そのひたむきさに嫉妬したのかも
2007/06/16 06:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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正直、第一巻にあたる『孤狼と月』を読んだ時も、それ以降ここまで六冊読んだ時もそれほどひきつけられる物語とは思わなかった。出版されるたびに、図書館で借りるので前巻との間がありよくわからなくなったというのも一因だが…
この七巻目を読んで、ふと前のも読み返してみようかと思い、まとめて読んでみた。なかなか面白いかもしれない。
主人公の少女の成長物語なのだが、とにかくいろいろな成り立ちのいろいろな国がでてくる。いろいろな人が出てくる。それぞれの国、人の立場があり、思いがからむ。
その中で少女は悩みつつ、無謀なほど自分の思いのまま突き進んでいるようにみえる。彼女の行動によりいつの間にか変わっていく周囲の人々。「いつ自分の何が誰にふれていたのだろう」「誰も耳を貸さないで届いた手応えなど感じなかった」と彼女が戸惑うなか。
理想と現実の差に苦しみながら、なんとか自分の信じるものを模索し進んで行こうとする少女。そしてそれは、「人の間で人を横に繋げて行く」。
はじめは主人公にいまひとつ魅力を感じなかったのだが、この悩みようや必死さに対して自分にないものへの憧れを感じ、なんだかついていかなくてはという周囲のキャラクターの思いと同じように気にかかってしまったというところか。
一応完結を迎えたが、これからも続くようだ。少女の行くところに出現し気まぐれに手伝っていく青年や、こちらもなぜか少女の行く先に出現する謎の医師と助手コンビ。いろいろ謎の人物はいるが、特に彼らがこれからどうかかわっていくのか楽しみだ。
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「フェンネル大陸 偽王伝 終焉の詩」高里椎奈:講談社ノベルス
ここのところ読んだ本のまとめ書き、その3。
偽王伝シリーズのとりあえずの最終巻。
いよいよシスタスの皇王のおひざ元に潜入。
ロカとのぶつかり合いの中でシスタス軍を離れたアシュレイが
フェンとともにたどりつくラビッジ王国王女暗殺の真相。
毎回楽しみにしてきたシリーズの最終巻で残念だと思っていたら
ソルド、シスタスなどを舞台にしてきた話は…ということで安心。
ちょっと放置ネタ多すぎだしね。
まだこれからも読めるのは嬉しい限りです。
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全ての謎が明かされる。
失った物も亡くした人も戻っては来ないし、戦の傷痕は決して小さくない。
それでも確かな希望を感じさせるラストは秀逸!
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偽王伝シリーズ最終巻ー。ってさ、読む前から不吉な予感があったんですよね。何か伏線多くない?って。1巻の孤狼と月のエピローグは全然回収できなくない?って。そしたらそのはず。これはあくまで第1章完結ってことらしいですよ。大笑。違うシリーズがまた始まるらしいです。それはそれでうれしいですけど。なのでこのシリーズだけに限って言えば…大団円ってところでしょうか。シスタス側から見たローゼン暗殺の経緯は結構衝撃です。クレイノアファンはこれで増えたのでは…。ソルド王国、シスタス、ラベッジ、リース、コンフリーetc.全部が今後平和になっていくことを願いつつ。次のシリーズを心待ちにしておりますデスー!
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第一部完結全7巻。正直この手のファンタジーとしては物足りないかなぁ。なんというか、戦争の扱いが軽すぎる。国事についても、重役たち・・・というか関わってくる相手が総じて若いのが気になるし。確かに感情移入はしやすいかもだけど、普通国立ち行かなくないか?と思ってしまう。あと大事な描写が欠落しすぎで状況がうまく伝わってこない。舞台を大きくしすぎじゃないかなぁ。全体的に甘い展開ばかりなのに、妙に冷めた現実感をはさんでくる所もちょっと。一味違う感じにしたいのかもしれませんが、バランスが取れてません。イラストは可愛いんだけど、唯でさえキャラ年齢低いのに、いっそう幼くみえる。せめて二十歳越えしてるサチは!もう少し大人っぽくカッコよくお願いしたい。背の高い青年なのに、どうしても17歳くらいの可愛い少年にしか見えないんです。というか、これもストーリーでキャラクター達の年齢や体格についての描写が少なすぎるせいで、挿絵に頼らないとキャラクター像が掴みにくいからなんですが。。内容としては1巻が一番おもしろかった。あのくらいの規模のゴタゴタにフェンが手を貸して解決していく・・・くらいの展開が丁度良かったんじゃないかなぁと思います。うん、グチグチ言うのは1巻時点では設定的に面白そうだと、かなり期待していたからで。キャラクターも個々で見ていけば結構好きなのに。すごい勿体無い!一応2部が始まったら読んで見るつもりです。
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長かったけど、ここまでが第一章とは…。
とりあえず、「偽王伝」完結。
「王とは何か」を問いかけるのがこのシリーズのテーマかな。
フェンたちはいよいよ「偽王」としてシスタスの首都へ「皇王」に会うために向かう。
そして、ソルドには再びシスタス軍が侵攻し、その中にはアシュレイが敵軍の将として、ロカたちと相対していた。
神殿の奥で見た真実と、隠されていた思わぬ人物とは?そしてシスタスの侵攻の理由とは!?
色々な疑問は、思わぬ結果で明らかにされて、思わず「ええぇぇっ!?」と叫んでしまうヶ所多々…(主に後半部)。
もう少し、エリウッドの「闇」とかアーヴィングの忠誠のありかとかその強さとか、「前大司教」のこととか掘り下げて欲しかったな、と思う。
それでも新シリーズが楽しみ♪
サチの過去がらみっぽい単語も出たし。フェンも成長してるし。
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シリーズ最終巻!これにて終幕&はっぴーえんど!
結果的にフェンが旅立ってしまうのは寂しいけれど、今までに巻き込んだ人々も漏れなく描写し、舞台は大演壇を迎えます、と。
次から次へと出てくる意外な事実エトセトラ!次回シリーズも楽しみです。
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『終焉の詩 フェンネル大陸 偽王伝』
高里椎奈/著
強国シスタスがソルド王国を再び侵略―最悪の報せが偽王フェンベルクに齎された。小国に残る友を救うため、戦いと恐怖の連鎖を断ち切るため、彼女は全ての元凶シスタス皇王がいる地へ。
だが辿り着いた敵の中枢部で見たのは、強国が隠し続けた闇と思いもよらぬ人物だった!!
「フェンネル大陸偽王伝」シリーズ完結編。
「偽王伝」シリーズ完結です!
第1章の終了です。
『騎士の系譜』から繋がった西大陸編の集大成。
声を聞いて欲しい。
無理だと言って諦めないで。
私はリノが一番好きです。
この巻で、「俺に付いて来い」と言った彼に更にメロメロになりました。かっこよすぎ!
と、『雲の花嫁』の時のちびリノが可愛かったのと。
ロカとアシュレイの関係、というか、この二人、何だか似た者通しなような気がするのは私だけでしょうか…ねぇ。
一番謎な人物は、サチさんですかねぇ。
こういうキャラも好きだけど、私は。
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7巻目。偽王伝シリーズ完結編。
最後まで読んで久しぶりにこみ上げるものがありました。
中盤あたりからぐんぐんと惹きこまれる。
”皆、大事な人を大切にしたかったのに・・・”の一文は特に忘れられないです。
ハッピーエンド過ぎる気がしないでもないですが、私はこういうの好きです。
途中から人名が怪しくなってしまったので、絶対にもう一度読み直そうと思います。
まだサチについてはほとんどわからないし、フェンの旅は続くだろうし、続き、楽しみです。
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なぜこんな事になったのか…。
最終巻でその謎が解き明かされました。
が、思いも寄らない人物が出てきたりして
えええ?! という感じです。
それはありですか?! と聞きたいですw
かなり平和に終わるので、それがちょっと物足りない、かな?
なんの摩擦も書かれてないので、最後がちょっと変な感じでした。
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強国シスタスが再びソルド王国を襲撃。その報せを聞いたフェンはシスタス王の元へと走る。
「偽王伝」ついに完結!
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ついにシスタス中枢へ侵入!シリーズ完結編
読了日:2007.05.22
分 類:長編
ページ:326P
値 段:950円
発行日:2007年3月発行
出版社:講談社ノベルス
評 定:★★
●作品データ●
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主人公:フェンベルク
語り口:3人称
ジャンル:ファンタジー
対 象:ヤングアダルト向け
雰囲気:王道ファンタジー
結 末:まあハッピーエンド
イラスト:ミギー
ブックデザイン:熊谷 博人・釜津 典之
カバーデザイン:斉藤 昭 (Veia)
地図製作:白髭 徹
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---【100字紹介】----------------
強国シスタスがソルド王国を再び侵略へ。
小国連合を救うため、フェンベルクは
シスタス皇王のいる地へ足を踏み入れる。
だがたどり着いた敵の中枢部で思わぬ人物、
そして真相を知ることに…。高里流ファンタジー完結編
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フェンネル大陸シリーズの第7作。そして完結編です。と言っても、どうやらまだ次のステージへ続くようなのでご安心下さい(?)。最終ページちゃんと新シリーズ準備中の広告が載っていますので。
さて、シリーズもついに佳境だな、と思っていたらもう完結編なのですね。うーん、思ったより綺麗にまとまってしまったというか、そういう結末に落ち着いちゃったかーというか。比較的、平和裏に終わったかなと。終わったーというのは嬉しいですが、ちょっと物足りないと言うか。綺麗すぎるところが。ああ、でもそういうところが著者らしいなあと。優しい作家さんだと思うのですよ。ちょっと内向的過ぎる気もしますけど。描き方が女性作家らしく、好もしく思います。菜の花は、こういうのが好き。
色々な人が出てきて、色々なことをして駆け抜けて行きましたが、どこもまあ、きちんと着地出来ました。フェンだけが気になるところですけどね。これからどうするんでしょう、彼女は。その辺り、新シリーズに期待ですね。
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文章・描写 :★★+
展開・結末 :★★+
キャラクタ :★★+
独 自 性 :★★
読 後 感 :★★★
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菜の花の一押しキャラ…サチ
「普段よりは長く喋った方じゃないかな。何しろ主語がある」(サチ)
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ついにシスタスの大司教と対峙したフェン。ようやく彼の口から聞き出した皇王宣言の理由には、思いもよらない悲しい事実が含まれていた―――。
偽王伝完結です。
最後呆気ない気もしましたが、それぞれに戦う理由や重い過去があるということが分かって良い気もします。クレノイアの過去は悲しかったけどそれだけだったのに、アオイの真実を知った時は思わず号泣…。
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アシュレイの帰還、双貴の決意、7年前の真実と、目まぐるしいけど凄く丁寧に描かれていて、引き込まれる様に読んだ。
ラストの展開はちょっとご都合主義っぽかったけど、ハッピーエンドで胸に温かい気持ちがこみ上げてきた(泣)
……しっかし、フェンネル読んでてジョジョの名言が出てくるとはなあ(何)
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フェンネル大陸偽王伝完結。
リアルタイムで発売している時期から作品は知っていましたが、装丁がきれいだなと思いながらも手を付けられないでいたものでした。一巻二巻が文庫化したのを機にフェンの旅路を、古の世界を見てみることにしました。
この作家さんの作品は読んでいて面白い、と思えるのに、なぜか最初の一ページを開くのを躊躇ってしまうことがあります。薬屋シリーズのときもそうでした。それは多分、この人が書く世界が人々がすごく質量をもっているから、重く感じてしまうのだと思います。うまく言葉にはできませんが、そんな感じなのです。それでも、それまで読まなかったことを後悔してしまうほど、良いとも思えます。
勧善懲悪、善悪の線引きをするのではない、人々の色々なものとの葛藤、戦いが、ただ楽しませるだけのファンタジーではなく、この作品の魅力の一つなのだろうと思います。きっとこんな薄っぺらな言葉ではない魅力に満ちています。
真勇伝に引き継がれたフェンの旅路。私はまだ途中でありますが、ちゃんと最後まで見届けようと思う。