紙の本
読みにくい
2012/11/24 08:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nikkunn - この投稿者のレビュー一覧を見る
海道さんが監修しているにもかかわらず、下手な各著者の文章がそのままで非常に読みにくい。しかもほとんどの著者が自慢話で終わっている。
投稿元:
レビューを見る
震災当時やその後の対応に関わった
(当事者含む)医師たちのインタビュー集。
あの時(それから現在まで)に何が起こり
人々がどう感じたり行動したりしたのかを
一端にすぎないが知る事が出来たように思う。
勿論、当事者の思いなんか外野が簡単に
わかる事ではないのは百も承知だが・・・。
ちなみに。海堂さんの文章だけ全体の色調を
乱す勢いで異質だったのには、がっかりした。
今回に限らず彼の本音の文章は、熱く憤って
いるのも考え方も分かるし納得できるけれど
過分に攻撃的というか・・・相手側(?)が
カチンと来るのもやむなしといったものが多い。
それくらい現状がキツイのだろうと斟酌してすら
(彼の理屈を肯定的に受け止めている私でも)
「うーん、その言い方はどうだろう」等、読んで
不快になる事が多々あるのが残念だ。
投稿元:
レビューを見る
タイトル通り、東日本大震災での医師達の奮闘をインタビューからおこしたもの。淡々とした書きぶりの中での壮絶な現場が垣間見れる。
心のケアは、ここから問題になるんだろうなぁ。。。
投稿元:
レビューを見る
自治医大 初代学長 中尾喜久 己を忘れて、他人の利となれ これが自治医大生の精神であり魂です。
真のリーダーとは、周囲のみんなに生きる勇気を与えることができるひとのことだ
日本は官は最低最悪だが、”民”(たみ)がいい。そこが米国とは違う
投稿元:
レビューを見る
先の大震災において様々な場所で奮闘した医師たちの記録。
ドキュメンタリーチックというか、かなりきわどい、ぎりぎりの場面に出くわした人たちの証言も多い。
こういう証言をアーカイブしておいて、場面別に分析したりしたら、けっこうおもしろいんじゃないかな。
前に別の本のところで「意外とマニュアルが役に立った」というのをピックアップしたけど、それは組織の長たちにとってのことであって、これみたいにほんとに一人ひとりの医師たちにとっては、非常時にマニュアルが存在し得ないのも事実。
そのときどきに、それまでの自分のおかれている状況を踏まえながら、考え、行動し、反省する。
客観的に見ればそれこそほんとにテレビみたいな内容なんだけれども、主観的に寄り添えばまったくもって自分には判断の下せそうにない状況も多い。
医者はすごい、といえばそれまでだが、いや、ほんとにすごい。
投稿元:
レビューを見る
東日本大震災で奮闘した医師たちへのインタビュー集。それぞれの立場で目の前にいる被災者たちと向合った姿が、医師たちへの淡々としたインタビューにより語られる。こういう風に、1人1人の声をちゃんと聞けることってすごく少ないし、また、収められているインタビューに特に演出がないので、すごく読んでいて腑に落ちる。気持ち良い。やっぱり、マスコミでの取り上げられ方とは随分受ける印象が違う。
日本ではこういうインタビュー集の本って結構すくないけれど(「アンダーグラウンド」くらいしか思いつかない)、この本のインタビューのまとめ方のクオリティは相当高い。
でも、海堂氏の「いのちを救い、死を悼む」は不要。余計な主張が入ってしまったことで、その前にある医師たちの声が完全に台無し。不必要に劇的な文体だし、医師を礼賛する一方でそれ以外の組織を敵としてたたく文章は真摯さに欠け、読んでいて気持ちいものではない。
投稿元:
レビューを見る
帯裏
その時、「お前は医者じゃないのか!」という声が聞こえました
九九%は絶望の中でも、必ず一%の希望はある
今回の大震災は、天災であると同時に人災です
心の問題で自殺する人を一人でも減らしたい
医療がないと人は離れていく。医療が立ち上がれば安心する
医師とは、いのちを救い、死を悼む存在なのだ-海堂尊
投稿元:
レビューを見る
医療は大事だ!
号泣。ほんと泣いた。
大震災関係の本、写真集に続き、
初めて手に取ったけど、それぞれの医師の
冷静な行動、時に突き動かされるような行動、
医者って本当に素晴らしい仕事だと思いました。
募金するなら、日本医師会にしたいです。
日本の医療、考え直さなないと、と切に思うと
同時に、こういう医師がいる限り、まだ死んでないと、
きっと、良くなることを願います。
投稿元:
レビューを見る
東日本大震災で救命にあたった医師たちのインタビューをまとめた本です。自分も被災者でありながら、救命活動を行うその姿には、読みながら思わず涙がこぼれました。リアルの声が伝わる、本当に貴重な一冊だと思います。
投稿元:
レビューを見る
ページを捲るたび、泣けて泣けてしかたがない。
もう何も言葉がない。
まさしく「奮闘」で、ただただ、自分を顧みず必死に尽力された方々に、ひたすら頭が下がる。
どうか、自身が被災しながらも身を削り決死の思いでかけずり回られた医療従事者の方々が気付いた、災害時医療に必要なことすべてが、これからの日本できちんと整えられていきますように。
いかに人間がちっぽけか、そして同時に、いかに人間が守るに足る素晴らしい生き物か、痛感させられた名著でした。
投稿元:
レビューを見る
ところどころ、あまりにも主観的過ぎると思いながら、思わずそうならざるを得ないほど深い悲しみや絶望やそういったものをひしひしと感じた
投稿元:
レビューを見る
未曾有の大震災に立ち向かった9人の医師。辛うじて命拾いをし、その怖さを率直に語る医師、情報統合の大切さ、役所の柔軟な対応を求める局面など、これから災害にどう備えたらよいか、重要なヒントが示されていると思う。官僚や地方自治体の人にぜひ読んでほしいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
人間の生は、当人にとっては自分が死ねば世界も終了、全てがそこで終わるという絶対的なものであるのにも関わらず、人は偶然に生き偶然に死ぬ。人の死はありふれたものであり、死んだ人はこの世界に生きる数多の人々の中でそのほんの一片に過ぎない。しかしそのほんの一片の人の重みたるや比較のできない重さであり、その一片の人が及ぼす影響力の大きさもまた他と比較できないものである。人一人一人は儚いが、その儚い人がいかに偉大か、しみじみと考えさせられた。人の役に立つ。見返りを求めず奉仕をする。自発的に、何の我欲もなく。そういう事の出来る人、いや人は皆そういう事が出来るのだろうとは思うが、それを未曾有の非常時に愚直にこなしていく――人とは凄い存在だと思い知らされた本だった。
投稿元:
レビューを見る
地震と津波が全てを奪い去った東北の各地で、懸命の医療活動を行った9名の医師たちの貴重な証言を記録したものです。どの医師の語った経験も壮絶そのもので、彼らが人間と医師の尊厳を失わなかった姿に打たれます。
この本は甚大な被害を及ぼした3・11の東日本大震災の時に、津波が全てものを押し流したあとの現場で医療活動に当たった九人の医師の証言を基にしたものです。どの医師も壮絶な『命の修羅場』を語っており、感動よりもむしろ、こうまですさまじい意状況に身を置きながら、医師として、人間としての尊厳を失わずに粛々と自分のなすべきことをしていた、ということが書かれており、そこにはただただ頭の下がる思いでありました。
その中の一人は自分の中に『お前は医者じゃないのか!?』という声が聞こえ、自身の仕事に一区切りをし、東北大学で研究をしようという直前に遭った震災直後の現場で医療活動を行っていた、という話はとても自分の印象に残っています。次に、震災で心の傷を負ってしまった方に寄り添うような治療をしていた精神科医も最初は「ハイ」になって、しゃにむに医療活動をしていたそうですが、後にゆり戻しが来て何度も何度も喪失の悲しみで声のかれるまでおお泣きした、というエピソードも強く僕の心に残っております。
阪神・淡路大震災で学んだことのひとつとしてご年輩の方が震災で孤立したときに精神的な我慢の限界になって自ら命を絶ってしまったことや、孤立死をしてしまい、いかに東日本大震災のあとに孤独死や自殺を食い止めることが大きな課題であり、阪神・淡路大震災の教訓がいい意味で生かされたのだな、ということを感じました。まだまだ復旧のめどはたちませんが、ここに書かれているお話はなんともすばらしいものがありますので、ぜひとも風化してほしくはないと思っております。
投稿元:
レビューを見る
(2012.03.23読了)(2012.03.16借入)
【東日本大震災関連・その62】
監修者の海堂尊さんは、「本書では、さまざまな立場から震災に対応した九人の医師たちが物語を紡ぐ。彼らの、限界状況における言動は、医療とは何か、そして命というものがどれほど貴く、彼らがそれにいかに本能的に守ったかということを改めて私たちに伝えてくれる」(245頁)と述べています。
東日本大震災に際して、さまざまな立場から震災に対応した医師たちに新潮社の編集者やノンフィクションライターがインタビューしまとめたものです。
【医師たち】
宮城県南三陸町 公立志津川病院 菅野武 (インタビュー:増田晶文)
宮城県名取市 東北国際クリニック 桑山紀彦 (インタビュー:吉井妙子)
福島県双葉郡 富岡中央医院 井坂晶 (インタビュー:新潮社取材班)
千葉県松戸市 旭神経内科リハビリテーション病院 旭俊臣(インタビュー:新潮社取材班)
岩手県上閉伊郡大槌町 植田病院 植田俊郎 (インタビュー:増田晶文)
宮城県歯科医師会 身元確認班 江澤庸博 (インタビュー:吉井妙子)
千葉県市原市 五井病院 川越一男 (インタビュー:歌代幸子)
岩手県陸前高田市 県立高田病院 石木幹人 (インタビュー:歌代幸子)
岩手県宮古市 国民健康保険田老診療所 黒田仁 (インタビュー:歌代幸子)
●病院に津波が(22頁)
今後、津波の危険地帯にある病院は最上階に電源と医療器具、薬、食料、水を必ず備蓄しておかねばなりません。
●患者さんを失った(26頁)
僕(菅野武)が救出されたのは三日目、13日の午後です。最後の患者さんとヘリに乗り込みました。地震と津波のことは、この時点でもまだまだ自分の中で整理できていませんでした。
まずは患者さんを可能な限り運べたという、少しの達成感があります。でもそれ以上に、多くの患者さんを失ったという腹立ちが強烈です。南三陸町の全部が流された喪失感だって消えません。
ようやくヘリが飛び立った時は無性に泣けて仕方ありませんでした。
●リーダーとは(31頁)
「真のリーダーとは、周囲のみんなに明日を生きる希望を与えることができる人のことだ」
●ガザ地区へ(43頁)
2009年1月、僕(桑山紀彦)は日本人で初めて、パレスチナ自治政府の行政区画であるガザ地区に入りました。もちろん何度も入国をはねられたり、国際医療ボランティアの仲間にも「あそこだけは危険すぎるから止めた方がいい」と忠告され、妻や高校生と中学生の二人の息子にも心配かけたくないから、ガザ行きは告げていなかった。そこまでしても行きたいと思ったのは、僕の医療従事者としての心根にある「見て見ぬふりをしない医療」を実践したかったからなんです。大変な時に行かなければ、絶対に後で後悔すると思った。
●悪夢に悩んで(47頁)
やっとの思いで小学校の手前の歩道橋に登った瞬間、黒い波が押し寄せて子どもを抱いた若いお母さんや、カートを押していたおばあさんが波に消えてゆくのを目撃しました。なぜ、自分は彼女たちを抱えて逃げなかったのか。
●家族を失って(48頁)
もうスーパーにもショッピングモールにも行きたくな��。辛くて家族連れが見られない。なんで私だけ、家族を失ってしまったのか。なんであの人たちには、家族がいるのかって、怒りと失望でいっぱいになってしまうんです
●オフサイトセンター(69頁)
大熊町には「オフサイトセンター」というのがありました。
原発が事故を起こした時に、町民の安全を考えて指令を出して、どの程度の爆発なのかを報告して、住民その他をスムーズに避難させるための組織です。住民避難のための司令塔になるべき組織ですが、今回、オフサイトセンターの面々はいち早く福島市に逃げちゃったんです。
●救護所と診療所(73頁)
救護所というのは医療活動ができません。市販の薬しか出せない。でも診療所化できれば、ちゃんと保険適用のお薬を使える。治療ができる、医療行為ができます。
●自殺を減らす(92頁)
「働くだけが人間の生きがいではないんですよ」ということを説いて、少しずつ老人たちの考えを変えて行ったことが、うつ病になる人を減らして、自殺を減らしたという結果に現れたのです。
●身元不明(133頁)
身元不明の検死には、歯科の所見が欠かせません。
●怪我人はいない(165頁)
避難所で、僕らが「具合の悪い人いますか?」と聞きながら回っていくと、「じゃあ、血圧を測ってください」という人は多かった。でも「怪我をしている方は?」と聞くと「そんな人はいません。そういう人は皆、死んでしまいました」と言われたのです。
●災害医療(178頁)
災害はそれぞれに被害の形態が異なり、まったくおな状況などあり得ません。阪神大震災では外傷が多かったのに対し、今回は避難所などでは内科的疾患がほとんどだったように、求められる医療も異なっています。
●安心(207頁)
「医療のない場所から人は離れて行く。医療が立ち上がる兆しが見えれば、人々は安心する」
☆関連図書(既読)
「石巻赤十字病院、気仙沼市立病院、東北大学病院が救った命」久志本成樹監修・石丸かずみ著、アスペクト、2011.09.06
「石巻赤十字病院の100日間」由井りょう子著、小学館、2011.10.05
「遺体-震災、津波の果てに-」石井光太著、新潮社、2011.10.25
「南相馬10日間の救命医療」太田圭祐著、時事通信出版局、2011.12.01
「ボランティアナースが綴る東日本大震災」キャンナス編、三省堂、2012.02.15
「東日本大震災石巻災害医療の全記録」石井正著、ブルーバックス、2012.02.20
(2012年3月29日・記)