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気軽に読める小説は必要だと思う。この本もその類であり、無性に本を読みたくなった時の始まりにふさわしい作品だった。人生で1番大事なことの一つ、人間関係にまつわる縮図を見ていたようだ。人ってこんなに簡単に出会った人とその関係がなんだかんだ続くのかと思えば、長かった関係をあっさりと解消できるものなのかと認識させられた。気持ち次第とはいえ、何か大きな出来事が起こって、それを軸にしてようやく重い腰が上がって次の新しい事に進むのだなぁ、と自分のことのように作品を読んでいった。
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図書館で。
この本を読む前に読んでいたSFは読み終えるまで大分時間がかかったのですが、この本はするすると読んでしまいました。まぁ軽く読むのにちょうどいいかな、という本でした。
女ってのは男に甘いよなぁ。甘い、甘い、甘すぎる!と思うものの欽ちゃんという男はだらしないとは言え、他の女に二股三股をかけていることを気づかせず(気づかないような女を選んでいるとも言える)、女にたかって生活している訳でもなく、ちゃんと自立して暮らしているんだからまぁそういう意味では(お互い好き勝手やってる分には)丁度いい関係なのかもしれない。アレ?自分も評価が甘いような気がするぞ(笑)。
とは言えトモダチならそれでいいけれども、男女の仲だとそう簡単にはいかないのかもしれない。難しい。でも確かに、害にも薬にもならない男性って稀有な存在かもしれないので、だから重宝されるのかなぁ。そんなことを考えながら読み終えました。
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「均ちゃんはイラストレーターで、ガールフレンドが何人かいて、ふらふら失踪する癖があって、ともかくろくでもない男。その均ちゃんが失踪中に空き巣が入った。そして、三人の女が関係者として呼ばれた。均ちゃんの行方は?三人の女たちの恋の行方は?『FUTON』『イトウの恋』の中島京子が描く最新連作短編集。」
「この本を読み終えた時、胸がスカッとした。このスカッは決して男の人にはわかるまいと思ったら更にスカッとした。ダメ男が不在の数か月間に、女達は自分を見つめなおし、新たなる生き方の答えを見つける。ひとりぼっちになったかわいそうな均ちゃんに、女の恋をなめんなよ!と、私は四人目の女みたいに捨て台詞を吐いた。」
(『小泉今日子書評集』の紹介より)