紙の本
人であると言う者、医者であろうとする者
2004/02/04 18:41
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投稿者:浅基 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1巻を読んだ方でドラマがきっかけだったと言う方は、僅かな違和感を覚えたと思います。ですが、2巻ではもっと違和感を覚えるのではないでしょうか。原作は原作、ドラマはドラマとは言っても、やはり比べてしまうのですよね。
2巻では人の醜さが一層目立っています。あまりにも自分勝手な行動に、呆れてしまいそうになることもしばしば。ただ、里見が好きな方は喜んでください。里見が表舞台に出始めます。
全5巻の中、2巻がどこに位置するのかを簡単に書くと、教授選考会で教授会へ推薦する候補者の選定するところから財前が国際外科学会へと旅立つ日までです。
教授となり我が世の春を謳歌する財前には、怖いものも遮るものも何もない。たくさんの人間と事実が彼を助長させ、彼の万能感を肥大させていく。本当に彼を大事に思うもののつぶやきを無視し、未来を信じて上り続けようとする財前に、嫌な感じを受けました。それと同時に、ひたひたと近づいてくる影にやりきれないものも感じる。その声に耳を傾けていれば、彼には影など存在せず、いずれ望む姿を手に入れられただろうにと…。
財前が教授になってからは里見も強く現れだします。常に医者としてのあるべき姿を追い続ける里見と、医者も所詮は人であるという財前。この先に待ち受ける事実が2人をどう翻弄するのか、楽しみでなりません。
電子書籍
財前と里見の対比がよく現れている第二巻です。
2019/01/06 12:02
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投稿者:御室 みやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
教授選を巡る票の行方はもちろん、人生の考え方なども含めて、根本的に財前と里見は対比していきますよね?
そんな中で、里見は、教授選などの雑音に耳を貸さず、一心不乱に研究に打ち込んでいます。教授選の決選投票で財前が圧勝し、金沢大学の菊川教授が落選した時も、残念だった様子ですね。
財前が教授になってからの第一外科医局の雰囲気もがらりと変わり、中でも、第一内科の里見から回ってきた患者の診察以降、彼の尊大さがむき出しになってきます。
教授になってからも、患者さんと向き合う姿勢は変わらないはずなのに・・・
また、柳原という医者が断層撮影を申し出ても、却下。一言でいえば、財前はプライドが高いのです。
ドイツの国際外科学科界へ出発前も、里見からの申し出を無視する態度なども含めて、財前は思い上がった主人公なんだなと第二巻を読みながら感じました。
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義父、OB会を後ろ盾に、からくも教授選を勝ち残った財前は、同期の里見から相談された患者の手術を行う。術後の状態が良くないまま、華々しくドイツでの学会を成功させるが、患者は亡くなってしまう。医療事故ではなかったと言い張る財前に、里見は患者の家族に検死を進める・・・
医学用語が少し難しいが、栄光に影が差す2巻は話に引き込まれていく!
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教授選後半から、いよいよ今後のメインとなる佐々木庸平さんの誤診問題が始まります。これまでは、財前先生の視点で読んでいましたが、ここら辺から視点が佐々木さん一家や柳原先生に移り、財前先生に対する印象も変わってきたと思います。
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ドラマ化されるたのをきかっけに読みました。
ドラマより深くて読みごたえがあります! 読み始めると、とまらなくなっていく・・・
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てか、財前ってヤな奴だなぁ〜(←今更)。教授撰迄は應援してたんだが、教授になっちゃってからは專ら里見さん贔屓になって仕舞う(-_-;) (200706某日)
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財前やだなぁ。。
里見いいなぁ。。
なんというか、すごい世界だなって思う。
面白いです。
(07/08/06)
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教授選が長過ぎて飽きます。
いまだに財前が悪人に見えないんだけど、なんでだろう。こういう人もいるだろうという気持ちのせいだろうか。
自信を持ちすぎると怖いこともあるんですね。
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まさに社会派小説!であると同時に、山崎豊子さんの、膨大な取材・調査をひとつの小説にまとめあげる力、というか才能に思いっきり下を巻かせられます。個人的にはやはり完全学究肌の里見助教授の生き方に共感を覚え、第一部(5巻セットの文庫本では第3巻の終わり)を本当に悲しく読んだものです。「名作は色褪せない」の言葉通り、40年前の小説とは思えない瑞々しさです。
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一気に面白くなった。
それにしても教授選、長い・・・
ついつい読み手としては財前を応援する形で読んでしまったが・・・
その後の佐々木康平の容体が非常に気になる。
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驕れる者、久しからず。財前がどんどん悪の道に…。
その変容ぶりは純粋無垢なアナキン・スカイウォーカーがダース・ベーダーになっていく様子を見ているかのようです。
やっぱり自分の力に過信してはいけない。里見教授のような研究者には憧れます。劇中でも佐枝子が思いを寄せる人物として好意的に描かれていますし。
三巻ではもっとすごい展開になっていくようですね。
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人間くさくていいよな〜こういう小説。飽きずに5巻読みきってしまいました。
財前という教授が憎めないだけに、カワイソウな人間に見えました。自分の信念を最後までつきとうしたのはスバラシイ。
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教授選に勝利して図に乗る五郎ちゃん。
急に葉巻は吸いだすわ、人事は都合の良いように変えまくるわ、下の人間に怒鳴り散らすわ、媚びまくった前教授の存在は消去するわ、もうあんた小学生か!と思うくらいの浮かれっぷり。
そんな単純かつあからさまで、今までよくやってこれたもんやと思うよ。
先が読めない性格の彼が心配です・・・。
09.04.08
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財前とケイ子が「助の字が取れた」という話をしているのを読むと、どうしてもサロンパスのCMを思い出してしまいます。
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教授選では財前が辛くも勝利を収め、念願の教授のポストを獲得する。教授選出後すぐに、国際学会への招待状が送られる。多忙を極める財前であったが、国際学会への招待という栄誉を捨てることはできず、院内の処理を部下に任せ、ドイツに向かう。しかし、ドイツ滞在中に、財前の執刀した患者が呼吸困難に陥り大きなトラブルとなる。