紙の本
まっすぐな愛情には応えなくてはいけないのか?
2006/11/28 01:33
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る
堂野に褒めてもらいたいためだけに絵を描き、ありがとうを言って欲しいために世話をやく。堂野のことを同じ部屋の芝は普通の男だという。喜多川は普通がどういうものか分からない。でも堂野は見返りなしに、頭をなでてくれる。何かをすればありがとうと言ってくれる。堂野は特別だ。
堂野は痴漢の冤罪で逮捕され、最高裁まで争ったため、実刑判決をうける。入れられた雑居房には喜多川、芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した男たちと一緒で、堂野は馴染むことができない。寒くても毛布一枚自由にすることができない、規則に固められた日々。慣れない生活に戸惑う堂野にたいして、19歳から9年間を刑務所で過ごしている喜多川は堂野を構いはいじめる。
恵まれていない少年時代を送り、そのまま刑務所へ入ってしまった喜多川は刑務所で初めて特別を見つけてしまう。一方、堂野はいままでごく普通の人生を送ってきた筈だった、なぜこんなことになってしまったのか。だがこれからは平穏に暮らして生きたい。喜多川を受け入れることはそこから、はみでてしまうのだ。
この著者の本をこの本ではじめて読んだが、暗い部分も明るい部分も全て、目の前に差し出される様な感じを受ける。
良くも悪くも人と人とが関わり合っていく上で、何もなかったことにはできないんだよと。物語はきれいな部分だけではないんだ。そして気がつくと、その隠しておきたい部分に引き込まれていた。
題名になっている『箱の中』は、刑務所の中での堂野と喜多川の話である。そして出所後の喜多川の話『脆弱な詐欺師』が書き下ろされている。またこの本の後編となる『檻の外』では、刑務所を出てからの堂野と喜多川の話が書かれている。
人生の中で特別を見つけてしまった喜多川は幸せなのだろうか。
電子書籍
感動作品です。
2015/08/31 00:21
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投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
喜多川の境遇は、涙なしでは、読めません。
そんな境遇で育ったにも関わらず、純粋な喜多川が、また、涙を誘います。
そして、堂野と出会うことにより、喜多川が、人間らしくなっていく過程が、微笑ましいです。
何と言っても、一途な喜多川の愛に、感動です!
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痴漢の冤罪で懲役を科されたサラリーマンと、服役中の殺人犯の箱の中での話。
色々いたたまれなくなってくるけれども好き。
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評価は5にしたいのはヤマヤマなんですが、どういうことでしょう?一冊中3行も言葉が1行単位で抜けてました。書下ろし「脆弱な詐欺師」P172、P225、P239です。蒼竜社さん、なんだか腹立たしいです。落丁ではなく、構成ミスですよね?それとも、私が買ったこの本だけがこんなことになっているのか?本屋で立ち読み確認したところ、私の持っている本は行単位で抜けてるのに売ってる本は抜けてませんでした。ショックだ!!
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おっおもっおもしろかっt…! もー全編かなしくて終始涙目…。サンマルクで読み始めたらホントとまらなかったー。おもしろい、って言葉にしちゃったらいけないくらい重い内容なんだけど、重いって言葉自体もこの小説の前には軽薄な気がする。自分じゃBL小説読まないので、ダ・ヴィンチに超感謝!
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いろんな方の感想などを参考に
購入した本。
刑務所内での話。正直、喜多川
の愛が怖かった。が、もう読ん
でしまったら最後、続編「檻の
外」は必ず読みたくなります!
というのか読まなければ意味が
ない!
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初めて読んだ木原さんの作品がこれでした。檻の外をなんで一緒に買わなかったのかと後悔する位のめり込んで読んでました。
ちょっとした気遣いや優しさが自分や相手にとって救いになったりする。
誰にでも有り得る事で喜多川にとってそれが堂野であっただけ。
箱の中という閉ざされた空間での擬似的な勘違いでない事が書下ろし「脆弱な詐欺師」でよく分かる。
芝さんの台詞で号泣でした。
たくさんの方に読んでもらいたい作品だと思います。
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この作品で、音瀬の世界にまた舞い戻ってしまいました。
こんなに泣きながら読んだBLは始めてでした。
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かなり有名らしい。
続きが気になって仕方がないタイプの私は箱の外が出てからセットで買った。
確かに私も好きだーーー(笑)
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冤罪で刑務所に入った男が主人公のお話。
とても面白かったです。続きが気になって、すぐに続編の『檻の外』を購入しました。
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「檻の外」と是非セットで読んで欲しい。BLとかどうとかジャンル分けするのが無意味に思える、大変良質な小説。
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初・木原音瀬。BLっていうより、同性愛入った純文学って感じ。話に厚みがあって、BL芥川賞に大いに納得。この重たさがいい。後半の脆弱な詐欺師なんかとてもよかった。続き期待。
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人が人を好きになるきっかけって、こんなもんだよな。と気付かされました。自分にとっては何気ないことで他人にとっては特別だと思えたら、それはどんな形にせよ恋なんだと思う。BLノベルで刑務所ものは結構読んだけど、何度も同じページを捲ったのはこれが初めてだ。
七青
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『箱の中』『檻の外』二冊で完結します。これがBL小説なの!?と、クオリティの高さにびっくりしました。堂野があくまで普通であるのに対し、喜多川の変人ぶり。妙な言動、強い執着、そして脆い感情。わたしは喜多川が大好きでした。喜多川の一生を見守れて、幸せでした。
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喜多川が子供みたいでいとおしいです。みたいでと言うか、実際中身は子供なんですよね。
堂野から与えられる様々な言葉や感情が少しづつ喜多川を変えゆく下りの喜多川の戸惑いや奇行がとても好きです。