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ささやくピアノ
イングリッシュホルンの嘆き
シンバルの鳴る夜
弦の切れる日
ハープの影は黄昏に
幻の鼓笛隊
6話からなる短編集。
短編集の表題は、短編の一つから取ることが多いようだが、
本作品は、作品群の構成から表題を命名しているようだ。
小説 すばるに1987年から1998年にかけて掲載したものを集めている。
どれも楽器を題材にしている。
ささやくピアノ は、亡くなったピアノの送り主が、自殺の因縁を込めて鳴らすように聞こえる恐怖話。
イングリッシュホルンの嘆き は、イングリッシュホルンの曲が好きな人の話。
シンバルの鳴る夜 は、シンバルを鳴らさないでという声から始まる。
弦の切れる日 は、チェロの弦で殺人が行われる。
ハープの影は黄昏に は、本作品州では唯一、幸せな話。
幻の鼓笛隊 は、しかえしをしようとした人たちを、亡くなった子供達の鼓笛隊がいさめる話。
恐怖小説と言えばそうかもしれないが、
人間性を表現したい部分もあるという赤川次郎らしい作品集。
音楽の話題が表題に入っている作品に、駄作がないという赤川次郎の見分け方を踏み外さない作品。