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『戦争』という分野ならば、たぶん天才なんだろう。
でも、それ以外のことはぜんぜん見えてない気もする。
軍人だから戦争ってもの以外からものごとを捉えることができなかったのかもしれないけど、やっぱり無計画かつ適当すぎ。
でも、コチコチの組織内にあってはすげー面白い人だったんだとも思う。
だいぶ宗教入ってるしな。
ただ、やっぱこれはないよ。
利害によらない世界平和のための最終戦争。
ありえねーって。
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戦術の進化を人類の進歩になぞらえて
「だから戦争は不可避」という結論に持っていくやりかたは
結果的に間違ってないとはいえ、やはり
論理のすりかえに他ならないと思うのですよ
それでも結構面白く読めてしまうのは
論の筋道が非常に「サブカル的」だからかもしれない
この時代に対するノスタルジーと、戦後民主主義の間にかわされた
「無理な結婚」こそが
現代あるサブカルチャー誕生の秘密であると
個人的にはそのようににらんでいるのですがね
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石原 莞爾の世界観を垣間見ることができる本。
石原 莞爾の考えが全てこの本に表されているとは思わないが、このような事を考えながら第二次世界大戦に進んでいったことを考えると不思議な感じがする。
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なぜ日本陸軍が満州を欲し、華北を欲し、東南アジアを欲したのかその始まりの理由がわかる。
彼らはトーナメントが存在すると思い込み、かつその参加権を日本が手にするべきだと思っていたのだ。
ひとつになった世界は科学による恐怖の支配が想定されている。
とんでもなく早い航空機が跋扈し、大量殺戮兵器が睥睨する世界であろうと。
それだけでは倫理も道徳も無い無機質な冷たい世界に感じる。
そんな世界に天皇による御心が加われば、
精神的にも科学技術的にも完成された世界統一が成し遂げられると思っていたのかもしれない。
石原にとって日本によるトーナメント制覇こそ理想の完成だった。
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当時の世界観を知る意味では興味深かった。宗教的な側面は強いものの、先見の明があった人物だったのだと思う。だからと言ってこの人の行なったことが正しい訳ではないのだが。果たして最終戦争の後に本当に争いがなくなるのだろうか。不思議な作品だった。
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言わずと知れた歴史的名著である.
著者は関東軍作戦主任参謀として満州事変を主導したことが知られる石原莞爾中将であるが,本書は,彼が第16師団長時代の昭和15年5月29日に京都市で行った「人類の前史終わらんとす」という講演を立命館大学教授の田中直吉氏が速記・整理した小冊子『世界最終戦論』と,この『世界最終戦論』に関する質疑回答として彼が予備役編入(昭和16年3月)後に執筆したとされる原稿の2部から構成されている.
したがって,前者の部分は口語調で,後者の部分は文語調で記されており,文章の印象は全く異なるものとなっていて面白い.
さて,本書の内容に関してであるが,彼が欧州戦史研究と日蓮信仰とを通して,独自の思想である世界最終戦争論を樹立したことは周知の事実であるが,読者は本書を通読すれば,この思想が当時,如何に異常な説得力を持って語られていたのかが即座に了解される筈である.
本書で示される彼の軍事史学的,または軍事工学的な洞察は,今日の視点からしても極めて非凡で驚嘆せざるを得ないし,こういった科学的問題と,日蓮信仰という宗教的問題とを結び付け,世界最終戦争という結論を導き出すその発想も,まさに天才的で驚くほかない.
さらに,このような書物が大東亜戦争開戦直前に著されたという歴史的な意義を考え合わせれば,本書の存在感というものは全く異様なのであり,石原莞爾という歴史上の人物について知りたいというような特定の読者に限らず,戦争や歴史といった,より幅広い問題について漠然と考えてみたいというような読者に対しても,一読を強く薦めたいと思う.
冒頭で述べたように,本書は歴史的名著の部類に入る文献であるので,今後も読まれ続け,また研究され続けられる筈である.なお,石原莞爾の著書としては同じ中公文庫より『戦争史大観』も発行されているのでこちらも併せて読まれたい(本文執筆時の私は未読である).
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日本の未来を見据えて、今を動かそうとする思考の勢いを強く感じられる。世界の情勢を深く分析し、日本国民性も隈無く考慮した戦略論。今の日本を考えるには、実はぴったりな作品なのかもしれない。
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歴史的名著であるといわれている本。
いろいろなところで戦略的な思想という意味合いで
紹介されている本。
石原莞爾氏は多分、その当時における天才であった
のだろうと思う。ただ所謂天才肌であり、その思考、
戦略、方向性は正しく、細くても最終的な成功に
向けた細い道は彼には見えていたのだろうが
その実現力や人を巻き込んで実現していく力が
乏しかったのではないか。でも個人的には好きな部類の
偉人かと
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奇才を極めた人の描く未来。最終戦争という考え方自体、核の登場とアメリカの一国覇権の今を見ると予言的という気がしなくもない。ただ、如何せん宗教的な赴きが入ってからややずれる。この1つのズレで全体が頓珍漢な預言書のようになってしまった。
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満州事変を主導しながらも東京裁判にかけられることなく、戦後まで生き延びた人。
というイメージだった石原莞爾。
どんな人かすごく気になってたので読んでみた。
うーん、うーーーん…。
天才…天才ではあるのだろうけど…。
確かに慧眼だ!と思う部分はたくさんあるんだけど、なんというか、机上の空論というか…。
人間の本性というか性質をガン無視してませんか。
軍という人間の本性がむき出しになる組織にいたはずなのに何故にそうなるんだ、と。
戦後の日本、世界の情勢を見てどう思ったのか聞いてみたいよね。
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満州事変を演出した石原莞爾による戦争論。東アジアとアメリカとが激突する最終戦争の後、世界は統一され戦争のない社会へ移行すると説く。
陸軍大学校出身のエリートという背景と自身が熱心な日蓮宗徒であったこととがあわさって形成された特異な戦争観で、ほとんどお伽話だし話半分くらいで聞いておけばいい内容ではある。
とはいえ、そういうものを熱心に聞いて議論した時代が半世紀ほど前にはあったという事実はおさえておいて損はない。
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1993年刊行。昭和15年の講演録とその質疑応答を文書化したもの。科学技術関連の著者ないし当時の知的限界は否定しないが、仏革命とナポレオンを考究したというわりには、ナポレオンのモスクワ敗戦に学ぶところが少ない。国土を利用した縦深陣の典型から学ぶべきことは、中国戦線のそれを考究するのに不可欠であったろう。また、第二次産業革命と述べるがその内実は全く不明。核分裂によるエネルギー革命を言うのであれば、やはり軍人の思考のそれを超えるものではない。また、経済力戦争の過小評価はどうしようもないレベルである。
特に、生物学(生物兵器関連)、電子工学(レーダー)、金を裏づけとしないで生産活動の持続的向上方策と限界(通貨学)、大量生産方式(生産工学、フォード式)は当時でも分析対象になりえたはず。もっとも、当時より30年(50~70年と一定の幅はあるが)後、つまり、1970~2010年くらいに世界最終戦争があり、その準備期間と見た点は、米ソ対立、ソ連崩壊、米中二極構造への亢進という現代の状況の予見にはなっているかのよう。他方で、日蓮宗など宗教を持ち出すという、まぁ、合理と不合理がない交ぜとなった一書である。
結局のところ、彼の考えと対立する、あるいは補完する論考が自由に発刊できなかった点が最大の悪徳であったように感じる。正直、この程度の見通しを立てられる経済人、学者は居たであろう。例えば、陸軍主導の総力戦研究所が出した日米戦争必敗論がその典型である。そのような自由な思考・論争の流通が、陸軍主導の政権運営・統制化の下でなし得なかった点が最大の悪徳であった印象が強い。かかる石原自身も指導部中枢からは排除されたのだから。
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日本の現代史において、「なぜ太平洋戦争のような明らかに負けが決まっている勝負に突入してしまったのか?」という意思決定の誤謬を問うことは、恐らく最も重要な論点の一つである。その論点を考える上で、関東軍参謀として満州国という理想を掲げて日中戦争を引き起こしながら、東南アジア・太平洋への戦線拡大には批判的であり軍部を左遷された天才的軍人、石原莞爾の思想を知ることも、また極めて重要であろう。
石原莞爾は日本の陸軍にとっては明らかに異端児であり、その思想の論理性や明確な絶対平和へのビジョンについては、驚愕せざるを得ない。そして、日本の左派はこれに対抗できる論理を、ロシアからの借り物であるマルクス・レーニン主義以外にどれだけ構築できたのかというとその点は恐らく全く構築できておらず、思想の強度が明らかに異なる点に、戦前から連なる左派のふがいなさすら感じてしまう、というのは言い過ぎだろうか。
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論じている内容は理解できますが、ほんとにこんな認識を基にこの人は戦線を拡大したのかと思うと、腹立たしくなりました。日蓮思想をいったいどう解釈したらこんな考えるに至るのか不可解でなりません。たぶん才能に溺れてまわりがみんな馬鹿に見えるタイプの人間です。
先の戦争を考える上では重要な資料です。
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石原莞爾 「 最終戦争論 」危険な本だと思う。
論理性は欠いているのに 「最終戦争が終われば 平和になる 」という 戦争プロパガンダ的メッセージが 宗教のように 頭に入ってくる。兵器の破壊力を低く見積もっていることも危険
アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、東アジアの4つの世界が破壊兵器による最終戦争を経て、1つの世界のみが勝利したときに平和が訪れるというもの