紙の本
頑張れ14歳!!
2010/09/09 23:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タール - この投稿者のレビュー一覧を見る
原作も映画も面白かった「ちょんまげぷりん」。その続編を今この時期に(「絶賛公開中」の帯付きで)出版するというのはいかがなものかと一瞬躊躇するも結局買ってしまったのだが、前作同様のスピード感躍動感衰え知らず、一気に読まされた。
6歳の時に江戸時代からタイムスリップしてやってきた木島安兵衛と出会った友也が、8年後、今度は自分が江戸時代へ飛んでしまうというお話だ。
14歳の友也はその頃、母親であるひろ子とはケンカばかり、かつて安兵衛から教わった剣道も、ひろ子に残念がられながらもやめてしまっていた。塾をさぼってコンビニで万引きをしたあと、帰るに帰れず深夜徘徊をしていた時に起きたタイムスリップで、友也は「これでひろ子に怒られるのを当分先延ばしにできる」と安心する。このあたりの緊張感のなさ、厳しい事柄から本能的に目をそらすさまはまさに中学生だなと、同じ中学生の息子を持つ私としても、やれやれと感じた場面だ。
見知らぬ世界にきてしまっても「それほど深刻に」受け止めずに済んだのは、21世紀に来てしまった安兵衛が結局元の時代に帰れたことを知っていたせいと、「また安兵衛に会える」と期待したせいだった。ところが探しても訊ねても、安兵衛はおろか、21世紀にちゃんと残っていたはずの「時翔庵」すら見つからない。うろうろしている間にも、服装と茶髪が見咎められ石を投げられ追いかけられる羽目になる――。
このあと、妙に落ち着いた子供・麟太郎、麟太郎のいとこのせんと行動を共にして安兵衛を探すことになる友也。せんの手引きで歌舞伎役者・市川海老蔵と出会い、歌舞伎役者として一躍脚光を浴びる場面に、安兵衛がかつて「時の人」としてもてはやされた時よりもずっとスカっとしたのは、友也のスター性のせいだろうか。それとも頑張る中学生・友也へのエールだったろうか。「毎日をだらだら過ごしていた」友也が他に選択の余地なく与えられた仕事に真剣に取り組む様子にも、いい経験ができているなあと、つい親の目線でみてしまった私はきっと、すっかりひろ子の視点になっていたのだろう。
囚われの身だった安兵衛を救い出し、一度は頓挫した阜凛(プリン)作りに挑む友也、麟太郎、せん、そして瓦版屋のやえ。期限は10日。大団円に向けてますますスピードアップしていくラストにワクワクする。
テレビで発言を求められていたおかげで21世紀の教育問題についても詳しい安兵衛が、友也の「何もかもがつまらない気分だった」という告白を聞き、「近頃むしょうにまた学問がしとうなって参ってな」と告白する場面がいい。
「あの頃(中学生の頃)もっと勉強しておけばよかった」と、ほとんどの大人はそう思っているのではないか。ほとんどの親が、中学生の我が子に対して「今勉強しなくていつするの」と言いたくてたまらない、もしくは口角泡を飛ばしているのではないか。このセリフを安兵衛の口から言わせているだけでも、この本の価値があるような気がしてしまうのは、私自身が悩める母だからでしょうか。
こうして書くといいところばかり並ぶけど、前作が良かったせいか、映画の影響を感じるせいか、とってつけた感に時々ひっかかりはした。タイムスリップの場面や、のちの著名人がやたら大勢絡むとか、恋愛話とか。2は必要だったのか?という最初の疑問も断ち切れない。
それでもここまで続けたからにはいっそもっと続けてほしい気もしてしまう。前作を読んだ時から頭に映像が浮かんでいたエンタ色濃いこの作品。いっそドラマにしてほしい……かも、です。
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発売直後のレビューほどひどくはないと思ったけど、やっぱり軽いかな。
でもとてもその軽さが、盛夏のスポーツドリンクのようにするすると入る。楽しい。いいエンターテインメントなのでは。
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続編で、色んなことが明らかになったり。
シンプルに何が大切か、とかが伝わってくるので、
やっぱり読みやすい。
それにしても、やすべーさんストイックすぎ。
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「拙者の心は侍のままでござる。町人になったのも、菓子作りこそ拙者にとっての侍の道と考えてのことでござるからな」
待ってましたー!!!
ちょんまげぷりん、まさかの2!!
嬉し過ぎるーー!!!
荒木さーーん!!作品ありがとうございますーー!!!!
今回は、まさかの逆タイムスリップ!
驚きました。
あの可愛かった友也がなんだか擦れた子になっちゃってて。
でも、わかるんだ、擦れた子になっちゃうの。
そういうわかるわかる、と。
おぉなるほど!!が混ざりあって、もうすっごく笑って泣いて、切なくて。
最高でした☆
カラメルのような苦みを残して絶妙なラストシーン。
あぁ、続き、、また欲しいです!!
【8/5読了・初読・個人蔵書】
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続編。読み始めた時はどんな展開になるのかと思った。
最後はちょっと切なかった。
でも、なるほど。タイムトンネルが出来るのはそういう理由なのか。
読みやすくて、一気に読めて、おもしろかった。
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うん、続編って感じ(笑)今度は江戸へ行ったバージョン。
前作の方が好きっちゃ好き。まだ続きができそうな感じもしないではない(^皿^)
このシリーズは読後感が爽やかでイイ。忍耐とか意志を貫く強さとか思い出させてくれる。
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読み終わってたの忘れてた。
続編…いらなかったのでわ…
おもしろかったけど。
そもそも友也がなんで万引きなんかしたのかよくわからず…。
そして元の時代に帰るきっかけが、あんなことだとは…え!?って思いました。唐突な!
まあ細かいこと考えて読んじゃいけないってことですね。無心で読めば楽しめる。
勝海舟ファンとしては、麟太郎の登場が嬉しかったです(笑)
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もうおなかいっぱい。でも、解説を読んでいたら、おかわりしたくなった。 #chonpuri いつか作るぞ豆乳ぷりん。
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映画を観て、思わず買ってしまった。最初はあれよあれよという間に話が進んじゃって、いまいち付いていけない所があったけど、後半は一気に読んでしまった。でも、こっちは映画化するのは厳しいのかな…内容的に。
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前作を思うと、予期せぬエピソード満載で、かなり、シリアス!
だけど、最後には、ほっこり、じんわりさせてくれるのは素敵♪
やっぱり、荒木さんの言葉の使い方が心地良い♪
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映画の友也は微妙に残念なルックスの(失礼)子でしたが、原作の友也は表紙の様にイケメンになってたらしい。そしてちょっとだけ悪い子。1作目よりも荒唐無稽さが目立つけど、笑いの部分は案外と少なくて、14歳だというのに友也は割と悲惨な目に次から次へと巻き込まれていく。脇役に「へえ」と思う人物も登場し、こっちの方が映画化に向いてるんじゃないかと思う程。タイムスリップの謎もそれなりに納得の行く解釈が本作で語られてた。1作目ではそこまでの感情はひろ子に見えなかったんだけど、映画同様そういう事だったのね。
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続編出るとは思わなかった^^;
無理やりな感じだったら嫌だな~と思ってたけど
そうでもなくて むしろ①より
いろんな人の内面が書かれてて良かった
この作者の人の文章読みやすくていいと思うのは
私だけかな…
友也の成長した姿に最初はがっかりしたけど
読み進めていくと普通の男の子で、これからも
変わっていくという感じが自然でこれはこれでいいなと
思った
優等生すぎず、明るすぎずって感じ
途中何度か泣いてしまった
なんていうか登場人物みんな押しつけがましくない
いい人
続編出るのかな??
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映画を観て来たので続編も読んでみました。
確かに原作(及び映画)を読んだら(観たら)、気になるだろう続きが描かれています。
ただ…よく言えば勢いのいい、悪く言えば大雑把な話の展開で、ちょっとライトノベルっぽい感じが否めませんでした…。キャラクター主体な感じと言えばいいのかご都合主義というか…。
前作のように丁寧に一人一人の心理や様子を描写してくれていたらもっと良い作品になったと思います。
そんな期待と、前作未読には楽しめないということで星は3つで。
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友也のへたれっぷりにずっとイライラしっぱなし!!
でも色々経験して良い男になって行くのが分かりやすくてよかった。
安兵衛さんのかっこよさもますます!
江戸でお友達になった麟太郎くん!きみはあの方だったのね!?
歴史音痴の私でもしってるよ。
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内容は「えっ!?」と驚きの展開になってます。
今回の主人公はあの幼かった友也君、彼が8年後どんなふうに育っているのか、安兵衛さんは江戸に帰って一体どうなっているのか…わくわくしながら読めました。お勧めです。