紙の本
芸術の捉え方
2001/09/06 19:52
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投稿者:たけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
画家、彫刻家などとして知られる「芸術は爆発」の岡本太郎氏の本。 この本で岡本氏は、意外にも(失礼!)非常に明解かつ論理的に、そしてやっぱり情熱的にいきいきと、芸術について語っています。その芸術をとりまく偏見や状況を、絵画史、日本の文化、そして日本の美術教育など非常に多方向から分析していて、その洞察力の鋭さはやはり常人のものではないなと感じます。
岡本氏は様々な言葉で芸術を定義していますが、誤解を恐れずに意訳すれば「万人に共通の根源的な生きる喜び、怖さなどの感動を突きつけられるもの」というようなことなのでしょう。
絵画だけに限らず、音楽、文学など表現の産物には、その裏に必ず表現者の感動があります。その表現の産物が「芸術」となるには、様々なくくり−「人種」「性別」「時代」「文化」などを超えて、その感動が見るもの聞くものを精神的に高揚させる(それが共感でも反感であったとしても)ものであることが必要条件だと私も納得しました。
様々なくくりを超えた感動、すなわち芸術に出会ったとき、私達は自分をとりまく「くくり」を突きつけられ、「くくり」について考えさせられ、そしてその「くくり」から解放されるチャンスを芸術からもらう。それは、つまり1生命体としての、1個人として自由になること。これが、岡本氏の言うところの芸術が「自分自身の人間形成、精神の確立」(岡本氏の言葉の引用)たるゆえんでしょう。
本質的なものに触れることの少ない、また触れなくても時を過ごせる現代にこそ芸術が必要である、と熱く語る岡本氏の言葉に身の引き締まる思いのする一冊です。
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芸術は爆発だ!
わたしが最初に見た岡本太郎の作品は大阪万博の「太陽の塔」だった。それ以来、爆発する彼の作品を見続けてきたが、文章がこんなに素晴らしいとは思わなかった。
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これ途中まで読んでなくしちゃった。これまで常識的だったことが違う見方できちゃう本だと思われます。つーか、みんな意外と偏った所しか見てないもんだよね。頭にがーんときました。全部読みたいのにー。
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包み隠さずストレートに表現する文章に、最初からグイグイと引きつけられる。岡本太郎の言葉が生き生きと躍動し、強烈な熱いエネルギーがたぎっている。色で表せば、真紅そのものだ。人間の、生身のカラダから吹き出す鮮血の色だ。私は、岡本太郎の赤が好きだ。前衛芸術の啓蒙書とも言えるこの本を、芸術に関心のない人にこそ読んでもらいたいと著者は言う。なぜなら、芸術は特権的なものではなく、人間の根源的な欲求であるからだ。また、芸術論のみにとどまらず、我々の土台はどうかと日本人の芸術観と照らして、日本文化についても言及している。岡本太郎の日本文化論は辛辣だが小気味よく、溜飲が下がる思いがする。自分の中で言葉にならなかったものが、スッキリと晴れて昇華されてゆく。包容力と爆発する自由感を、この人は惜しみなく与えてくれる。
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本当にもう岡本太郎さんはクリエーターの鑑だな……、と感傷に入る暇なく、自分も動かねば! と思わせる本。
「そんな人はさっさと筆を折り、画板を燃やし、絵画なんてやめるべきです」みたいな文があって、くらくらしました。大好き。
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「芸術とは何か」これを読んでから、現代美術とかあんまりわけのわからないそれがすんなりとわかるようになった。
岡本太郎氏が、単に周囲を驚かせるために芸術の爆発を謳っていたのではなく、そうあるべくしてあった、必然性を持っていた事も。
結構昔の本ではあるけれど、今読んでも芸術に対する問題提起は色褪せていないです。
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岡本太郎。晩年には芸術とはあまり関係のないTV番組などに露出しすぎて、その特異なキャラが先行してしまった部分もあるが、日本を代表するシュルレアリストであり、美術評論家である。数ある著作の中でもこの本は読みやすく、天才に触れる格好の入門書といえよう。
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「芸術はきれいであってはならない。芸術はここちよくあってはならない。芸術はうまくあってはいけない。」
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口語体だからちょっと読みづらかった。
けど言ってることは本当に真に迫っていて脳みそガツーン!て感じになる。個人的に「芸術は努力を感じさせちゃいけないって」ゆうのがすごく納得だった。
芸術を志す人は読んどいてまず損はないでしょう。
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尊敬する人は岡本太郎!!間違いなくこの人の言葉は最高です
迷ってたらまず読みます!自分の人生に絶対必要!
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買ったけど、もったいなくってゆっくり読んでる。読み終わった頃には、芸術家を志し、岡本太郎さんを好きになっていると思う・・・。
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太郎ワールドを感じたいときには読みたくなる1冊。革新とか若さとかそういったものが前面で、奥にはもっと違うものがひたひたと流れている感じ。
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この本が正式に書かれたのは50年以上も前になる。岡本太郎氏が独自の芸術観を主張する。芸術はきれいであってならない、うまくあってはならない。芸術と芸は正対しているものだ。新しいことは新しいと思った時点で古くなる。。。などなど、真新しい観点を説いている。個人的にはこういう痛快な本は大好きで、自分の考えと反していてもおもしろく読める。痛快に言えるというのは根拠があって、その根拠は膨大な情報量や経験から自ずと確立されている。芸術には関心がなかったですが、ちょっと開けたような気がする。絵でも描き始めようか。もちろん、誰よりも下手くそに。
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岡本太郎は奇人のように思われがちですが、実は芸術に対してまともな考えを持っています。「岡本太郎=爆発」のイメージを持っている人がこの本を読めば、彼の考え方の「まともさ」に驚くこと請け合いです。あたりまえすぎるほどまとも。だからこそ、この本は近現代の美術について知るうえで有用でしょう。
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読みやすいけど絶対まだ全てを呑みこめてない。
繰り返し線を引いて読みたい。
って純粋に思った本は初めてかも。