投稿元:
レビューを見る
女の子から大人に近づく荒野。
接触恐怖症も大分薄れ、男女の大人な関係にも理解を示そうとする。
同じ頃私は、自分の時間が全然足りないと思っていた気がするけど、もっともっと色々なことに目を向ける時間があったはずだと悔しく思う。
---
妹・鐘の誕生、そして父の文学賞受賞と、賑やかになった山野内家。荒野も、受賞パーティーや友人とクラブに出かけ、新たな世界を知る。だが、秋のある日、義母・蓉子が、妹を連れて家出してしまう。そして、荒野は守られていた子供の時分から決別することを心に誓う--。少女の成長物語『荒野』、いよいよ最終巻。
投稿元:
レビューを見る
帯に「奔放な母」とあるので、そういう展開なのかぁと思いきや
全然奔放でなく。
終わるともなく終わってしまい……帯がんばろうよ帯!
投稿元:
レビューを見る
荒野の成長物語もとうとう最終刊
薄い本をなるべくゆっくり読もうと思ったけどそんな抵抗も虚しく1日で読み終わってしまった
少女から大人になりつつある荒野の心の襞がとてもうまく描かれています
荒野と同じ思春期ではなく、私は今、この本を読めてよかったと思う
42歳の今だからこそわかる16歳のきらきらとした輝き
義母である蓉子さんの苛立ちや倦怠
ダメでいい加減で、でも憎めない父正慶
全てが愛おしくて胸がきゅんきゅんする
投稿元:
レビューを見る
友達にも荒野にも恋人ができて、体が大人のそれになって
成長は素敵なものだけれど、少し寂しいもののように感じた。
投稿元:
レビューを見る
16歳の荒野。
だんだん、
おとなの仕組みを掴みかけるとき。
そして、
今まで不思議だと思ってた部分が
自分の中にもあると気付いていく。
家族にも友達にも言えない感情を
共有する
荒野と悠也。
何気ないデートの場面や
夏祭りの場面は
なんだか
ぽわんぽわんしてしまいました。苦笑
こんな気持ちだったなあ。
まだまだ幼くて不安定なのに時間は進んでいくし。
大人は大人で
振り乱して現実と感情に抗ってみたり。
でも、
全3作を通して
やっぱり私は14歳の
可愛くない荒野がいちばん可愛いと思った。
いちばんドキドキした。
悠也、
やっぱりいい男だ。笑
投稿元:
レビューを見る
3冊分まとめて。
父、もう少ししっかりしてほしい。
荒野はどんな女になっていくだろうか。
投稿元:
レビューを見る
一樹節し・・・ 全開!!!
荒野が走る!!!
12歳14歳に比べやっぱり大人になっていく荒野。
悠也はすでに大人でも2人の恋は進展がない。
投稿元:
レビューを見る
しっかりしていく荒野とは反対に容子さんがゆらめいて、落ち着かない巻だった。
最後にはほっと落ち着くのだが、あの父親だからなぁ。がんばれ荒野。
荒野と悠也の恋は一波乱あるかと思っていたのがなかったので、少し物足りないかも。悠也は今後についてどう考えているのだろう。
けれど、少しずつデートがさまになっていく2人の様子は微笑ましくキュンとした。
大人になった荒野も、見てみたいものだ。
投稿元:
レビューを見る
一見頼りなくて揺れているように見えて、山野内家で最も安定していたのは荒野だった。
大人たちの泥沼恋愛劇をよそに、荒野と裕也の鉄板ぶりにはホッとした。
投稿元:
レビューを見る
完結巻。
小さな黒猫が、しなやかな強さを持った女になった。
読んでいる最中、女って、なんだか妖怪みたいだな…と、呆れてしまった。
私も女ですがね…。
でも最後のシーンまでたどり着いたら、それはそれで愛おしい存在かもしれないなという気になった。
こんなに複雑な存在がうじゃうじゃ生息している恐ろしい世界。
むしろその混沌を面白がれるくらいじゃなきゃいけないな。
投稿元:
レビューを見る
桜庭一樹さんの作品は毎回テイストがガラリと違う。「荒野」は思春期の成長と恋愛がテーマで、少女漫画にありがちな甘くて優しいテイスト。引き出し多い!!適確な表現と読み易い日本語で、漫画を読んでいるかのように情景もしっかり描けて安心してすっと入り込める。そしてしっかりまとまってる。さすが桜庭一樹さん。
投稿元:
レビューを見る
とうとう読み終わってしまった第三部。桜庭さんは変化を書くのが上手な作家さんなので、最後には荒野も変わっていってしまうのかと思ったけれど、いい意味で荒野は荒野のままだった。悠也とも別れず、容子さんも帰ってきて。荒野はこれからどうなるのだろうか、悠也と結婚するのだろうか、北鎌倉を出て行くのだろうか。でも荒野なら、最後まで荒野でいてくれる気がする。それは多くの少女が切望しても叶わない夢だけれど、荒野ならもしかしたら。
投稿元:
レビューを見る
嫌いな事も全て受け入れて。
三部作を通して一人の少女が女性になるまでの時間をずっと間近で見ているようだった。
子供から大人になる時は、こんな気持ちだったんだろうな…。
投稿元:
レビューを見る
3部作最終巻。少年は荒野を目指さず、女は家に帰り「おかえり」を言い、放蕩の父は赦される。
桜庭一樹にしちゃあまりに都合のいいエンディングじゃないかね。作家が自分の中に残る私の男の毒素を浄化するために書いた感じ。
投稿元:
レビューを見る
再読。荒野はずっと同じ人に恋をして、そのことに揺らぎがない。恋の相手の悠也は12歳のときは存在感のあるとがった少年だったのに、どんどん輪郭がぼんやりして、16歳ではフツーの男の子になってしまった。12歳から16歳までの少女の成長が細やかに描かれる。心情の揺れはもちろん、食べ物や洋服、髪型、買い物といった日常のささやかな身の回りの物の描写が荒野の造形を構成していておもしろい。少女のことを知りたかったら(思い出したかったら)この1冊(3冊)だ。