紙の本
意外と実情に近いかも
2013/09/09 21:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
秀吉が実は悪いやつ。というスタンスで太閤立志伝を語る。でも、出世してからの秀吉の残虐な刑罰や、朝鮮出兵など、実は元から秀吉にあった性格だったと考えた方が自然。その点で意外とギャグではなく、秀吉の実情に近いのかも知れない。
投稿元:
レビューを見る
市が欲しいがためにここまでやる秀吉に狂気を感じます。
しかしそれ以上にねねが怖いです。
終わり方はまさに人の一生が終わるがごとく終わります。
最後の茶々の叫びに救われた気がしました。
投稿元:
レビューを見る
司馬史観と全然違う秀吉像。エロい!インパクトあり!この話を大河ドラマにしたらさぞかし面白いと思うんだが。(深夜枠になったりして!)
投稿元:
レビューを見る
これぞ人間。精一杯生きた。後半腹立たしくなかなかページをめくる手が動かなかったが死んでみると寂しくも思えた。
投稿元:
レビューを見る
いやいや、ものすごい小説であった。
物語を堪能した。
悪漢としての幅と深みが若き日よりも減ってしまって、作者の表現する通りの、「武装せる変質者」そのものになってしまった。分かりやすいが、薄っぺらい。
たしかに臨終の場面の愛妾松の丸殿への言葉などは実に(小説的に)素晴らしいが、その分月並みになった感はする。
でもこれは、山田風太郎の筆ではなく、史実の秀吉晩年の所業がこんなものだから、しょうがないだろう。
投稿元:
レビューを見る
山田風太郎 著「妖説太閤記(下)」を読みました。
秀吉は、信長を葬り去り、お市の方を引き取った勝家を倒し、ついに天下をとる。お市の方の忘れ形見ちゃちゃ姫と交わるべく、男女の秘技を見せつける。そして、肉欲・殺戮・侵略などあらん限りの欲望をさらけ出すのだった。日本人の憧れの存在の裏の姿を作者独自の歴史観で描いた作品。
上巻では、竹中半兵衛、黒田官兵衛の二人の軍師の力を借り、さまざまな知恵を振り絞って、目覚ましい出世を成し遂げていくなど、秀吉の明るく魅力的な部分がかなり描かれていたのに対し、下巻は、ついに天下を手に入れながらも欲望にとらわれてしまう悲しい運命の秀吉像が描かれています。
しかし、その下巻の方が、秀吉に対する作者の思いが強く表れているように感じました。
欲望にとらわれてしまう真の秀吉像を見ようとせず、秀吉の魅力的な部分だけに憧れを感じる日本人の姿と、太平洋戦争への愚かな道を信じて突き進んでいった日本人の姿を重ね合わせているような描写がこの下巻から特に読み取ることができました。
一人の人間の生き方を通して、人の持つ力の可能性と同時に人の欲望の愚かさを考えさせてくれる作品でした。
投稿元:
レビューを見る
再読。
とんでも忍術対決ものを期待していただけにちょいがっかり。
戦描写もなく淡々と秀吉の所業を書き連ねるだけ、特に「畜生塚」の章の延々と辞世の句と側女たちのプロフィールが続いたのには思わず斜め読み。
変な期待せずに歴史物として読めばよかったと後悔。
投稿元:
レビューを見る
2021年7月31日読了。信長の死後、三法師擁立・柴田勝家の征伐・家康とのにらみ合いを経て太閤となり、朝鮮征伐に向け挙兵する秀吉の野心とその衰えとは。風太郎太閤記の下巻、揺るがせない史実に沿って流れる物語に、秀吉に遺恨を持つ石川五右衛門が活動し、市姫をめぐる秀吉の情念があり、軍師として暗躍した官兵衛の退潮と秀吉自身の老化あり、とともかくめっぽう面白いストーリーで、ふかすホラのスケールも物々しく大きく大変おもしろく読んだ。山田風太郎氏の最高傑作にも数えられる作品ということに納得。読んでみると、晩年の秀吉の狂態は、暴走する市姫への思慕と女性へのコンプレックス、老いて後の嫡子鶴松・秀頼への妄執と人望のない自分への恐怖からきたもの、としか考えられないような気もしてくる…。関ケ原から大阪夏冬の陣と、お話はここから面白くなってくるのだが秀吉没を持って終わってしまうこの物語、もっと続きを読みたくなってしまう。