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何年かぶりに太宰読んだけど、太宰ってこんなに文章荒かったかしら?
勢いという言い方もあるけど。
とにかく感想
女の子。年頃の女の子の気持ちが上手く書かれてるな、と思う。
理論とか辻褄とかなくて、ただ思うがまま行動する。考える。
好きだけど嫌い。
欲しいけど要らない。
知りたいけど知りたくない。
見たいけど見たくない。
聞きたいけど聞きたくない。
愛したいけど愛せない。
移り気。
不安。
正義感。
皮肉。
大人。
背伸び。
うーん、自分は今でもそうゆうとこあるなぁ。大人気ない。
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幸福は一生、来ない。
待って、待って、待ちきれなくて家を飛び出した次の夜にやってくる。一夜遅れて。
そんなことわかっているけれど、眠りに就く前に、明日の幸福を願わずにはいられない。
そういったいじらしさ、愚かさを、少女の成長の葛藤を交えて描いている。
心の成長というと、スポーツや青春ものが多くヒットするような気がするけれど、これも成長の一種だと私は思う。
むしろ、スポーツとも青春とも縁遠い中学高校時代を送った私からすれば、
こういった、誰も答えを教えてくれない、正しい道も、抜け出す術も教えてくれない、
ただ「大人になれば笑い話として懐かしむことができる、今はそういう時期なんだ」とだけしか助言を得られない壁を
よじ登ろうと躍起になって足をかける話こそ、思春期の成長を表現できているんじゃないか、と思ったりも。
少女の、正しくありたい、世間さまから「いいお嬢さん」と思われたい、という願望と、
それに伴わない自分の狡猾さへの嫌悪、女であるから知っている女の醜さへの嫌悪、
本能によって、自分だけを一生は愛せないこと、感情やら理性やらを貪りながら自分を見失ってしまうこと、の哀しさ、
子どもであった時の自分の純粋さと恥じるべきわがまま、
大人になっていく自分の、いろいろな知識を得て、思春期に振り回される感情。
それらをぜんぶごちゃごちゃにかき混ぜて、どろどろな少女の世界、思考を描いている。
それなのに文体はとても美しく感じてしまう。たとえるなら千代紙みたいな。
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友達にすすめられて読みました。
女性の独白形式による作品を集めた作品。
うまくレビューに残せるにはまだまだ自分自身若すぎる気がするし自分の言葉で表そうとすればするほど違ったものになってしまうきがする。
――おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京のどこにいるか、ごぞんじですか?もう、ふたたびお目にかかりません。
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太宰治で持っているのはこれだけなのだけれど、おもっている太宰作品イメージとは違う。他のを読まないのは、きっと太宰作品でこれが一番好きだろうと予感するから。せっかくなので他の作品も読んでみた方がいいだろうか…
ちなみに1997年は改版の発行年で持っているものも改版だけれども、初版は1954年発行。1939年に書かれた「皮膚と心」には”私だって、二十八のおばあちゃんですし”との記述がある。八十二の間違いでもおばちゃんの間違いでもないあたりが時代を感じる。
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情緒に訴えかける作品が多かった。
太宰といえば「文学」「絶望」「暗い」「取りあえず暗い」というイメージを抱きがち(?)だけど、それがガラリと変わる。
表題の「女生徒」は「私」が平凡な一日をこれでもかというくらいに説明していく内容だが、朝に目を覚ますときの気分から、夜眠るときの気分まで、それがもう半端なくリアル。つかみどころがないというか、感性で語るあの年頃の女子の本質をよく捉えているというか。思考の混乱具合や、とりとめのないような文章が本当に女性的。
「おさん」と「雪の夜の話」も良かった。「女生徒」とはまた違った年の女性が主人公の話でどちらもやっぱり女の書き方は跳び抜けている。
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高校生の時にこれに出会ったらどんなになっただろう。
思春期特有の思考のぐるぐる。
もう子どもではなくて、でも大人でもないから「おつきあい」や「それなり」というのができず、そんな半端な状態が汚ならしく感じてわざと無邪気にふるまってみせたり。自分以外を軽んじたかと思うと持ち上げて自分を卑下してみたり。
空や草や花で気分がコロリと変わるけどそれも長続きしない。
この苦しい感じ、なんで太宰治は少女だったこともないのにこんなに占い師みたいに見事言い当てるんだろう?
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「女生徒」は、ぞっとするくらいリアルの切り取りだ。実際の女学生の日記を基に書かれているから当たり前だと言われそうだが、切り取り方が実に見事である。明るさの中に陰鬱さがあって、暗さの中に希望があって、絶妙なバランスで生きてる感じがするのである。
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これは面白い。小さい頃、太宰の『走れメロス』を読んで文学が好きになり、大きくなって『人間失格』を読み返して太宰が嫌いになったが、この『女生徒』を読んで太宰の凄さを再認識。
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内容はどうということはないですが、太宰治はどうしてそんなに女子の気持ちがわかるんだ、という思いになります。
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太宰の人となりが伝わってくる本。
この人、けっこう正直だなと思う。
というか、なぜこうして自分を見つめることができるのに、なぜ小説で描いている状況になっている?、特に「おさん」っていう作品に描いた通り本当にそのままの状況になってしまった。
なんで回避しない?、残す家族は?
疑問が止まらなくなる。
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【引用メモ】
・いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。誰も教えて呉れないのだ。
・ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。
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太宰治は暗いみたいな、勝手な印象を持っていたけど、これは素晴らしい。すごい。瑞々しさをかんじるし、簡単な言葉で女生徒の日常が語られるだけでこんなにも風景が見えてくるなんてすごい。
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私が読んだ本は、同じISBNだけど表紙が違った。
鳥(?)の絵が描かれた箱と、左下に枝。
表題作「女生徒」他、「皮膚と心」「待つ」「貨幣」「饗応夫人」がなんとなく印象深かった。
女性視点の話し言葉だからか、短編だからか、全体的に読みやすくおもしろい。
「待つ」は工藤直子さんの詩「ねがいごと」に通ずるものがあると思う。「あいたくて あいたくて あいたくて あいたくて ・・・」わたげを飛ばすという詩。
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難しい年頃の女たちの、日々のもんもんとした思いを描いた短編集。
自分の気持ちとそっくりな彼女たちの内面に驚いてしまう。
でも私はすきじゃない。ぐちぐちしていて退屈。
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文章の書きたかに惹かれた。これが太宰なのか。
図書館で借りたものでまだ全部は読めてないが、また時間をかけてゆっくり読もうと思う。