度は読んで欲しいです。
「女」を想像します。
無表情な人間を想像します。
笑い声が愛想笑いにしか聞こえないのです。
そんな、お人形劇のイメージを持ちながら、
残酷なまでの人間の醜さを魅せてくれます。
しびれます。
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一番初めに読んだ夢野久作。
少女が軽くトラウマになりそうな…。女ではなく、少女というところが良い。女性らしい怖さとは違う、少女らしい怖さ。
一番怖いのは瓶詰め。
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面白い。
うそをついて、さらにうそを重ね重ね……そうしか生きていけない百合子に、しかしながら悲哀を感じられず、ちっぽけな見得と狂気しか感じられないのが良い。
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すべての接触する人間に好意を抱かせる、天才看護婦、姫草ユリ子。ところが彼女は、病的な虚言癖を持っていた。ウソにウソを重ねてウソ地獄へと堕ちていく様を描いた「何でも無い」、夫に殺されるかもしれないと思いながらも愛してしまう、女車掌、友成トミ子の六つの手紙から成る「殺人リレー」、火星の女と呼ばれた女新聞記者の復讐劇「火星の女」の三つの書簡体小説から成る表題作『少女地獄』ほか、「童貞」「けむりを吐かぬ煙突」「女坑主」を収めた短編集。
夢野久作の怪奇・妖麗・夢幻の世界を思う存分味わえる。夢野久作の世界観に触れるなら、まずはこの一冊をおすすめしたい!
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やはり表題作が一番ではないかな。
「何んでも無い」が特に少女地獄なのではないか、少女性が色濃かった。
ユリ子の虚構の無間地獄はやっぱり甘美なものだなと思うのでわたしも巻き込まれてみたい。
「殺人リレー」はあれだけの分量で魔性の男っていうのか、それを描いてるのが吃驚。
書簡体だからこそ引き込まれる感覚っていうのですか、新鮮でした。
「火星の女」はリズミカルで素晴らしい、ぐっと読ませてくれますね。
でもとても悲しい、真っ直ぐな狂気っていうか。
残りの短編も三つとも素敵だったよ。
魔性の女ですとか男ですとかが、目眩がしそうに描かれているの。
あとね、カタカナ遣いがとっても独特の空気を生んでいるように思いました。
お気に入りです。
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あの子の様に嘘に塗れて生きてみたいと思った。
あの子の様に嘘に塗れて生きてみようと思った。
夢野久作が書く女の子は何故皆美しいのだらう。
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『なんでもない』の姫草百合子は理想の美少女像です。
嘘で塗り固められた彼女はラストでどうなったのでしょうか。
他短編も面白いし素敵です。
特に『童貞』が気に入ってます。読後にあんな虚無感に襲われたのは初めてだった。
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彼女を生かしたのは空想です。彼女を殺したのも空想です。ただそれだけです。(少女地獄)
「にんげんの音楽は皆似せものであった。……自分の音楽も似せものであった。……自分は要するに無用の存在であった。……自分は死んでも本当の音楽はこうして永遠日常に繰り返されて行くのだ。……ありがたいありがたい……なつかしいなつかしい……嬉しい……楽しい……」(童貞)
(表題/童貞/けむりを吐かぬ煙突/女坑主)
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文体が読みにくいため敬遠していたけれど、
一度読み始めたらおもしろいのなんの。
ひとつの嘘を隠すためまた別の嘘をつき、
そしてその嘘を隠すためまた別の嘘をつき…と
嘘を重ねて自分の虚栄の妄想世界に生きる
美少女・姫草ユリ子の話は怖いけれど哀れ。
しかし嘘っていうのは頭がよくないと
すぐに破綻してしまう。
相手に矛盾を感じ取られないよう、
きちんと自分のついた嘘を
細かいところまで覚えていないといけないから。
おばかさんには出来ない芸なのだわね。
あと個人的には、この本の中では
「殺人リレー」という短編が好み。
若い女子の思い込みによる突っ走りと
すぐに気が変わるようなところが
書簡形式でシュールに綴られていておもしろい。