紙の本
私は騙されるほどの財産がない。安心していいのか、嘆いていいのか。
2009/07/14 20:17
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベニスの商人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
石川五右衛門が捕えられて、釜煎りの刑に処される際の辞世の句が「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」だというが、“詐欺犯”は「盗人」の同類項だ。したがって、五右衛門がいい残した「世に盗人の 種は尽きまじ」というのはまさにその通り。だましの手口(種)は、未だに尽きていない。
「俺(私)は絶対に詐欺に引っ掛からない」、「詐欺に引っ掛かるのは、間抜けだ」と、豪語する人がいる。しかし絶対にそうだろうか。プロのマジシャンの妙技は、同業者は別として、素人には見破れないことが多い。その理由はやっているのが「プロ」だから。それを「詐欺師」に置き換えて考えると、“だましのプロ”がだましにかかっているのだから、自分は「絶対に引っ掛からない」と思うのは危険。かえって、「自分は大丈夫」という過剰が、いざ引っ掛かった場合には泥沼に落ち込む。
【確証バイアス:confirmation bias】というのは、「ある考えや仮説を抱いてしまうと、それが「正しい」とする示す方向の証拠を重視し、またそうした情報を収集すること。それに相反する証拠が提示されても軽視されてしまう。最初の先入観や信念がなかなか変えられないことを理由づける「認知の歪み」のこと」。L&Gの「円天」事件の“被害者”などの行動は、「確証バイアス」で、いくらか説明は付くと思いませんか。
そして、疑っている人も、いざ、「正しい」と方向転換した場合には、わき目も振らずまっしぐら。仮に、まだいくらかおかしいかなというところがあっても【後悔回避:regret aversion】をする。「人は自分のとった行動を正当化して、後悔しそうなシーンを無意識に正当化する」のである。
だましてくるのはどんな人だろう。肩書きが立派な人だからといって、だまさないとは限らない。先ごろ、有名作曲家で音楽プロデューサーの某が詐欺罪で、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡されたのは記憶に新しいだろう。身の周りにいる人物でも安心できない。直接でなくても、“玉突き”的に被害に巻き込まれる場合もある。前述の「円天」事件でも、友人に誘われたという人が結構いるはず。友人はだまそうと思ったわけではないだろう。だが、結果として詐欺だったのだから、友情と金銭を失った。
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マルチ商法、勧誘、振り込め詐欺などの事例とその手口を説明。
要するに、誰も信じちゃいけないみたい。
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内容紹介
振り込め詐欺から各種の悪徳商法まで、だましの手口はますます巧妙を極め、
進化しています。なぜ人は簡単にだまされてしまうのでしょうか。
手口を追いかけるだけでは、ダメです。その裏ではたらく心理のトリックにまで迫らないと……。
豊富な実例を取りあげながら、だます側とだまされる側の実際のやりとりを再現しつつ、
さまざまな「だましの構造」に通ずる「心の法則」をやさしく説いていきます。
●後悔回避 何気なくとった自分の行動を正当化する
●保有効果 自分のモノになると、2倍高い評価をする
●返報性 他人の好意にはお返ししなくてはいけないと思う
●ハロー効果 1つ、2つの特徴で、全体を見誤る
●希少性 「今しかない」「二度とないチャンス」と思わせる
だましを仕掛けられたとっさのときにも役立つ「対処法」と、
だましに心理的に強くなるための「総合対策法」も併せて丁寧に解説します。
だますよりもだまされるほうがいいとはいうけれど。。。。
やっぱりくやしいですよね。
気をつけよう。。。
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感想はこちら → http://mdef.blog29.fc2.com/blog-entry-90.html
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[ 内容 ]
振り込め詐欺―なぜテレビでこれだけ報じているのにだまされてしまうのでしょうか。
ほとんどの人は「知っていた」のにだまされたのです。
ただ、知っているだけではダメです。
その裏の「心の法則」を知らないと、カモにされます。
たとえばウソの話で恐怖心をあおり、身内を装った泣き声で家族愛を引き出す、巧妙な手口で仕掛けてきます。
振り込め詐欺から各種の悪徳商法まで、豊富な実例を知る心理学者が、だましのトリックを明快に解読します。
とっさのときにも役立つ「対処法」付き。
[ 目次 ]
序章 振り込め詐欺の手口を知る
1章 自信過剰がはまる罠
2章 心の状態につけ込む
3章 リアリティの落とし穴
4章 誠実な人ほどご用心
5章 だましてくる人はどんな人?
6章 集団パワーの恐さ
7章 だましの手口を見抜く―練習課題付
8章 だましにあう前にしておくこと
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ひっかかったことはないけど、どこから詐欺は飛んでくるかわからない。いつ騙されるのか不安でいっぱいでは暮らしていけないけど、心構えはしておきたい。そういう善良な人々への啓発本である。読んでおいて損なし。
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この本を読む時間があるならその時間でクロサギを読む方が遥かに為になる。非常に浅い、新書らしい新書とも言える。
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私は騙されないだろう、と思っている事が一番危ないらしい。
今は大丈夫でも、やはりもう少し年を取って来ると違ってくるのかもしれない。
色々な騙しの手口を知っておくことは、多少役立ちそうだけれども、騙しの手口の進化速度は驚くほど速い。
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自分で相手を、相手に気づかれないように、騙すために読んでみた。
営業的、話法テクニックの実例を、仕事にそのまま活用できる。
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タイトル通りだましの手口が色々と紹介されています。
具体例が詳細で、イメージしやすいです。
例えば、振り込め詐欺の手口を知らない人はもはやほとんどいないと思います。しかし、それでも本書のなかで述べられているような形で実行されたら、見破るのはそう簡単なことではなくなるのではと感じました。
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だます側の巧妙さに舌を巻く。
君子危うきに近寄らず。相手のフィールドに入って戦うのは難しいことがよく分かる。
自分のフィールドであれば、相手の言っていることや出してくる資料に矛盾が無いか、考える冷静さを保てるかもしれないが、
相手のフィールドでは心理的に追い詰める手段がいくつも巧妙に仕掛けられていて難しいことがよく分かった。
こんなことに巻き込まれたらどうする?という日頃からの訓練は本当に大事だと感じた。
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天牌という麻雀のマンガでよっちんが「イカサマを覚えるのは見破るためであって、普段は使わない」と言ってた。
それと同じでだましの手口を知って、自分も騙されないようにしたい。
【後悔回避】
人は自分のとった行動を正当化して、後悔しそうなシーンを無意識的に避けようとする。
後悔をしないがために、何気なくとった行動も継続して進めようとするし、ましてや「少なからぬお金や時間」を使った場合はなおさら次のステップへ進んでしまう。
「一貫性」「コミットメント」という
【保有効果】
あるものをいったん自分のモノにしていまうと、その価値が高まってしまい手放したくなくなってしまう心理現象のこと。手放すときには2倍以上の「価値・値段」をつけてしまい、別のものと交換しようという提案になかなか応じない。
【返報性】
他人から何か恩恵を施されたら、お返しをしなければならない気持ちになること。
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なんで簡単に詐欺に引っかかるのだろう?
詐欺になんて引っかからない。と思ってる人が
一番、引っかかるそうです。ごく普通のことが
ごく普通に書かれている本です。
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読むのに少し恐怖を感じた本。
学生の頃に、怪しい話に地下室みたいなところに連れて行かれ、契約を迫られ、逃げ帰った記憶が蘇りました。
いろいろな人が、こういうことを知っておいたほうが良いのだろうなぁと感じました。家庭内のルール決めもね。
「どんなに信じている人の話に対しても、鵜呑みにしていいということはないのだと肝に銘じておく必要があります。」 この言葉をきちんと頭に入れておこう!
「」
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様々な詐欺の手口を傾向と対策など詳しく記されており、今後いろいろ参考になりそうだし、実際自分が似たような手口を見聞きしたりした内容も盛り込まれていた。その上で、その詐欺のテクニックが人間の心理にいかに作用させて入り込んでくるのかについての社会心理学的見地から説明がなされているので、非常に役に立つ。詐欺の手練手管は洗練されていく。いたちごっこかもしれないが、少なくとも人間が持つ心理は古今東西変わらないものであるし、個人が持つ欲と言う面が詐欺にとっては格好の餌であることも変わらない。そういった普遍的な常套手段に通底するテクニックをあらかじめ心得ておくことは非常に大切だ。まずは自分を疑うことから始めなければならない。