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烏兎の庭 第一部 書評 8.23.02
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/harunisitey.html
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砂漠でありあまる時を過ごすという極限の状態に身を置かれた主人公が周りが見えていなかった自分に少しずつ気づき、受け入れたくない、そんなことはないと頭がはちきれそうになりながら過去をこわごわ振り返っていく描写に胸を打たれ、最後にとった変化を恐れた行動にも驚き、自分もこうしてしまうかもしれないと悩みました。少し暗くなってしまいました。
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アガサクリスティー著書
ミステリー以外にも心の動きを繊細に描きだす作品。十年前ぐらいに読んだけれど、今だあの衝撃は色あせない。4つ星なのは、ラストが個人的に悲しいから。今の時代の話ならきっと別の道を選択できるはず。
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クリスティを「フーダニット」の書き手としてでなく、ものすごく高度な心理サスペンス作家と認識した1冊。これを読んでうならない既婚者っているだろうか。久しぶりに読み返してもやっぱり面白い。 ついでながら、ああ、大英帝国の光輝の残照、現在はニュースでみるイラクの地名がたくさん出てくる・・・。
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07年7月。
優しい夫、よき子どもに恵まれ、女は理想の家庭を築きあげたと思っていた。
娘の病気見舞いを終えてバグダットからイギリスへ帰る途中で足止めされたことをきっかけに、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱き始める。
哀しいお話し。
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優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。
しかし、娘の病気見舞いを終えて、バグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる。
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すべての女の足元にぱっくりと口を開けた、独善というかくも深き穴。
砂漠の只中で一人現実から切り離された女主人公が次第に妄想にとらわれてゆくと見せかけて、実は彼女が現実だと思っていたすべてこそが妄想だった‥という「真実」がじわじわと暴かれてゆく展開は、特に事件らしい事件は何も起こらないにも関わらず、なまじなサスペンスよりも余程スリリングでリアルに恐ろしい。
砂漠の熱に炙り出されるように、次々浮かび上がる「証拠」の数々に身もだえする女主人公に注がれる作者の視線は熱くかつ冷徹で、ある種の女の生き様を描ききろうとする女流作家の熱情をひしひしと感じさせる。静かな戦慄を禁じえないラストも見事だ。
女の素敵志向の白々しさを容赦なく描き、慢心しがちな人生に冷水をあびせる、サスペンスの女王クリスティのまさに真骨頂。
面白い。そして、しみじみと、こわい。
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英国が生んだ大ミステリ作家、アガサ・クリスティは生涯にいくつか、ミステリ以外の小説を執筆しています。いずれも当初はメアリ・ウェストマコットというペンネームで出版しましたが今の日本ではアガサ・クリスティ名義で出版されています。
メアリ・ウェストマコット名義の作品のなかでもこの「春にして君を離れ(原題:Absent in the Spring)」は最高傑作との呼び声も高く、人の心の一番弱い部分を笑顔で握り潰す、圧倒的な筆力を持って読者に迫ります。誰も人が死なないのにホラーです。これより怖い小説を読んだことがありません。無理。
内容は、満ち足りた人生を歩めていると自らの境遇に満足する中年の婦人ジョーンの、数日間の旅行中に計らずも陥った深い内省を淡々と綴ったもの。その果てに彼女が辿り着いた真実とは…。
貴方が本当に、ゆるぎない健全な、強い精神力を持っているという自負がある場合のみ、お奨めします。
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読んだのはハヤカワ文庫のカバーの方でしたが。クリスティといえばミステリのイメージがありますがこれは普通(?)の小説。けれど元気ないときはきついお話。なんとも収まりの悪い気持ちになるラストですがなんだか忘れられない。
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クリスティは推理小説以外の作品を数冊出しており、これはその一つです。
割と淡々としており、好みでない人は(つまらない)という印象を持つかもしれませんが、私は重くてつらいものをもらいました。
さりげない文章の中、些細な気持ちのすれ違いが少しずつ読む者の心を冷やしていきます。
私にとっては、推理小説以上に恐ろしく怖く、そして悲しく切ない話です。
最後の一文に、ザックリと心をえぐられました。
後々まで尾を引き、かなり考えさせられますが、この本に巡りあえて良かったと、心の底から思っています。
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ミステリの女王クリスティは、ミステリばかりではなかった!
本物の物書きの真髄をこの作品で見た!
本当に胸がすくわれるような、清涼感のあるラブストーリー
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■内容
優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
■memo
出版社時代、休日や夜の空白の時間に自室で黙々と読んだ記憶。
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先日、BSでクリスティの番組をやっていて、その中で評判の高かった作品でした。ポアロなどが活躍する殺人事件のミステリーは読んでいましたが、こうした本は全然、手にしていませんでした。この本は「クリスティー文庫」というシリーズで、カバーもなかなか素晴らしいし、字も大きい、文庫本と言え少しサイズが大きいタイプで、気に入りました。
昔は外国の作品もよく読めましたが、最近は名前を覚えられず、あまり登場人物を把握できずにいるので、避けていました。でも、ミステリーとは違う作品をこうも一気読みできたなんて、この作品の力かもしれません。
主人公ジョーンは、優しい夫、よき子供に恵まれ、平穏に賢く理想の家庭を気付き上げたことを満足していました。しかし、末娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスにもどるときに、聖アン女学院時代の同窓生ブランチに出会い、その落ちぶれた姿に同情さえ持つのですが・・・・
列車の運休で足止めをくらい、自分に向き合う時間ができてしまったことから、今まで現実逃避していた真実に気が付いていく、、、それは真実なのか疑心暗鬼なのか・・・・?
解説で、栗本薫さんが「哀しく恐い本」と書かれています。「悲しい」ではなく「哀しい」と。なるほど、確かに恐い面がありますねえ。でも、この主人公の行動を陰で冷淡に見ている夫ロドニーはどうでしょう?それが優しさともいえるところが恐いけど、なかなか嫌な奴のようにも思えますが(^^;
「しかし、ああ、どうか、きみがそれに気づかずにすむように。」
こわっ!
次は、何年ぶりかにクリスティのミステリーを読んでみよう。
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大学生の頃初めて読んで…衝撃でした。
自分の中にもジョーンの要素があると感じ、
それだけに、彼女のようには絶対なりたくないと思った。
本当におそろしいです。
ちなみに、これを読んでから、人に実年齢より若く見られたいと、
全く思わなくなりました。
(ジョーンは、実際よりずっと若く見えるのです。
自分の人生で背負うべきものを背負ってこなかったから…?)
一度読んだら忘れられない物語です。
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アガサクリスティーのラブミステリー。
どうしても、洋書の日本語版というのは好きになれないのですが。。。WW
けれども、この結末ーー???というような斬新な驚きと発見があったので★4つで!!
人間の心理について考えさせられる一冊でした。