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シリーズ第3作。
血塗られた王家の最後の一人として『聖魔の魂』を持つ身であるララ。初代グランディエ王が自らの欲望と引き換えに子孫の魂を魔神ウェンディゴに捧げる契約を魔女アイガイアと結んでいたため、アイガイアは一族に呪いをかけ、聖なる力も魔の力も両方使える莫大な力である聖魔の魂を持つララの命と魂を狙っている。
ララは、魔女の情報を得るため、バビロン、魔道士ビベカの孫ナージス、竜族の姫テジャと共に、アマグスタにいる賢者ナーガルージュナに会いに行く。
途中、ハーゴの村では、黒魔道士を仲間に引き入れた盗賊から村を守るのに手を貸す。
そこで、ララは、ただの子供であり一人の女の子として素直になれる自分を確認し、自身もまた成長する。
アマグスタでは、ナーガルージュナが悪魔アロウラを呼び出し、呪いの謎と魔女を倒す方法を聞く。今のララでは、魔女には勝てないが、天使召喚によって魔女を倒せる可能性を見出す。高次元の霊的存在が地上で力をふるうには、その力を受け入れるだけの霊的に大きな器をもつ者に憑依しなくてはならないが、ララと同じく聖魔の魂を持つ竜族の姫テジャを依り童にすることを考え、天使召喚法を探すため、新たな旅を始めることになる。という内容。
2巻で登場したナージスがどんな味を出してくれるのか、楽しみにしていました。
ナージスの女性の好みが大人の女性で、“全体にむちっとした、化粧は少々派手でもいいからグッとくるような色年増”だなんて、面白いです。「おまっ…。可愛い顔してえげつないこと言うなぁ、オイ!どっちかってーと、それは俺の台詞じゃね!?」とバビロンが言っていましたが、私も言いたいです(笑)。ナージスがどんな人かじわじわ見えてくるのが面白かったです。
黒魔道士、白魔道士の捉え方は興味深いと思います。同じ魔法を使うものなのに、黒魔術は恐ろしいものだと人々が怖がる気持ちに付けいるのが黒魔術、という説明に、成程と納得。
ハーゴの村の話し合いの進み方や村人の考え方行動などもなかなか良いです。
ハーゴは、主教を中心に誠実で実直な人々がまとまっている村で、確かに理想郷かもしれません。
村が黒魔道士に襲われ森に逃げた女子供を追ってきた山賊と子供達が対峙する場面と、無事だった時の喜びあう姿に、同じ作者の『妖怪アパートの優雅な日常』8巻の宝石泥棒と田代ちゃん達の様子が重なりました。
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「わしらは……勝てると信じて挑むだけです」
内容紹介です。
用心棒バビロン、科学の申し子の青年ナージス、魔女に狙われる赤ん坊テジャ。そんな風変わりな仲間とともに王家の謎を解く旅を続ける王女ララは、道中の村で会った少女たちと初めての友情を育む。
出たー出てきたー。
香月作品には必ず出てくる(『魔法の塔』には出てこないな…。おじいちゃんがその位置づけなんだろうけど)かっこいいオトコ。
何かを悟っていて、武術にも秀でていて、そして何よりも年齢不詳!
挿絵見る限りじゃイイオトコじゃないけどな。
ただのおっさんにしか見えないけどな。
偶然出会った女の子たちとララが話しているシーンがあるんですが、やはり恋バナなのか。
女の子が寄り集まったら、その話題しかないのか!
それにララとバビロンの関係って恋というより既に愛じゃないんですかね。
しかも超ド級の。
この中で出会った少女が「賢者って何する人?」みたいな心の声があって、それに激しく同感。
よく賢者って出てきますけど、いまいちよく何がどうなって賢者なのか。
そも自分から名乗れませんよね?賢者なんて。
そして「賢者」と呼ばれることを許容するんですか?
それってどうなのかなーと思います。
話の筋にはまったくもって関係ありませんが。
そしてバビロンの言う「バカ賢者」(表記はちょっとテキトー)に吹き出しました。
不思議な響きだ…。
次の巻が楽しみです。
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「何かに似てる…」と思いながら1巻~3巻まで読み終わり、気づいた!!西遊記と似てる!!
ララとバビロンの恋もこの物語の要素のひとつですが、ララが10歳なので、この設定はどうかな~と思いながら、恋愛は抜きにファンタジー冒険小説として楽しんでいます。
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魔女の陰謀を打ち砕くため、魔女アイガイアをよく知るという賢者ナーガルージュナのもとに向かったララ。
旅の途中に立ち寄った小さな村で、同世代の少女たちと友情を育んだララは…。
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シリーズ第3作。
元王女ララ、用心棒バビロン、科学の申し子ナージス、竜族の姫テジャと旅を続ける一行。目指すは賢者ナーガルージュナ。
道のりの途中、少女たちと仲良くなり、盗賊に襲われる村を助ける。
途中の村とのやり取りはコレまで通りの勧善懲悪。
賢者とのやり取りやら、ナージスとのやり取りなど、バビロンの笑っちゃうシーンもお約束通り。
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剣と魔法と140歳の歳の差カップルの物語3巻目。
魔女ビベカの力を借りて過去の因縁を知ったララの一行は、さらなる知恵を求めて賢者ナーガルージュナの元へ。途中に立ち寄った村で悪党退治するエピソードがあるのだが、これが良かった。
もともと、この物語の底に流れているのは「困難に対して前向きに進む力」、あるいは逆境に陥っても折れない心なのだが、それがいちばん如実に現れていたエピソードだったと思う。魔力も強力な武器も持たない普通の人たちが、圧倒的な暴力とどう戦うか。逆に敵はどうやって人心を崩壊させようとするか。こういったやり取りが見事にまとまっていたと思う。
そして真面目なエピソードの次に待っていたのが「バカ賢者」(バビロン談)ナーガルージュナとの出会い。この賢者というのが、ルックスが良いのはもちろん、膨大な知識・経験を持つし、さらには凄腕の剣士だという。そして性格が悪い。最高だ。物語の設定では、「聖魔の魂」(白魔法・黒魔法どちらも使いこなせる)を持つというララだが、彼女が実際に見せるのは「聖」の面ばかり。むしろ良いことも悪いこともさんざんやらかしてきた風のあるナーガルージュナこそ「聖魔の魂」を持ってるんじゃないかという気がする。実際、持っているのかもしれないが。
で、ナーガルージュナに尊敬の眼差しを向け続けるララを見て、微妙に焼餅を焼き続けるバビロンがかわいい。
ララはここで、魔女を倒すヒントを得、さらにナーガルージュナの弟子のアティカが旅の仲間に加わる。どんどん強くなるパーティ。そろそろレベル50くらいか。
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ファンタジーのシリーズ第3巻。
前の巻との間が開きすぎてて、「前回までのあらすじ」があっても、正直、思い出せなかった(大汗)。
好きなシリーズのはずなのになぁ・・・。
というのも恐らく、前の2巻とこの3巻からは冒険が一区切りして進展したからだろうなぁとも思う。
強い意志を持った美少女と、それに巻き込まれた傭兵家業の男。ほのかな恋愛模様と、そこに巻き込まれる運命に立ち向かう姿が描かれるファンタジーです。
香月日輪氏の作品は、本当に、何というか、
教訓に満ちているなぁと私は思っていて、
今回もそれがすごく現れていた。
グループで動くとき、みんなが一つにならなければいけないとき。
そのときは、「ひとつ」の目標が大切。
不公平感がないように、どんな役割にも意味があり、
それは最後には「ひとつの目標」につながっていく。
そうするとグループはまとまる。
ほら、ビジネス書みたいでしょ(笑)
「最後の最後はまっとうである人間が強い」
帯にもあるこの言葉は、ストーリーの中では
元気をくれると思います。
さて、今日発売のもう1冊の香月氏の新刊も買ってくるか。